ドゥテルテさんカッコいい!頑張れ!
ドゥテルテ前政権における違法薬物撲滅作戦に関する上院ブルーリボン委員会の公聴会が28日に行われ、出席したロドリゴ・ドゥテルテ氏は「弁解も謝罪もしない。全法的責任は私が負う」と発言した。
前大統領本人が出席するのは今回が初めて。杖をつきながら姿を見せた79歳のドゥテルテ氏は、大統領として政権下で実施した麻薬戦争に関する政策や作戦について「弁解も謝罪もしない。信じようと信じまいと、私は違法薬物問題に妥協せず、国のために最善を尽くし、やるべきことをやった」と断言。その真髄は「罪のない無防備な人々を守ること。家族や地域社会、人間関係を破滅させ、平和と調和の心や兄弟愛で人々を結びつける社会基盤を引き裂く違法薬物を撲滅することだ」と述べた。
また、麻薬戦争においてこれまで当局が行ったすべての事柄に対し「私だけが全法的責任を取る。説明責任を負い、刑務所に行くだろう。私の命令に従った警察官を許してほしい。彼らはただ職務を遂行したにすぎず、私自身が責任を問われるべきだ」と述べた。「また(大統領の)職務に復帰するなら、もう一度、もう二度同じことをする」との発言に、傍聴席のドゥテルテ支持者から拍手が上がり、同様の行為を繰り返すならば退席するよう警告を受けた。
同氏は「当時も今も、麻薬中毒者を犯罪者ではなく被害者、医療の助けが必要な患者として見てきた」とし「彼らを社会復帰させる鍵は死や投獄の恐怖ではなく、更生だと信じている」と発言した。同氏は地元のダバオ市内に薬物更生施設を建設し、市政府管轄の医師や精神科医、看護師らを配備し、薬物中毒者の完全な更生を図っていることを説明した。
▽「警察に殺害を奨励」認める
先週の下院委員会の公聴会では、ドゥテルテ氏から容疑者の殺害数に応じて報奨金を与える「ダバオ・モデル」を全国に拡大するよう指示があったと、元国家警察高官のロイナ・ガルマ氏が証言。その一方で、今回の公聴会では前政権下で勤務した複数の警察高官らが「殺害政策」があったことを否定した。
これに対しドゥテルテ氏は、警察官による容疑者殺害は自己防衛のためだけに行われたと繰り返した。同時に、「犯罪者に対し戦うよう、要は銃を抜くよう奨励した」ことを認めた。自身が検事のころに警察学校で教鞭をとっていた際にも、容疑者が銃を持っており命の危険を感じたら「少なくとも地域社会から犯罪者を1人減らすことができる」との考えで、容赦なく容疑者の頭を撃ち抜くべきだと教えていたことも明らかにした。
しかし、警察の「捜査・作戦」で起きた7000件以上の殺害事件のうち、実際に捜査されたのはわずか数十件。司法省が52件を再捜査対象として選び、警察内部調査局が再調査を行ったが、32件は刑事告訴されず、ほかの担当警官の処罰も軽いものだった。
麻薬戦争の犠牲者のためのシェルターを運営するフラビー・ビジャヌエバ司祭は、保護する312遺族全員に、警察官に殺害された親族がいたことを訴えた。同司祭は312人の犠牲者の名前を羅列した紙を広げながら、「警察官による容疑者殺害事件のすべてが銃を向けられた故の自己防衛なら、事件件数と同じ数の銃が押収された証拠を示すべき」と訴えた。(深田莉映)
上院ブルーリボン委員会の公聴会に出席したドゥテルテ前大統領=上院提供
前大統領本人が出席するのは今回が初めて。杖をつきながら姿を見せた79歳のドゥテルテ氏は、大統領として政権下で実施した麻薬戦争に関する政策や作戦について「弁解も謝罪もしない。信じようと信じまいと、私は違法薬物問題に妥協せず、国のために最善を尽くし、やるべきことをやった」と断言。その真髄は「罪のない無防備な人々を守ること。家族や地域社会、人間関係を破滅させ、平和と調和の心や兄弟愛で人々を結びつける社会基盤を引き裂く違法薬物を撲滅することだ」と述べた。
また、麻薬戦争においてこれまで当局が行ったすべての事柄に対し「私だけが全法的責任を取る。説明責任を負い、刑務所に行くだろう。私の命令に従った警察官を許してほしい。彼らはただ職務を遂行したにすぎず、私自身が責任を問われるべきだ」と述べた。「また(大統領の)職務に復帰するなら、もう一度、もう二度同じことをする」との発言に、傍聴席のドゥテルテ支持者から拍手が上がり、同様の行為を繰り返すならば退席するよう警告を受けた。
同氏は「当時も今も、麻薬中毒者を犯罪者ではなく被害者、医療の助けが必要な患者として見てきた」とし「彼らを社会復帰させる鍵は死や投獄の恐怖ではなく、更生だと信じている」と発言した。同氏は地元のダバオ市内に薬物更生施設を建設し、市政府管轄の医師や精神科医、看護師らを配備し、薬物中毒者の完全な更生を図っていることを説明した。
▽「警察に殺害を奨励」認める
先週の下院委員会の公聴会では、ドゥテルテ氏から容疑者の殺害数に応じて報奨金を与える「ダバオ・モデル」を全国に拡大するよう指示があったと、元国家警察高官のロイナ・ガルマ氏が証言。その一方で、今回の公聴会では前政権下で勤務した複数の警察高官らが「殺害政策」があったことを否定した。
これに対しドゥテルテ氏は、警察官による容疑者殺害は自己防衛のためだけに行われたと繰り返した。同時に、「犯罪者に対し戦うよう、要は銃を抜くよう奨励した」ことを認めた。自身が検事のころに警察学校で教鞭をとっていた際にも、容疑者が銃を持っており命の危険を感じたら「少なくとも地域社会から犯罪者を1人減らすことができる」との考えで、容赦なく容疑者の頭を撃ち抜くべきだと教えていたことも明らかにした。
しかし、警察の「捜査・作戦」で起きた7000件以上の殺害事件のうち、実際に捜査されたのはわずか数十件。司法省が52件を再捜査対象として選び、警察内部調査局が再調査を行ったが、32件は刑事告訴されず、ほかの担当警官の処罰も軽いものだった。
麻薬戦争の犠牲者のためのシェルターを運営するフラビー・ビジャヌエバ司祭は、保護する312遺族全員に、警察官に殺害された親族がいたことを訴えた。同司祭は312人の犠牲者の名前を羅列した紙を広げながら、「警察官による容疑者殺害事件のすべてが銃を向けられた故の自己防衛なら、事件件数と同じ数の銃が押収された証拠を示すべき」と訴えた。(深田莉映)
上院ブルーリボン委員会の公聴会に出席したドゥテルテ前大統領=上院提供