米国とベルギーの国際共同調査隊は、ナイル川中流ルクソール近くの村の発掘調査で、象形文字が刻まれた5200年前の古代エジプトの碑文を発見したと発表した。
碑文には太陽活動を示すシンボルが刻まれていて、研究者は「宇宙に関する古代人のメッセージだ」と強い関心を示している。
米イェール大学のジョン・コールマン・ダーネル教授とブリュッセルの王立芸術歴史博物館の共同調査隊は、古代エジプトの都テーベがあったルクソールから南へ60キロほど離れたエル・カーウィー村近くの岩場の崖に刻まれた象形文字の碑文を発見した。
岩場には、5200年前を最古に、紀元前4000年ごろから同3250年ごろにかけて、複数の碑文が見つかったが、驚くべきことに、それぞれの文字の高さは50〜70センチと、これまで発見された碑文の中でも最大サイズ。
ダーネル教授は「古代にテーベの都に出入りするよそ者の目にもつくようにこんなに大きく刻まれていたのではないか?」と推測している。
とはいえ、刻まれている象形文字は、妊娠している母ゾウを含むゾウの群れや、雄牛の頭部、背中合わせに並んだ2羽のコウノトリの間にはさまれたホオアカトキなど野生の生き物ばかり。
ダーネル教授は「雄牛とコウノトリとトキの組み合わせは、他の古代エジプトの遺跡でも見られる太陽活動や光の概念を象徴するシンボル」と指摘したうえで、「全宇宙を支配するエジプトのファラオ(王)の権威を示している可能性がある」と述べている。
調査チームはこの遺跡を撮影した写真から、3D画像を作成。
詳しい分析を進め、碑文に書かれたメッセージの解読を目指すとしている。
【日時】2017年06月23日(金) 12:42
【提供】ハザードラボ