日本時間の2020年7月20日に日本の種子島宇宙センターからH-IIAロケット42号機で打ち上げられ、2021年2月9日に火星周回軌道に入った。 探査機を火星周回軌道へ投入することに成功したのは、米国、ソ連(ロシア)、欧州、インドに次いで5番目で、中東・アラブ諸国では初の偉業となる。 ホープは5月には、火星の周回軌道上からの観測を開始し、気象、大気散逸、固体についての火星総合探査を予定するとなっている。特に、下層大気の本格的な観測は初となる。 火星がなぜ死の惑星になったのかという長年の謎の究明に挑む。
以前に火星で虹らしきものが観測されたことをお伝えしましたが、今度はオーロラです。詳細は以下から。
現在火星の周回軌道上で観測を行っているアラブ首長国連邦の火星探査機Hopeがオーロラを観測していたことが分かりました。
このオーロラの画像は紫外分光器を使い、火星の夜の領域の空に輝く原子状酸素を捉えたもので、火星探査を行う中での人類初観測となります。
このオーロラは地球で見られるものと仕組みは同じ。太陽風が火星の大気と衝突し、上層部の気体と反応し、励起状態となることで輝きます。火星の場合はそれが原子状酸素だったとのこと。
ただし地球のオーロラと違って紫外線のスペクトルでのみ観測できるため、我々人類の肉眼で見ることはできません。
また、地球のオーロラの場合は磁場にそって出現しますが、火星の磁場ははるか昔に衰弱して磁石化した地表の鉱物などによって点在するのみとなり、出現の仕方はまったく異なっています。
こうした鉱物の分布はかつての火星の磁場の痕跡とも呼べるもので、消滅に向かった経緯を知るための新たなヒントとなる可能性もあるとのことです。