世界ランク1位・戸辺直人、2m40跳んで頂点へ
[2019年9月19日10時31分]
2019年日本選手権で優勝し、メダルを手に笑顔の戸辺
2019年日本選手権で優勝し、メダルを手に笑顔の戸辺
9月27日〜10月6日にカタール・ドーハで開催される陸上の世界選手権。トラック、フィールドの個人種目で最も表彰台に近い位置にいる日本人とされるのが男子走り高跳びの戸辺直人(27=JAL)だ。
国際陸連のランキングでは7月23日に1位となり9月10日現在、その座を維持している。今季の充実ぶりは目覚ましい。2月には2メートル35の日本新記録を13年ぶりに樹立。世界室内ツアーも日本人で初優勝を飾った。世界で転戦を重ねるスタイルを続ける。先月29日のダイヤモンドリーグ年間上位選手が争うファイナルは、2メートル27で5位。優勝を狙っていただけに満足はなく、悔しい思いが募った。しかし約10日前に左かかとを打撲し「恐る恐る」の跳躍だったことを考慮すると、再発の恐怖心も払拭(ふっしょく)され、同時に世界選手権への手応えをつかんだ。
今季の飛躍の裏には技術を突き詰めたことがある。以前は7、8、9歩など複数の歩数で練習していたが、助走の歩数を、どの会場でも可能な6歩に固定した。同じ動きを繰り返すことで、踏み切りの技術は安定。また踏み切りの瞬間、両腕を一緒に振り上げていたが、昨年9月から世界の主流とは異なる片腕を上げて踏み切るフォームに変更した。本番までは踏み切りまでの3歩で、重心が上がらないよう意識を強め、調整に励む。