🏝️ 佐世保市雑談

長崎県警佐世保署が1月、夫からドメスティックバイオレンス（DV）の被害を受けたとして避難していた女性の居場所に関する情報を、誤って夫側に漏らした疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は取材に対し、事実関係の説明を拒んでいる。専門家は「加害者が接触すれば被害がエスカレートする恐れがある。長崎県警は対応を検証し、被害者保護を現場に徹底させるべきだ」と指摘する。

　複数の捜査関係者によると、昨年12月、女性が福岡県警に「夫から暴力を受けている」と相談。女性は顔などにけがをしており、夫から離れて避難した。福岡県警はDV防止法に基づき、居場所を秘匿する援助対象者に女性を登録し、避難先を管轄する長崎県警とも情報を共有した。

　今年1月、夫の親族から佐世保署に「安否確認をしたい」との問い合わせがあり、応対した署員が誤って女性の避難先に関する情報を伝えたという。ミスに気付いた長崎県警は、福岡県警に「夫が女性に接触する恐れがある」などと経緯を説明。女性は別の避難先に移ったという。

　DV防止法は、被害者保護や捜査などに携わる職務関係者に対し「被害者の安全の確保および秘密の保持に十分な配慮をしなければならない」と規定する。国家公安委員会規則は、援助対象となった被害者への警察対応について「加害者に住所や居所を知られないようにすること」と定める。

　西日本新聞の取材に長崎県警は「個別具体的な案件については回答できない。事案の有無についてもお答えできない」としている。

　福岡県警は14日、女性の顔を壁に打ち付けるなどしてけがをさせたとして、傷害の疑いで、夫（37）＝福岡市＝を逮捕した。

　夫の弁護士は「親族は署に安否を確認しただけで、（女性が）どこにいるかは教えてもらっていないと聞いている。逮捕容疑については事実と反するので徹底的に争う」とコメントした。