一畑バス4路線(マリンプラザ、御津、大東、荒島)の廃止方針への代替策を松江市が23日に発表し、路線を使って通学する生徒の保護者らからは、地域の足が途絶える最悪の事態が避けられたことに安堵(あんど)の声が漏れた。ただ、区間や便数を縮小した上で存続するマリンプラザ線など、利便性低下が避けられず「どれだけ影響が出るのか」と不安視する声もあった。
松江市の要望を受け、一畑バス側は市中心部と島根町を結ぶマリンプラザ線存続にかじを切り直した。
高校1年生の長女が同線を使う島根町加賀の看護師、小川麻里さん(42)は存続方針を歓迎。中学1、2年の2人の息子が高校進学を控え、仕事を時短勤務にして送迎するか悩んでいただけに「親の負担としても助かる」と胸をなで下ろした。
同町多古の漁業、小川文賀さん(46)も代替策発表に喜びつつ、詳しいダイヤが明らかになっていない点を不安視。土日や夕方の時間帯の運行次第では、バレーに打ち込む高校1年の四男の部活動に影響するとし「早く回答がほしい」と注文を付けた。
上定昭仁市長は23日の会見で「一人一人の事情にかなっていないところもあるかもしれないので、必要に応じて対応を検討する」と説明した。
一畑バス乗合部の南場晃乗合課長はマリンプラザ線について「通勤通学に支障が出ないよう、松江市と協議しながら便数と運行時間を決めていく」としている。