米国防総省は1日、中国の軍事動向に関する年次報告書を発表した。スブラジア国防次官補代理(中国担当)は会見で、台湾関係法と6つの保証に基づいて台湾への武器売却を継続していく米政府の方針を改めて表明した。
200ページに及ぶ報告書では、中国は台湾への武力行使の意欲を示唆し続けていると言及。人民解放軍が取りうる軍事的選択肢として、(1)上空・海上の封鎖(2)限定した軍事力または強制的選択肢(3)空襲・ミサイル作戦(4)台湾侵攻—の4つを挙げた。
台湾の防衛力に関しては、2019年の中国の軍事費が台湾の約15倍に上り、その大部分を武力行使による台湾統一の能力開発に集中させていると指摘。米台関係のあり方を定めた「台湾関係法」と米中間の3つの共同コミュニケに基づく「一つの中国」政策を堅持する米国の方針を改めて示し、現状を変更しようとする一方的な行動に反対すると主張した。さらに、台湾関係法に従い、台湾への武器売却を継続することで、台湾海峡の平和や安全、安定に貢献していくとした。
6つの保証とは、1982年に米国が示した台湾政策の指針で、台湾への武器売却に終了期限を設けないことなどを約束している。