〘名〙 (「こつじき」の変化した語)
① 他人から金銭や食物などを恵んでもらうこと。また、そのようにして生活すること。そういうことをする人をもいう。おこも。ものもらい。乞丐(こつがい)。かたい。ほいと。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「かうぜちとては、こじきするまねをする」
※玉塵抄(1563)一四「存外にをごれば徳や果報がつきて、子孫もなく、あれども、ひらうしてこじきするぞ」
② =こつじき(乞食)①
※古本説話集(1130頃か)五三「この法師、糧たえてひごろふるままに、くふべき物なし。雪きえたらばこそ、いでてこじきをもせめ」
③ 「こじきごうひゃく(乞食合百)」の略。
[補注]家々を訪れては神の祝福のことばを告げて、食を乞い求めた「ほかいびと(乞食)」が、仏教の頭陀行(ずだぎょう)の一つである「乞食(こつじき)」と混淆して、「こじき」の語を生じた。