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2016/02/06 12:29
爆サむ.com 北海道版

📖 創䜜携垯小説





NO.3876909

プロフェッサヌ日䞋の倧冒険前線
その刹那プロフェッサヌ日䞋は
報告閲芧数15レス数34

#12015/04/03 21:11
あげ

[匿名さん]

#22015/04/12 00:57
その刹那プロフェッサヌ日䞋は䌏せおいた䞊䜓を起こし、同時にフロントブレヌキを匷く握った。
グリップを倱ったリダタむダを右に振り出すず、フロントタむダを軞にしおバむクは180床向きを倉えお止たった。
远っお来おいた二台のバむクのヘッドラむトを正面に芋据え、日䞋はニダリず䞍敵な笑みを浮かべた。
クラッチを握り盎しおギダをロヌに入れ、アクセルを煜りながらタむミングを蚈った。

むキナリ向きを倉えた日䞋のバむクに、远っ手のスピヌドが鈍った。

「今だ」

゚ンゞンが咆哮を䞊げた。
䞊䜓を䜎くしお迫り来るヘッドラむトを目がけおクラッチを繫ぐ。

プスン  

あかん、゚ンストやん  

[匿名さん]

#32015/04/12 21:29
日䞋は焊っおいた。

二台の远跡者に気付いたのは、バむパスに入っおすぐだった。
日䞋はバむパスを䞋り埠頭ぞずバむクを向けた。
海沿いの䞀本道、この時間に通る車はいない。

プロフェッサヌず呌ばれる日䞋の立おた䜜戊はこうだ。
突然スピヌドを䞊げお匕き離す、するず圓然向こうも速床を䞊げる。
そのタむミングを芋蚈らっおバむクを䞀気にタヌンさせる。
そしお、面食らった二台の間を加速しお突っ切る

パヌフェクトで゚クセレント、゚レガントでナむスでむカス䜜戊だった。
䞊手く行けば  

「なんでやねん。なんでココで゚ンストやねん」

前方10に二台の远跡者は止たった。

二台ず䞀台は睚み合ったたた、どちらも動かない。

だがこの時、日䞋のプロフェッサヌず呌ばれる頭脳は再びフル回転しおいた。

栌闘だけは避けなければならない  
腕っ節の匱さには自信が有る日䞋だった。

「ワシは頭脳掟やからなぁ。さお、どうすべぇ  」

どうする日䞋  どうなる日䞋  

[匿名さん]

#42015/04/15 01:07
続きが楜しみです。

[匿名さん]

#52015/04/15 05:56
日䞋はハッずした。

プロフェッサヌず呌ばれる頭脳が答えを出す前に、二人の远跡者は目の前に立っおいたのだ。

「アカン、アカンがな」

プロフェッサヌず呌ばれる日䞋の頭脳が再び回転を始めた時、右偎の远跡者に胞ぐらを摑たれおいた。

「チョ、チョむ埅ちィな  ギャッ」

日䞋は路䞊に匕き倒された。同時にブヌツの爪先が日䞋の鳩尟にめり蟌んだ。

「ホゲッ  」

芋虫の様にのた打぀日䞋を黒尜くめの二人が芋䞋ろしおいた。
呌吞も出来ずに日䞋は悶絶を続けた。

——むキナリ、なんちゅう奎や。

「解っおんだろ。倧人しく出しなっ」

若い女の声だった。
日䞋はその声に確かに聞き芚えがあった。

——そう蚀う事カむな。

女が再び日䞋の腹を蹎った。
ワンステップからのサッカヌキックだった。
薄れる意識の䞭で日䞋は思った。

——女盞手に手ぇ出すワむや無いでぇ。


そんな事を蚀うおる堎合なのか日䞋。
どうなる日䞋  どうするんだ日䞋  

[匿名さん]

#62015/04/16 06:04
日䞋は唞った。
ベッドから降りるだけで䜓のアチコチが痛かった。

——クッ゜ヌ、ワダダで。

あの晩、二人は動かない日䞋を蹎るだけ蹎った。
日䞋は途䞭で気が付いたのだが、あえお、気を倱った振りを通した。

死んだ振り  
プロフェッサヌず呌ばれる日䞋の頭脳が出した最善の策だった。

——ワシは頭脳掟やからな。

二人は日䞋の䜓を怜めおいたが、目圓おの物が無いず解るず匕き䞊げお行った。
遣り過ごせた安堵感からか、日䞋の意識は再び暗ぞ萜ちた。

犬の吠える声で目が芚めたのは朝だった。
日䞋の呚りには人だかりが出来おいた。

「りラァ芋せもんチャりで。アッチ行かんかい」

日䞋は野次銬を远い払い、䜕ずか立ち䞊がった。

——アカン。䜓が蚀う事聞かヘン。

バむクを路肩ぞ寄せ、日䞋はペタペタず歩き出した。
郚屋ぞ垰り着いた日䞋はベッドぞ倒れ蟌んだのだった。


䞉日埌。日䞋は䜕ずか動けるようになった。

——ク゜ッ。倍返しじゃ足んでシカシ。

日䞋はプロフェッサヌず呌ばれる頭脳をフル回転しお考えおいた。


やり返すのか日䞋  倧䞈倫なのか日䞋。
以䞋、埌線に  続くのか

[匿名さん]

#72015/04/16 07:33
面癜い

[匿名さん]

#82015/04/17 06:10
日䞋は䞊機嫌だった。

「ペォ、むケメンさん」
日䞋は鏡に向かっおそう蚀うず、ニダリず笑った。

䞞二日、日䞋はプロフェッサヌず呌ばれる頭脳をフル回転しおリベンゞ䜜戊を捻り出した。
そのロゞカルで隙の無い䜜戊に日䞋は満足䞊機嫌なのである。

——完璧や。さすがワシやで。

その倜遅くの繁華街。路地から蟺りを芗う日䞋の姿が有った。
黒いスヌツに赀いシャツ、ネクタむが癜、頭には゜フト垜ず蚀う出で立ちで、黒いサングラスのたたスポヌツ新聞を広げる姿は道行く人を遠ざけおいた。

䜕気ない玠振りずは裏腹に、その怪し過ぎる栌奜が目立っおいる事に気が付かない日䞋だった。

——おっ、お出たしや。
癜いタむトなスヌツ姿でタクシヌを止めたその女こそ、あの晩日䞋をボコボコにした女だった。

日䞋はタバコを投げ捚お、タクシヌを止めようず手を䞊げた  が止たらない。
その原因が自分に有る事に気が付かない日䞋だった。

「乗車拒吊やな、䌚瀟名芚えたからなぁ」
倜の街に日䞋の眵声が虚しく響いた。

日䞋は女のタクシヌを芋送り立ち尜くした。
日䞋の完璧な䜜戊は、出だしで砎綻した  

——ク゜ッ。䜜戊の緎り盎しダ。

そう蚀う問題なのか日䞋  どうするんだ日䞋。

[匿名さん]

#92015/04/17 14:25
おもろいやんちゃんず芋おるで

[匿名さん]

#102015/04/17 20:31
>>9

本圓に面癜いですね

[匿名さん]

#112015/04/18 01:23
クッ゜ヌ、ワダダ  のずこで爆笑です

[匿名さん]

#122015/04/18 06:11
日䞋は迷った。
迷う  日䞋には珍しい事だった。

——ドゥすっかなぁ。
かき揚か海老倩か  うどんのトッピングである。倀段は同じだった。


女のタクシヌを芋送っお以来、プロフェッサヌず呌ばれる頭脳をフル回転しお日䞋は考えた。
問題点を掗い出し、䜜戊を立おおはシミュレヌションを繰り返した。
そもそも「問題点」を倖しおる事が問題なのだが、゜コには気が付かない日䞋だった。

——アホらし。
日䞋は考える事に䞉日で飜きた。

——たぁ、女盞手にマゞになっおもアカンしな。
日䞋は「負け惜しみ」ず蚀う蚀葉を知らなかった。

䞀ヶ月も経぀ず、日䞋は事件の事などスッカリ忘れおいた。


「かき揚オマチ」
「オバちゃん、指ィ浞かっずるダン。カナンなぁ」
日䞋がうどんをすすり始めるず同時に垭を立぀男がいた。
その男は日䞋の埌から店に入り、入り口に近いテヌブルに座っおいた。
そしお日䞋が食べ始めるのを芋お垭を立ったのだ。

男は店を出るず日䞋のバむクに屈み蟌んだ。
数分埌、男は立ち䞊がり、䜕床か頷いお顔を歪めた。笑ったのだ。

日䞋は䜕も知らずにうどんを食べおいた  

又しおも、日䞋の呚りに危険な銙りが挂い始めた。
気を付けろ日䞋  うどん食っおる堎合じゃ無いぞ日䞋。

[匿名さん]

#132015/04/18 20:34
モッズモンキヌバナナ蚀葉の連想ゲヌム

[もこっち◆HkIVgegQ]

#142015/04/19 06:04
日䞋は困惑した。
身䜓がピクリずも動かないのだ。
手足はおろか、銖さえ動かせなかった。

——コ、コレが金瞛りカむな。
日䞋の耳の埌ろを冷たい汗が䌝った。

日䞋は唯䞀動く目玉を動かしお芋慣れない景色を確認した。
癜い倩井から䞋がるブルヌのカヌテンが日䞋のベッドを囲んでいた。

——どこダココ。
誰かがカヌテンを開ける気配がした。
日䞋は咄嗟に死んだ振りをした。ず蚀っおも、目を閉じただけだ。

シャヌ。ず軜い音がしおカヌテンが開いた。
日䞋が薄目を開けるず、看護垫の栌奜をした若い女が日䞋を芗き蟌んでいた。

——えっ。そう蚀うお店

  メンドクサむので話を少し戻す  
うどん屋を出おすぐ、日䞋はバむクの異倉に気が付いた。
軜い暪ブレを感じたのだが、日䞋は構わず速床を䞊げた。
車速が80㎞を超えるず、車䜓党䜓が激しく震え出した。

——こりゃアカンわ。
堪らずブレヌキレバヌに指を掛けた瞬間、レバヌは䜕凊かぞ飛んでいった  

——えっ?゚゚ッ
激しく震えながら蛇行するバむクの䞊で、日䞋は地蔵のように固たっおいた。
目前に亀差点が迫り、信号は赀に倉わった  

そしお今、日䞋は病院のベッドの䞊に居た。

倧䞈倫か日䞋。
それにしおも、話が党然進たないぞ日䞋  

[匿名さん]

#152015/05/05 05:48
話の途䞭だが  

日䞋ず蚀う男を知る為に、少し昔話をしよう。

それは小孊六幎の倏䌑み、日䞋少幎が友達ずプヌルぞ行った時の事だ。
次々に飛び蟌む友達を暪目に、日䞋少幎は入念に準備運動を繰り返しおいた。
準備だけは念を入れる  日䞋はそんな少幎だった。

ふず、プヌルの端に芋知った顔を芋぀けた。
日䞋少幎が思いを寄せる女の子だった。
告癜する勇気も無く、ただ遠くから芋おいる  日䞋はそんな少幎だった。

その女の子は䞀緒に来たらしい女子達ず離れ、䞀人でプヌルの端に぀かたっおいた。
女の子は顎たで氎に沈み、呚りを窺うように倧きな瞳を動かしおいた。
八秒埌、女の子は友達の方ぞず泳いで行った。

日䞋少幎は゜レだけで党おを理解した。
劙な所だけ感が良い  日䞋はそんな少幎だった。

日䞋少幎はプヌルぞ入り、女の子が居た堎所を目指した。
その堎所たで来るず、たるで枩泉にでも浞かる様にナックリず䜓を䌞ばした。

芖線を感じお顔を向けるず、あの女の子ず県が合った。
女の子は眉を寄せ、睚むような県をしおいた。
日䞋少幎はニダリず笑い
「倧䞈倫や、誰にも蚀わぞんから」
そう口の䞭で呟くず、頭たで氎に朜った。

日䞋はそんな少幎だった  

[匿名さん]

#162015/05/06 01:21
日䞋の青春

䞭孊二幎の時、日䞋少幎は䞉幎生の女の子に恋をした。
「お おはようサン」
思い切っお声をかけたのは、二孊期が終わる頃だった。

初めお二人で映画を芳たのは、翌幎のバレンタむンデヌだった。
映画の垰り、日䞋少幎は初めお女の子ず手を繋いだ。
チョコレヌトは貰えなかったが、日䞋少幎は満足だった。

圌女が卒業するず連絡も途絶えがちになった。
だが、どれだけ䌚えない日が続いおも、心には䜕時も圌女が居た。

ある日の倕暮、日䞋少幎は我が県を疑った。
爆音を立おお目の前を暪切るバむクの埌ろに、茶髪をなびかせた圌女が乗っおいたのだ。

日䞋少幎は自転車をこぎ出しおいた。
「チョむ埅ちィ  なんでダ、なんでダぁあ  」

バむクが芋えなくなっおもこぎ続けた。
気が぀くず、頭の䞭で「翌の折れた゚ンゞェル」が流れおいた。

日䞋少幎の初恋は、涙に溶けお飛んで行った。
䞭孊䞉幎の倏だった。

高校生になった日䞋少幎はアルバむトを始めた。
原付免蚱を取り、貯めたお金を握りしめおバむク屋を回った。

そしお、四件目のバむク屋に゜むツは居た。
銀色のタンクに赀いりむングマヌクが眩しかった。

「芋぀けたデ、ワシの翌ダ」

日䞋少幎。高校䞀幎の倏䌑みが終わろうずしおいた。

[匿名さん]

#172015/05/08 01:19
日䞋にはホンダ車だずいうずこたでリサヌチしおくれおいるのが嬉しいです
必ず芋おたすからね

[匿名さん]

#182015/05/08 02:27
。。

[匿名さん]

#192015/05/09 06:08
プロフェッサヌ誕生

「人間は二通りや。バむクに乗っずるか、乗っずらんかや」
その人は日䞋を振り返り「受け売りやけどな」ず付け足した。

「昔の事なんか知らん、降りた奎にバむクを語る資栌は無い」
せやから、乗り続けなアカンねん  そう蚀っお、その人は笑った。
その笑顔が日䞋は奜きだった。

バむクブヌムず蚀われ、街に峠にバむクが溢れおいた頃だった。

だが、数幎で峠は様倉わりし、バむクもすっかり芋なくなっおいた。

——バむクブヌムも終いですかね。日䞋がそう蚀うず。
「お前、流行りでバむク乗っずるんかぞたすりゃ死ぬんやで。半端な奎は怪我せん内に降りおたえ」
その人は吐き捚おるように蚀うず立ち䞊がり、タバコの箱を塵カゎぞ投げた。
「たぁ、蚀うおも無理はアカン。ハヌトはホット、頭はクヌルや。死んだら終いやで」
コレも受け売りやけどな。そう蚀っおたた笑った。

「タバコ買うお来るわ」
それが、その人の最埌の蚀葉だった。

スピヌドが乗る右コヌナヌ。䞭倮線を割った四茪ずの正面衝突だった。
今も「ベンツアタック」ず呌ばれるコヌナヌ。その由来を知る者も今は居ない  

゜ンなコンなで、日䞋は走り続けおいる。
その孀高の埌ろ姿に涙しない者は居ない。

走れ日䞋、行け日䞋。
地の果おたで行っおしたえ  

ただ続く。予定。䞀応  

[匿名さん]

#202015/06/15 16:59
続線ただかなぁ・・・・・・・

[匿名さん]

#212015/06/28 05:18
>>20
申し蚳ない。ただ読んでくれる人が居るずは思わなかった  


『a professor 日䞋』 seasonⅡ

寝た切り→車むス→束葉づえず、日䞋は超人的な回埩力を芋せアッず蚀う間に退院した。
「超人ハルク」ず蚀う圢容詞を文字通りに受け取る日䞋であった。
それでも、杖代わりの傘は手攟せない状態だが  

季節は梅雚である。
日䞋はリビング兌ダむニング兌寝宀の窓から空を芋䞊げ、この日䜕床目かのアクビを噛み殺した。暇なのである。

バむク雑誌もマンガも゚ッチなDVDもすっかり芳飜きおしたった。
新しい本を買いに行くにもDVDを借りに行くにも、この足でこの倩気では郚屋を出る気にはならなかったのだ。

その時、日䞋は閃いた。
日䞋は゜ファに腰を䞋ろし、巊足を投げ出すず携垯を開いた。そう、ガラケヌである。

自分が行け無いなら、誰かを行かせれば良いのだ。

——ダッパ頭゚゚やン、ワシ。
だが、気が付くのに退院から䞀週間掛っおる日䞋であった。

電話から二時間近くも経った頃。
日䞋が゜ファでりトりトしおいるず、激しくドアが叩かれた。

「開けろ。譊察や」
日䞋はりンザリした顔で立ち䞊がり、ドアを開けた。

「マむドッ。お届けモノで〜っす」
電話で買い物を蚀い付けたタカヒロが、゚コバックを䞋げお立っおいた。

「お前ヮ、゚゚加枛にセェよ」
日䞋はドアの内偎に匕き入れるず、タカヒロの頭をグヌで殎った。

だが、゚コバックを枡しおもタカヒロは垰ろうずしなかった。
「なんやただナンぞ甚か」
「たたたたァ。ただ買い物代貰うおたヘンやん」
「金に汚いダッちゃのぉ」
「意味が解りたセン」

雚雲が吹き溜たった様な空は、いよいよ䜎くなっおいた。

[匿名さん]

#222015/06/30 05:37
新しいバむク雑誌を膝の䞊で閉じ、日䞋は短く溜息を぀いた。
少しむラ぀いおいるのだ。

「ホンマにナンも無いダン」
冷蔵庫を芗き蟌んでいたタカヒロが蚀った。
ナンだカンだ蚀いながら䞊がり蟌んで時間、窓の倖が薄暗いのは雚雲の所為ばかりでは無い。金を貰うたで垰る気が無いのは明癜だ。

「ホレッ」
根負けした日䞋は䞀䞇円札をテヌブルに投げた。

「おっぞぞッ、オヌキニ」
「  オヌキニ」

日䞋ずタカヒロは秒間芋぀め合った。

「冗談デスやん。でも、釣り銭が有りたヘンねん」

日䞋の顔が胜面のようになった。

「解りたしたよ。䞡替行っお来れば゚゚んでしょ  」

タカヒロはブツブツ蚀いながら郚屋を出お行った。

日䞋はナッタリず座り盎し、雑誌を捲りながら煙草に火を点けた。
愛車は䟋の事故でスクラップず化した。
圓然、次の愛車を物色䞭なので有るが  

——なぁに、急ぐ事ぁナむで。
日䞋は煙草の煙を吐き出しながら巊の膝を撫でた。
雚が続いおいるせいか、退院した時より痛みが増しおいた。
クスリ袋を探り、痛み止めを猶コヌヒヌで流し蟌んだ。最埌の二錠だった。

ハッずしお県を開けるず、郚屋の䞭は真っ暗だった。
クスリの所為か、眠っおしたったようだ。携垯を開くず午埌時半を過ぎおいた。

——晩飯は  タカヒロも居るしピザでも頌むか。
っず、日䞋は䞍意に立ち䞊がり、膝を抱えおたた腰を萜ずした。

——あンのガキャぁ。
それから䞉日、タカヒロの携垯は電源が切れたたただった。

[匿名さん]

#232015/07/02 06:00
ある日の日䞋  


雚が止んだ。

雲の切れ間から陜が射すのを芋お、日䞋はリハビリを兌ねた散歩に出た。
倖は酷い湿気で、䞀時間も歩くず汗たみれになった。

走るのは無理だが、歩くのに䞍自由ない皋に巊膝は回埩しおいた。
この日、䜕故か、日䞋は少し遠回りをしお垰ろうず思った。
思い付き、気玛れはい぀もの事である。


暫らく歩いおいるず、歩道に男の子が立っおいた。
小孊生だろう。癜いシャツに青い半ズボン、巊手に野球のグロヌブをはめおいた。
芋るず公園の前だ。キャッチボヌルでもしおいおボヌルが飛び出したのだろう。

日䞋は少し迷ったが、歩み寄っお声を掛けた。
「ボヌルが無いンか」
少幎は驚いたように振り向いた。

「ボヌルは、ア゜コや」
少幎は車道の向こう偎を指さした。
「向こうの、あの怍え蟌みにハマっずる  」

日䞋は溜息を぀き、空を芋䞊げた。
取り残された雚雲の切れはしが、倕日に焌かれおオレンゞ色に光っおいた。

日䞋は巊足を庇いながら急いで車道を枡った。
怍え蟌みを芗き蟌み、泥にたみれたゎム補のボヌルを拟い䞊げお少幎に瀺した。

  コレか
少幎は倧きく頷いた。

車が来ないのを芋蚈らっお日䞋はボヌルを投げた。
ボヌルは山なりに車道を超え、少幎が突き出したグロヌブにスッポリず収たった。

少幎はボヌルを高く䞊げ、ニコリず笑った。
そしお少幎は、スヌっず消えた。
少幎が立っおいた歩道に、汚れたボヌルが䞀぀転がっおいた。

日䞋は、歩道に小さく手を振った。

[匿名さん]

#242015/07/20 05:58
日䞋は読みかけの本を攟り出お倩井を芋䞊げた。

——アホくさ、ンな蚳あるカむ。

本によるず、恋愛はマネヌゲヌムず同じなのだそうだ。
モノにした女の垂堎䟡倀からコストを匕いたものが利益だず蚀うのだ。
勿論、損倱が出る堎合も有る。

——損倱っお䜕やネン。

なので圓然、女も男も垂堎䟡倀の高い盞手を探すのだず蚀う。
そしお女の遞択県は、男の゜レよりもはるかに厳しい。

ただし、垂堎䟡倀が本物である必芁は無い。
「垂堎䟡倀が有る」ず䞖間が思えば゜レで良いのだ。

ラむバルを出し抜いお優良物件を手に入れるため、自分の垂堎䟡倀を少しでも高く芋せるため、虚勢を匵り芋栄を匵り駆け匕きをする  

——チャりな  うん、チャりで。

日䞋の恋愛芳ずは真逆だった。

——だいたい「恋愛はゲヌム」ずか蚀うダツにロクなダツは居らんテ。

日䞋が女に惚れるのに時間も理屈も芁らない。
数幎来の知り合いだろうず初察面だろうず、䞀瞬の仕草、䞀蚀でストンず萜ちる。
蚈算も打算も無い、損埗抜きなのだ。勿論、日䞋の䞀方的なものだが  

䜕より、日䞋のストラむクゟヌンは恐ろしく広い。
倉化球から癖球、暎投、䜕でも来いなのだ。

そしお、かなりの確率、いや、ほが党おの堎合、最埌は日䞋がフラレる  

——たたたたダ。ただ巡りおうおヘンだけや。ワシの゚ンゞェルちゃんは、きっずどっかに居おるンや。


雚の止んだ倜空を芋䞊げるず、雲の切れ間に䞉日月が出おいた。

——やっず、梅雚も明けたようダな。

  日䞋に梅雚明けは来るのか

[匿名さん]

#252015/07/20 08:30
䞊手い面癜い
文章力 構成力がプロ䞊みですね
ずいうかプロですか

[匿名さん]

#262015/07/20 09:27
>>25
どうもありがずうございたす。

クスッず笑っお貰えたら嬉しいです。

勿論プロではありたせん。

たたたたこのスレを芋付けお曞いお曞かせお貰っおたす。

話の内容がスレタむからだいぶ逞れお来たしたが  長〜い目で芋お貰えたら嬉しいです。

[匿名さん]

#272015/07/23 18:15
>>26
䞀から連続しお読んでいなくおも違和感なくさらりず入っおくる途䞭から読んでも受け入れられるのは文章力のセンスが高いからです
ぜひたた投皿しおくださいね

[匿名さん]

#282015/07/24 06:24
タカヒロ


「なぁ、オむちゃんはシッポ無いンやナ」
もう10幎も前、タカヒロが日䞋に蚀った蚀葉だ。

「はぁシッポなんか有るかィ、けど、前にはリッパな  」
少幎の冷めた芖線に日䞋は続きを飲み蟌んだ。

10人に7〜8人、人にはシッポが有るのだずタカヒロ少幎は蚀った。
そしお、自分にもシッポが生えたず尻を突き出しお芋せた。

「  䜕も芋えんケド」
「せやろ。倚分ボクしか芋えおヘんネン。シッポの話をしたンはオむちゃんが初めおダ。アホや思われるから人に蚀うたらアカンお  」
「お母チャンが蚀うたんか」
「りン。実はナ、お母チャンもシッポ無いネン」

䞖の䞭には色んな人間が居る。
もしかしたら、蚀わないダケで本圓は芋えおる人も居るのかも知れない。が  

「たぁ、そう蚀うモンやず思ずケば゚゚ねん」
「そう蚀うモンおどう蚀うモンや」
「色の黒いのや癜いの、倪いの现いの。ノッポにチビ、シッポの有るの無いの。䞖の䞭には色んな人間が居る。色々居っお圓たり前っちゅう事ダ」

少幎は少し考えおから蚀った。
「りン、せやな。ハゲにハゲ蚀うたら怒るやろしナ」
劙な理屈ではあるが、䞀応は玍埗したようだった。

以来、シッポの話をした事は無い。
日䞋から質した事も無いし、タカヒロが口にする事も無かった。

思えば、タカヒロの父芪が亡くなった頃である。
父芪の死が子䟛心に䜕かの圱響を䞎えたのかも知れないず日䞋は思った。


そのタカヒロは今、日䞋の隣りで゚ッチなDVDに芋入っおいる。

「もう、シッポは芋えヘンのか」

「ハァ䜕スか゜レ今ごろ頭が埌遺症デッか」

次の瞬間。
タカヒロの暪っ面に日䞋の裏拳がめり蟌んでいた。

[匿名さん]

#292015/07/29 06:04
最匷の敵珟る


梅雚が明けた途端の猛暑だった。
地獄の様な照り返しを避けおコンビニに入ろうずした時  

——ひったくりヌ
女の叫び声に振りかえるず、若い男が走っお来るのが芋えた。
日䞋は反射的に男に駆け出しおいた。

だが、男は突然動きを止め、そのたた、顔面からモロに倒れ蟌んだ。
日䞋たであずの所だった。

男は歩道に突っ䌏した切りピクリずも動かない。
やがお頭の䞋から赀黒い血が流れ出た。

男は錻を朰しお気を倱っおいたのだ。
駆け付けた譊官に抱き起こされ、男は救急車に乗せられた。

『ひったくり犯、転んで気を倱い逮捕』

珟堎の状況から゜レで決着するのは間違い無い。
だが、日䞋は男の転び方に違和感を懐いおいた。
県の前で芋た日䞋だから感じる䞍自然さかも知れない。

——あの倒れ方。アレは普通ダ無む。絶察ナンか有るデ。
たるで、芋えない巚人が䞡足を掎んで埌ろからドツキ倒した感じだった。

女性がパトカヌに乗り蟌むのが芋えた。譊察眲で詳しい話を聞かれるのだろう。
その時初めお、女性が子䟛連れなのに気が付いた。
5歳䜍の女の子が女性のスカヌトの端を握りしめおいた。

パトカヌに乗り蟌む寞前、女の子は日䞋に気が付いた。そしお日䞋に向かっおペロリず舌を出しお肩をすがめた。
あどけなく無邪気なその顔は、悪戯を芋぀かった子䟛の仕草だった。

母嚘を乗せたパトカヌが日䞋の前を通り過ぎる。
窓に顔を寄せお、女の子が日䞋に手を振っおいた。

——マサカ  お前がやったンか
蚀葉に出さずに聞いおみた。

女の子は小さく頷き、ニッコリず笑った。

——マゞか。たぁた゚ゲツ無いのが珟れよったデ。

[匿名さん]

#302015/07/30 01:06
面癜いです

[匿名さん]

#312015/08/04 06:45
「賢者の莈り物」


なァ、こんな話知っずるか

貧しい若い倫劻が互いにクリスマス・プレれントを買う金を工面する話だ。
劻は、倫が倧事にしおいる金の懐䞭時蚈を吊るす鎖を買うために自慢の髪を切っお売っおしたう。
倫は、劻が欲しがっおいた櫛を買うために自慢の懐䞭時蚈を売っおしたう  

タカヒロは目をシパシパさせお巊䞊を芋䞊げおいた。

二十歳を過ぎおもバむト暮らしのタカヒロが恋をした。
盞手は専門孊校に通う19歳。タカヒロはバむト先の先茩ず蚀う事になる。
䞀目惚れしたタカヒロが、䜕ずかプレれントで気を匕こうず蚀う事らしい。

「ナンか、気の利いたモンは有りたセンかねぇ」
そしお、答える代りに日䞋が持ち出したのが「賢者の莈り物」の話だった。

「芁するに。『モノ』や無い蚀うコッチャ」
タカヒロはたた考え蟌んでしたった。


数日埌。

タカヒロを芋お日䞋は蚀葉を倱くした。
理容孊校に通う圌女の為、カットの緎習台を志願したのだず蚀う。
タカヒロが考えた粟䞀杯の莈り物。その結果が、この、䞖にも斬新な髪型ず蚀う蚳だった。

「ドりです。䌌合うおたっか」
「あっ、あぁ、新しいダンケ」
「デショ床屋代は浮くし、圌女の圹にも立おる。゚゚事尜くしですネン」
満足気に鏡を芗くタカヒロを芋お、日䞋は少し悲しくなった。


週末。
日䞋は久し振りに蚪ねたバむク屋で䞀人の若者を玹介された。

「甥っ子ダ、むケ面やろやっぱ血筋やナ、ヒャッヒャッヒャッ」
確かに、䞋品に笑うバむク屋のオダゞずは䌌おも䌌付かない奜成幎だった。

若者は日に焌けた顔を緩め、困った様に癜い歯を芋せた。

——宜しくお願いしたす。

ず、ペコリず䞋げた頭は、芋芚えの有る「斬新な髪型」だった  

[匿名さん]

#322015/08/11 06:44
Stand By Me


揺らめく陜炎の䞭をバむクが走っお行く。
リダシヌトに括り付けた荷物の倚さから、その旅の長さが解った。
逃げ氎を远い越しお走り去るバむクを芋送るうち、日䞋は遠い倏の日を思い出した。

——そうダッ、あの爺さん。

もう䜕幎も前。
その日も日䞋は早朝の峠を走っおいた。

日䞋が䞀息入れおいるず、䞀台のツヌリング䞭らしいバむクがパヌキングに入っお来た。
黒い革ゞャンにゞヌンズず蚀うありふれた栌奜だったが、ヘルメットを脱いだ颚貌に日䞋は少し驚いた。

——オむオむ、えらい爺さんダンか。
ベンチに腰を䞋ろした爺さんは、倏の空に倧きく息を吐いた。

「ドッからでスか」
思わず日䞋は声を掛けた。

「九州からですよ」
「ぞぇ  で、ドコたで」
「北。北海道ぞね」
「はぁぁ、北海道でっか」
「バむクで北海道っおのが、昔から倢だったんですよ」
そう蚀っお笑う爺さんの顔はシワだらけだった。

乗り手に比べ、バむクの新しさが䞍釣り合いだった。

「実はねぇ、初めおのバむクなんですよ」
免蚱は若い頃に取たんですけどねぇ。そう蚀っおたた笑った。

ずっず思い続け、やっず買えたのだず、爺さんは眩しそうにバむクを芋た。
日䞋には、爺さんの長い人生を想像する事も出来なかった。

バむクで北海道ぞ行く。
その思いを支えにしお爺さんは生きお来たのかも知れないず思った。

爺さんは今、倢の䞭に居るのだ。日䞋はそう思った。

名前も知らない爺さん。
爺さんが無事に北海道ぞ蟿り着けたのか、日䞋に知る術は無い。

[匿名さん]

#332016/02/06 00:12

[匿名さん]

#342016/02/06 12:29最新レス
(^_^)

[匿名さん]


『プロフェッサヌ日䞋の倧冒険前線』 ぞのレス投皿
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