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ダイナミックフォース・エンジンとはトヨタ自動車のトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)戦略の下に開発されたエンジン。
高効率、低燃費を徹底的に追求すると同時に、ダイレクト感があり、滑らかで気持ちの良い加速性能を目指し、走りと環境性能を両立させるエンジンとして、トヨタ社内で放置されていた膨大な量の基礎研究やレースで得た知見を詰め込んで開発された。基本的には現在流行のダウンサイジングコンセプトよりも『ライトサイジング』の考え方であり、ターボではなく自然吸気を主眼としている。
具体的には空気吸入量の増大のためのタンブル流(縦渦)の改善を主眼に、①バルブ挟角の拡大②ボア・ストローク比のロング化③ポート端部形状の変更とシート内径の拡大④新D-4S(マルチホールインジェクター)採用などを行い、「高速燃焼」を実現。カムリのハイブリッドモデルに採用されたM25A-FXSでは燃焼効率41%を達成している。またエンジンのみのグレード(いわゆるコンベンショナルモデル)においても安定した低燃費を実現しており、消費者からは不評な声も多いアイドリングストップ機能の撤廃に繋がっている。
開発生産においてもTNGA戦略に基づく完全新設計となる。これまで排気量や各国の規制対応に比例して膨大な数になったエンジン規格を整理し、燃焼形式・共通形状の部品・生産工程のモジュール化・相似形化を増やした上で、1気筒あたり排気量500ccを基本とし、気筒数を増減することで車両サイズに対応することで生産性の向上とコスト削減を図る、いわゆる『モジュラーエンジン』である。
2017年6月にカムリに搭載されたA25A型を皮切りに、V35A型、M20A型が登場している。また、2019年10月16日には4代目ヤリス(日本向け仕様は初代扱い)に先行搭載が予定されているトヨタオリジナルの新型直列3気筒DOHC12バルブガソリンエンジンのM15A型が公式発表された。
なおこのダイナミックフォースエンジンシリーズからは、エンジン型式命名規則も変更されている。