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「父と母の元に帰れてうれしい」

２０１２年、広島市の医療施設で、入所者の布団に火をつけて殺害した罪に問われた元介護福祉士に、広島地裁は１６日、「逮捕後の自白は信用できない」として無罪を言い渡した。
判決を受けた入澤亜加音被告（２２）は１６日午後、広島拘置所を後にした。

釈放された入澤被告は「父と母の元に帰れてうれしい」と話した。

入澤被告は２０１２年１２月、広島市内の医療施設で、入所していた加登久恵さん（８５）の布団に火をつけて殺害した罪に問われていた。
取り調べの段階では犯行を認めていたが、裁判になると一転無罪を主張、「自白の信用性」が焦点になっていた。
検察側は取り調べで入澤被告が犯行を自白するシーンを録画したＤＶＤを法廷で再生し、「不自然さは認められず、真の自白」と主張した。

広島地裁の伊藤寿裁判長は「犯行動機など重要な部分で供述が変遷し、犯人でしか語れない供述もなく、自白は信用できない」として無罪（求刑懲役２０年）とした。
一方、同時に審理されていた同僚の財布から金を盗んだ罪では、懲役１年６か月・執行猶予３年の有罪判決を言い渡した。