日本列島太平洋側で中国、ロシアの軍事的活動が活発化している。2021年10月、両国の艦隊が列島をほぼ1周し、翌11月には両国爆撃機が日本海から太平洋へと共同飛行。岸信夫防衛相は「わが国に対する示威活動を意図した」と懸念を示したが、中国空母はその後も太平洋側に深く回り込み、航空自衛隊機の緊急発進(スクランブル)を余儀なくさせた。中国は22年、3隻目の空母を進水させるとみられ、運用が本格化すれば、東シナ海だけでなく、太平洋側でも頻回な対応を強いられる恐れがある。(時事通信編集委員 不動尚史)【特集】社会コーナー
2021年12月に日本の太平洋側を南下し、戦闘機とヘリコプターを発進させた中国空母「遼寧」=防衛省統合幕僚監部提供
2021年12月に日本の太平洋側を南下し、戦闘機とヘリコプターを発進させた中国空母「遼寧」=防衛省統合幕僚監部提供
◇緊急着陸可は硫黄島のみ
「中ロの連携は、わが国の安全保障に及ぼす影響は極めて大きいと認識している。しっかりとその活動を監視したい」。自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は22年1月の記者会見で、列島周辺での中ロの動向に強い警戒感を示した。