抜き打ち検査で発覚
この検査は年に1回ぐらいの頻度で実施されている。だが近々タイトルに挑戦する選手に関してはかなり高い頻度でテストが行われているようだ。たとえば現WBCヘビー級王者デオンタイ・ワイルダー(米)に挑戦寸前だったアレクサンデル・ポベトキン(ロシア)は1ヵ月の間に4回も検査が行われ、4度目で違反薬物が見つかり、リングに上がれなかった。もっともポベトキンは、その数ヵ月前の検査でもアウトになり、厳しいチェックが科されていた背景があった。
世界王座初挑戦のネリにも試合前、何度か試験が行われたらしい。
テストはWBCから全面的に委託を受けるVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)が行った。同機関から違反物質と指摘されたジルバテコルは報道によると、クレンブテロールという物質とかなり似通っているという。その差異は詳しく知らないが、家畜とくに牛のサイズを大きくする作用があるといわれる。他方で人間には頭痛をやわらげる効用があり、WBCの本部があるメキシコではアスリートたちの間で支障なく使用されていると伝えられる。
シロ、クロ両方のケースあり
[匿名さん]
クレンブテロールで問題となったのが三浦隆司(帝拳=引退)との激闘が年間最高試合に選定された前WBCスーパーフェザー級王者フランシスコ・バルガス(メキシコ)だ。昨年、同じく激闘を売り物にするオルランド・サリド(メキシコ)との防衛戦を前に、やはりVADAの検査でその物質が発見された。しかし試合は挙行され、予想を超える死闘の末、ドローでバルガスが辛くも防衛を果たした。
この時バルガスのプロモーター、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)は「彼がメキシコのキャンプで食べた肉にクレンブテロールが混じっていた可能性が高い」と報告。バルガス本人も「検査の前に2日連続して牛肉を食した」と認めた。同様なケースでは同じくメキシコの4階級制覇王者エリク・モラレスがダニー・ガルシア(米)との第2戦を前に同じ物質が検出されたことがある。モラレス陣営も「食べた肉に偶然入っていた・・・」と主張したが、試合後サスペンド処分をニューヨーク州コミッションから科されている。
[匿名さん]
バルガスがリングに登場できた理由にはアマチュア当時、オリンピック規格の厳格なドーピング試験を何度もパスした実績や相手のサリドが以前、ネバダ州コミッションから違反薬物でアウトになった背景から、自身で率先して検査を受ける姿勢を見せたことが挙げられる。またGBPが政治力でWBCを説得したとも推測できる。
[匿名さん]