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損傷の種類と見方
A. 関連用語
障害と傷害:医学一般に,心身や臓器・組織の機能異常には「障害」(機能障
害),組織構造の後天的な異常には「傷害」(組織傷害)という用語があてられる.
傷害と暴行:法的には,「傷害」とは他人の身体に実質的な外因性の異常(外
傷)を生じさせる行為(故意または過失)をいい,そのような異常の発生の有無
に関わらず,故意に有形的・物理的な力(暴力)を加える行為を「暴行」という.
外傷:臨床医学上は,物理学的外力,高温・低温,電気,気圧・水圧,放射線,
化学物質や異物などの様々な外因による身体の「傷害」と「障害」を広く含めて
「外傷」と呼ばれている.
損傷:狭義には,機械的外力(力学的エネルギー)によって生じる身体組織の
構造破壊(組織傷害)あるいは機能障害のことをいう.最も一般的な「外傷」の
1 つである.広義には,内因性の疾病によるものも含む.外傷と同義に用いられ
ることもある.死体や器物に生じた変化をいうこともある.法医学上の「損傷」
は狭義に用いられ,厳密には,生前に生じたものを意味する.死後のものには
「損壊」,器物の場合には「損壊」あるいは「破損」という用語をあてて区別する
ことができる.
創傷:損傷には皮下に及ぶいわゆる“傷口”があるもの(開放性損傷)とない
もの(非開放性損傷)とがある.基本的には,前者には「創」,後者には「傷」と
いう文字があてられ,両者をあわせた「創傷」という表現も狭義の「損傷」と同じ意味で用いられる。