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■2つの芝
野球場には、天然芝のスタジアムと人工芝のスタジアムが存在しています。

名前からするといかにも天然芝の方が良さそうな印象を受けますが、こうした芝の違いによりプレーにどのような影響が現れるのか。

双方のメリットとデメリットをご紹介します。

■天然芝のメリット
野球場における天然芝の最大のメリットと言えるのが、人工芝と比べて選手への負担が軽減されること。

天然芝は、その名前の通り土に生えている天然の芝です。

そのため土がプレーにおける衝撃のクッションとなり、怪我を予防する役割を果たしてくれます。

摩擦係数も低いので、スライディングをした時の火傷の発生も抑えることができます。

その結果選手としては人工芝よりも天然芝の方が思い切ったプレーをしやすくなりますし、選手寿命にも好影響を与えることが期待できます。

また天然芝は温度上昇を抑えることができますので、人工芝の屋外球場よりも夏場の負担を軽減することが可能です。

メジャーの球場はほとんど天然芝ですが、ドーム球場の多い日本では少数派となっています。

■天然芝のデメリット
天然芝のデメリットとしては、人工芝よりも維持費が高く管理が難しいことが挙げられます。

そのため天然芝の方が選手の体にとっては良いとわかっていながらも、そう簡単には踏み切れないという現状があります。

また選手にとっても良いことばかりではなく、人工芝よりもイレギュラーが多いため守備が難しいという点が挙げられます。

とくに内野守備に関しては、慣れていないと苦労することもあるでしょう。

■人工芝のメリット
人工芝は下がコンクリートとなっていますので、天然芝ほどイレギュラーが発生をするわけではありません。

そのため選手にとっては、打球の予測が付きやすいというメリットがあります。

また維持費を安く抑えられる点や、他のイベントとの併用をしやすいというのも経営面での大きなメリットとなります。

■人工芝のデメリット
人工芝は、土の天然芝ほど衝撃を吸収できるわけではありません。

そのため選手にとっては天然芝よりも体の負担が大きく、選手寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。

昔に比べると人工芝も改良されているとはいえ、それでも天然芝ほどの効果は期待できないでしょう。

また人工芝は天然芝に比べると温度上昇が激しいので、屋外球場に関してはその点もデメリットとなります。

■まとめ
天然芝と人工芝。
それぞれに特徴がありますので、一概にどちらがプレーしやすいかを決めることはできません。

しかし、選手の体への負担を減らすという点においては間違いなく天然芝の球場に分があります。

現在、12球団の本拠地で天然芝が採用されている球場は甲子園(阪神)・マツダスタジアム(広島)・Koboパーク(楽天)の3つ。

ドーム球場が多く維持費も嵩む以上、メジャーのようにほとんどの球場が天然芝になるというのは難しそうです。

メーカーにより良い人工芝の開発を続けてもらい、導入するというのが現実的な折り合いになるのではないでしょうか。