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夫婦喧嘩を子供の前でやると、子供の教育上良くないと言われているが、それ以上に盲点になりやすいのが、クレーマーと化した親の存在だ。

父親もしくは母親が、子供の目の前で、アカの他人に暴言を吐きまくるクレーマー親だったとしたら、どうなるだろうか。

親は、自分の事で精一杯で『私は自分の言い分を認めて欲しいし正しいと思っている』と思い込んでいるかもしれない。

だがこれが子供の脳に悪影響を与えているとすれば、どうなのか。

今回は医学的実験結果と、私の友人の例、友人が出くわした、クレーマー親を実例に挙げて説明する事にしよう。

■親の暴言は、どんな形であれ子供の脳を傷つける
福井大学教授（日本発達神経科学会理事長）の友田明美氏によれば、親が子供の前で暴言を吐く、他人に難癖をつけるという行為は、夫婦喧嘩以上に、子供の脳にダメージを及ぼすという事が明らかになっているという。

友田氏は、福井大学とハーバード大で、年齢18〜25歳の若者に聞き取り調査をし、親のDVを受けてない人、身体的暴力を受けた人、言葉の暴力もしくはネグレストを受けた人、両方の暴力に悩まされた人に分けて調べた。

その結果、若者の脳の萎縮度は、両方の暴力を受けた人が一番酷かったが、その次に多かったのが言葉の暴力の19.8%で、身体的暴力を受けた人の脳の萎縮度3.2%の6倍になる事が判明した。

高機能自閉症やアスペルガー症候群の権威の1人、杉山登志郎氏は長年の臨床結果から、親が子供の目の前で吐く暴言の方が子供にとってトラウマとなり、取り除きにくいものになると言っている。

日常的に親の暴言や周囲の暴言に接すると脳の海馬や偏桃体に異常をきたし、怒りや不安をコントロールしにくくなるからだ。

その為、親や周囲の暴言を聞いて育った子供たちは、大人になり社会に出て、会社の中や取引先に対しては丁寧語を使って接する事が出来ても、ボロが出た途端、暴言を吐くという事になってしまう。

暴言を吐く親の中には、こんな悪い言葉を使わせる周りが悪いと責任転嫁する人もいる。

彼、彼女らが親になるとクレーマー親予備軍となるわけだが、彼、彼女らの特徴は、どの様なものだろうか。

■自分の事でいっぱいで、似たもの同志で固まる親たち
アカの他人に喧嘩を売るクレーマー親に共通しているのは、自分が一番正しいと思いこんでいる事だ。

SNSで同じ考えや、同年代の人間とだけつながる現在、彼、彼女らの意見が道理として間違っていても否定する人はいないだろう。

自分が正しいと思い込むのは、自分の事で生活に余裕がなく、なおかつ認めてほしいという欲求の強さからくる。

誰かを何等かの形で謝らせたいという歪んだ欲求を常に持っている。

ここから挙げるのは私の友人が出くわした、暴言のスパイラルの例だ。

友人は、とあるカフェで、席を確保していたにも関わらず横取りされた挙句、クレーマー親に、席に名前も書いていないのにお前が取っていたというなと怒鳴られたという。

お前呼ばわりしてきたのは若い女性だというから民度の低さや、その女性も暴言を受けて育ってきたと思われる。

友人は、訳の分からない事を店内で喚き散らすクレーマ親から、遠い席を用意して貰ったという。

もう一つは友人の例だが、友人は小学校の頃から父親に暴言や束縛、ネグレストを受けて育ってきた。

彼女はアラフォーになり、Facebookに何千人と友達がいるが、父親の一件について知る人はほとんどいない。

そんな彼女自身は、Facebook上の友人に、父親について話す時は『父は』と一人称を使って割り切って話すが、私の様に昔の事を知っている者相手だと、父親を『あいつ』呼ばわりしている。

この様に、幼い頃に受けた暴言の傷は消えない。

子供の前で、見本にならない態度や暴言を吐き続ける親は、子供にとって『あいつ』になっても文句はいえないかもしれない。

いかがだろうか。

読者の中にも、親が幼い子供の前で暴言を吐いている所を見かけて顔をしかめた人もいるだろう。

それが子供にとって、悪影響を与える事は覚えておこう。