🍫 帯広市雑談

　北海道帯広市の百貨店「藤丸」（藤本長章社長）が来年1月で閉店する方針を固めたことが6日、同店関係者への取材で分かった。近年、売り上げ減少が続く中、コロナ禍が追い打ちをかけ、自社単独での事業継続は困難と判断した。

　同店は1900年、「北越呉服」として創業。地元では「藤丸さん」の愛称で親しまれている。釧路、北見の百貨店が相次いで閉店する中、道東で唯一残った百貨店だった。

　複数の関係者によると、売上高はピーク時に145億円あったが、人口減や郊外店進出、通信販売の浸透などで年々売り上げは減少。さらにコロナ禍による外出自粛などの影響を受け、テナント撤退も相次いでいた。

　同店は、売り上げに占める衣料品の割合がスーパーなどに比べて高く、コロナ禍に伴う「巣ごもり需要」の恩恵もあまり受けることができなかった。2021年8月期の売上高は約44億円で、7期連続の赤字決算となっていた。

　金融機関などの支援のもと、国のコロナ融資を受けながら事業継続の道を模索。地元企業も空いたテナントに出店するなど協力してきた。しかし、最終的には、現形態での事業継続は困難と判断。再建を担う事業者を探していたところ、リゾート施設再整備やホテル取得の実績がある地元のベンチャー企業が名乗りを上げたという。

　閉店後は、このベンチャー企業が現店舗の土地・建物を買収した上で改修。屋号を残した上で、新しい商業施設などとして営業していくことが想定されているという。

　藤丸は取材に対し「単独で事業継続は困難と判断したのは事実で、現『藤丸』は1月で閉店になる。122年の感謝を込めて、8月から閉店セールを実施する」と話している。