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大谷翔平選手の通訳、水原一平氏がドジャースに解雇された事件は、大谷選手の口座の450万ドル（約6億8000万円）が水原通訳によって横領されていたとする筋と、大谷選手自身が違法ギャンプルと思しき銀行口座に直接資金を振り込んだとする筋が錯綜しています。未だ、真実は分かりません。

そこで、女探偵 堺 浄(さかい きよら)が、この一連の解雇事件を「陰謀論的視座」から考察してみたいと思います。なぜ、当初は大谷選手が自ら違法ギャンブルの銀行口座に直接お金を振り込んでいたと報道されていたのが、途中から水原通訳が横領したという話に変わっていったのでしょうか。ここに論点を置き考察したところ、大谷選手への悪影響を最小限に抑えるための、大谷選手代理人サイドによる巧みなストーリー展開が見えてきました。では具体的に、大谷選手の代理人が誘導しているストーリー展開を2つの視座から陰謀論的に考察していきます。

1．水原通訳が極悪人であった場合の陰謀論的考察

水原通訳が極悪人であった場合、彼はおそらく、大谷選手の信頼を得た上で率先して違法ギャンブルを首謀していったはずです。それが世間に公になったとしたらドジャースのみならず、大谷選手にかかる悪影響は計り知れません。悪影響を回避するため、大谷選手サイドの代理人は水原氏を単なるギャンブル依存者であり、大谷選手が被害者だ、というストーリーを展開することによって首謀者・水原の事実を隠蔽するでしょう。

2．水原通訳と違法ギャンブルの関係を大谷選手が既知であった場合の陰謀論的考察

大谷選手サイドの代理人は、大谷選手が違法ギャンブルに関与したことは一切ないと強く主張しています。しかし、もし大谷選手が水原氏の違法ギャンブルについて既知であった場合、代理人はその事実を隠蔽することによって大谷選手への悪影響を最小限に抑えようとするでしょう。

いずれのパターンも、その真の目的は大谷選手のイメージを守るために工作をすることです。なぜなら大谷選手は世界のスーパースターです。彼のイメージをダウンさせることは莫大な経済的損失を意味します。場合によっては本人のみならず、ドジャースやその周辺が損害賠償を喰らうこともあるでしょう。従って代理人は、大谷選手のイメージをダウンさせないためのあらゆる工作をしているはずです。

主たる方策として挙げておくべきはメディアを用いての情報操作と世論の誘導です。例えば、水原通訳が大谷選手から多額の借金をしていたなど、大谷選手にとって都合の良い情報だけを流し、不利な情報は隠蔽ないしは水原通訳の責任にしようとするでしょう。

さて、いかがでしたでしょうか。以上はあくまでも水原一平氏解雇事件に対する陰謀論的考察です。真実はまだ分かりませんが、大谷選手が罪に問われる可能性を最大限に縮減しているように見えるのです。

 女探偵 堺浄（さかい・きよら）

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。