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事件で摘発された男(28)の公判で1月、アカウントを提供したある学生の供述調書が読み上げられた。「バイト代を、買ってもいないスマホの支払いに充て続けないといけなかった。どこにも怒りをぶつけられず悔しい」
起訴された3人のうち会社役員を除く男2人は起訴事実を認め、福岡地裁が執行猶予付きの有罪判決を言い渡し、確定した。「募集役」の学生ら2人は、同詐欺ほう助容疑で書類送検され、ともに不起訴となった。一方、県警が主犯格とみる会社役員は「なりすましは認めるが、支払い意思はあった」と主張し、同地裁で審理が続いている。
福岡大では今春入学の新入生らに対し、アカウントなどの個人情報の売買をしないようチラシ配布などで注意を促す予定。同大学生課は「学生が事件に巻き込まれないようにしたい」とする。
ペイディの運営会社は「アカウントの提供は規約違反。提供した情報を基に他人に買い物をされても、本人の支払いは免除されない。アカウントを他人に教えないよう注意してほしい」としている。
サイバー犯罪に詳しい森井昌克・神戸大名誉教授(情報通信工学)は「オンラインショップなどで金銭の支払いができる決済サービスが広がる中、サービスにログインするアカウント情報の重要性が理解されていない。インターネット空間ではアカウントは『自分自身』。他人への提供は、経済的な被害や、犯罪への加担につながり得る危険な行為だと認識すべきだ」と話している
4/9(水) 15:30配信
読売新聞オンライン