前場の日経平均は安値引け、496円安 2万0400円台半ばが下値めどか
8/5(月) 11:58配信
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8月5日、前場の東京株式市場で、日経平均株価は安値引け。前営業日比496円29銭安の2万0590円87銭となり、大幅続落した。写真は東京証券取引所で2016年2月撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)
[東京 5日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は安値引け。前営業日比496円29銭安の2万0590円87銭となり、大幅続落した。前週末の米国株主要3指数が下落したことや為替の円高が嫌気され、朝方から幅広い銘柄で売りが先行。取引時間中に一段と円高が進行しドル/円が一時105円台に下落すると、為替に連動する先物売りが強まり、現物指数を大きく押し下げた。
東証1部の騰落数では、値下がりが1988銘柄と全体の92%を占め、全面安商状となった。値上がりが132銘柄、変わらずが28銘柄だった。業種別でも東証全33業種が値下がり。中でも化学工業、電気機器、ガラス・土石製品、鉄鋼、機械などの値下がり率が大きかった。
中国人民銀行が設定した対ドル基準値が1ドル=6.9225元と市場予想より元安だったことで、当局が元安を容認したとの見方が出た。人民元は一段安となり、オフショア、オンショアともに1ドル=7元台へ下落。ドル/円は一時105.80円まで下落し、約7カ月ぶりの円高水準となった。
為替が1ドル105円台に突入したことをにらんで日経平均も下げたが、テクニカル的にいったんの下値めどは2万0400円半ばにあるとの声が出ていた。「今年は25日移動平均線からの下方かい離5%の水準で底値となっている。その水準が今は2万0458円近辺にある。6月4日の取引時間中の高値2万0464円57銭も意識される」(みずほ証券のシニアテクニカルアナリスト、中村克彦氏)との指摘があった。
個別銘柄では、 アシックス<7936.T>が全体の流れに逆行して上昇し一時ストップ高となった。前週末に発表された2019年12月期1─6月中間決算が当初計画を上回ったことが好感された。
TOPIXは2.40%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1553億円だった。
[匿名さん]
長崎原爆で家族を亡くし、自身も入市被爆した男性が、74年前の8月9日に地獄と化した長崎市の惨状をつづった級友の手記を大切に保管している。2人はともに、爆心地近くの同市浦上地区に住んでいた。友は手記を託した後、務めを果たしたかのように亡くなった。「命を削って書いた手記」。その重みを手にするたび心に誓う。「戦争は絶対にしてはならない」と。
男性は佐賀県鹿島市に住む吉牟田邦茂さん(89)。手記を書き残した小川繁さんは長崎市の山里小、旧制長崎中で同級生だった。
あの日、吉牟田さんは福岡海軍航空隊の予科練生で長崎県佐世保市の周辺に駐屯。小川さんは学徒動員で、爆心地から約6キロ離れた長崎市戸町で軍需品を作るトンネル工場にいた。2人の家族で生き残ったのは小川さんの母親だけだった。
中学卒業以来、再会したのは2002年。神奈川県にいた小川さんからの電話がきっかけだった。互いに行き来し合うようになり、吉牟田さんが「記憶力のある君が回想録を書いてみないか」と勧めたという。
≪黒く焼けただれた皮膚がワカメのように体にぶら下がって「水をくれ!!」と叫ぶ者≫≪両手に下駄(げた)を持って道路上の負傷者、遺体の上を夢中で走った(中略)心の中で手を合わせて駆け抜けた≫≪助けを求める負傷者の声は時間の経過と共(とも)に細くなり、やがて消えていった≫
原爆症と認定された小川さんは入退院を繰り返すようになった85歳の時、1日2〜3時間かけて便箋に向かい、60枚を書き上げた。炎に包まれた長崎の街。がれきをやぐらにして弟妹や地域住民を次々火葬したこと。遺体の腐敗が進み「呼吸することも苦痛」だったこと。イラストも添えた。
完成した手記は郵送で届き、程なく小川さんは逝った。「何としてもあの地獄を書き残さねばとの思いが強かったのだろう」。命を縮めてしまったのではないかという自責の念にもかられ、5年ほど大切に手元に置いてきたが、自身も卒寿を前にし、強く思うようになった。「核兵器の惨禍を二度と繰り返してはいけないという彼の思いを継がなければ」。手記は長崎原爆資料館への寄贈を考えている。
[匿名さん]