昨年11月に施行された改正道路交通法で罰則が新設された自転車の酒気帯び運転で、福岡県内の摘発件数が、今年4月末までの半年間で計639件に上ったことが県警のまとめでわかった。車やバイクを合わせた車両全体の飲酒運転(酒酔いを含む)の摘発は1433件で、45%を自転車が占めた。逮捕者も出ており、県警は危険な自転車の一掃に向け、取り締まりを強化する。(森陸)
5月21日夜、福岡市中央区の路上。巡回中の県警中央署員らが、自転車にまたがった状態で嘔吐する会社員の女(30歳代)を見つけた。パトカーに気づいた女は自転車で逃走したが、同署員らが制止。飲酒検知の結果、呼気から基準値(呼気1リットル中0・15ミリ・グラム)の4倍近いアルコール分が検出され、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。女は「居酒屋でビールを飲み、自転車で帰宅していた」とうなだれた。
自転車の飲酒運転について、改正前の道交法は酩酊状態で正常な運転ができない恐れがある酒酔い運転のみが罰則対象だった。だが、改正後は酒気帯び運転も「3年以下の懲役(6月以降は拘禁)または50万円以下の罰金」となった。
県警によると、昨年11月~今年4月の県内での自転車による酒気帯び運転の摘発件数は月85~137件で推移し、計639件。酒酔い運転は1件だった。
昨年11月に酒気帯び運転で摘発された137件をみると、午後8時から翌午前4時までの摘発が約8割を占めた。捜査関係者によると、「短い距離だから」「自転車だから」と自転車での飲酒運転を軽視したり、法改正を知らなかったりする違反者が散見されたという。
また、スマートフォンを…
【日時】2025年06月11日(水) 14:50
【ソース】読売新聞オンライン