■愛車サブスクリプションとは
トヨタ自動車は自動車メーカーだけではない企業を目指していますが、2019年はグループとして設立した新会社を通じて新しいカーオーナーの形を提案しています。
その名は会社名・サービス名ともに「KINTO」、キントです。
株式会社KINTOはトヨタファイナンシャルサービス株式会社と住友三井オートサービス株式会社の出資で設立されました。
KINTOは孫悟空の「きんとうん」からとったネーミングとのことで、アルファベットで表記するIの文字を小文字のiとし、上部の点の部分に雲形のデザインを施しています。
さて、KINTOとは何かといえば、従来型の車を購入する形でもなく、カーリースでもない新しいカーオーナーの形です。
好きな車に短期間乗るという部分では、残価設定方式のカーリースに似ていなくもないですが、KINTOは3年契約を基本としています。
KINTOのシステムは、愛車サブスクリプションというように、車を利用する権利を購入する方式で、毎月の料金を払うだけで車に乗れるというものです。
この毎月の料金には、車両価格はもちろんとして、登録費用や税金、任意保険料、メンテナンス費用も含まれています。
したがって、ユーザーが別途支払うのは駐車場に関する費用と燃料代だけとなります。
KINTOにはKINTO ONEとKINTO SELECTの2つのタイプの契約があります。
KINTO ONEは3年ごとに新車を乗り換えるプランで、KINTO SELECTは3年の契約期間中に、レクサスの新車6台を乗り換えるプランです。
気になる料金ですが、新車をバンバン乗り換えることができるKINTO SELECTの方が高額になっています。
KINTO ONEは車種によって異なり月額5万円程度からで、KINTO SELECTが月額19万4,400円です。
KINTOを利用する手続は、店頭でも可能ですが、スマホからオンラインで完結することができます。
トコトンまでお手軽に新車を楽しめるのが新システムKINTOだといえるでしょう。
KINTO ONEの申し込み受付は2019年3月1日からですが、先行してKINTO SELECTの受付が2月6日に開始されています。
■KINTOで乗れる車は?
月々定額フルサービスとして好きな車を乗り換えられるKINTOですが、トヨタ車ならどれにでも乗れるわけではありません。
KINTO SELECTは前述のとおりレクサス限定のプランです。
まったく異なる車種があるのはKINTO ONEの方で、プリウスやアルファードなど5車種が用意されています。
KINTO SELECTならレクサスオーナーズデスクも利用できます。
スタート当初は東京都内の販売店のみで利用可能となっていますが、夏頃には他府県でも開始され、年内には全国へと広がって行く予定です。
車種が増えるかどうかは定かではありませんが、トヨタの一定以上のクラスの車を乗り換えたいユーザーには見逃せないサービスといえるでしょう。
トヨタとしては、車離れと人口減少時代を迎え、車の供給手段を増やすことで需要を支えようという意図があるようですが、このシステム自体はすでに他社が手がけています。
それがIDOMのNORELです。
IDOMとは中古車のガリバーを展開する企業で、トヨタのKINTOと異なるのは新車だけでなく中古車のプランを持っている点で、その他の契約の詳細もKINTOとは異なります。
そんなサービスがあったのは知らないという方も多いでしょう。
現状では車のサブスクリプションは認知度が低いといえます。
しかし、それこそ「ガリバー」であるトヨタが参入することで、一気にメジャーなシステムになる可能性を秘めています。
仮に月額5万円の契約を結んだとして、36回で180万円となります。
コミコミの価格としては高くありません。
それなりの車を購入したとして、車両価格と維持費の合計を月割りすれば、5万円より若干安いかもしれません。
しかし、手軽さを考慮すれば納得できる価格といえるでしょう。
また、使用中に起こり得るさまざまな事象を考えれば、購入した場合に5万円より高くつくことも考えられます。
車の使い方が多様になってきたことで、車離れは解消するのでしょうか。
それはともかく、選択肢が増えるのはよいことといえるでしょう。
まずは、KINTOの全国展開を待ちたいところです。
【日時】2019年02月19日(火)
【提供】YAZIUP