9レーンは号砲聞こえづらい?=日本陸連が確認求めるも「正常」−世界陸上
2019年10月02日05時34分
男子100メートル準決勝のスタートで出遅れるサニブラウン・ハキーム(左端)=9月28日、ドーハ
男子100メートル準決勝のスタートで出遅れるサニブラウン・ハキーム(左端)=9月28日、ドーハ
【ドーハ時事】陸上の世界選手権(ドーハ)男子100メートル準決勝で、サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)は10秒15にとどまり、日本勢初の決勝進出はならなかった。本人は「スタートの音が聞こえなかった」とやり切れない表情。日本陸連は主催者側に音響システムに不具合がなかったか確認を求めたが、正常に作動していたとの回答だった。
〔写真特集〕陸上短距離 サニブラウン・ハキーム
サニブラウンは一番外側の9レーンだった。スタートの反応時間は、1組で最も遅い0秒206。もともとスタートが課題とはいえ、見た目にも明らかに始動が遅れた。「スムーズに出て、後半まとめていければ(通過は)余裕だったと思う」と悔しさをにじませた。
スターターの声や号砲の電子音は、各スターティングブロックの内蔵スピーカーと、周囲に置かれたスピーカーから発せられる。準決勝で9レーンを走った選手の反応時間は、2組の謝震業(中国)が0秒188で同組8人中5番目、3組のフィリッポ・トルトゥ(イタリア)は0秒217で同組ワースト。サニブラウンを含め、3人とも予選と比べて0秒019〜0秒036遅かった。
計時、計測機器は毎日、競技開始前にチェックが行われ、正常と確認されている。9レーンの選手が軒並み出遅れた原因は不明だが、音響システムとは別に、今大会はスタート時に観客が静まらないケースが目立つ。世界のファイナリストを目指すには、逆境をはねのける力を身に付ける必要がありそうだ。
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