ハワイ島キラウエア火山では27日、溶岩流が地熱発電所の敷地内に侵入したが、地熱貯留層にある11個の井戸水はすべて封鎖されており、これまでに有毒ガスの発生はないという。
一方、山頂のハレマウマウ火口は、爆発を繰り返すことで噴出口の面積が2倍近くに拡大したのを地球観測衛星がとらえた。
現地時間27日朝、溶岩の流れはハワイ島東部に位置するプナ地熱発電所(PGV)の敷地へ侵入したのが確認された。
敷地面積が東京ドーム約3.5個分の広さの同発電所では、ハワイ島で使用される電気の約25%分を供給しており、地下1800〜2500メートルに掘った井戸から地熱で温められた蒸気を取り出し、タービンを回して発電している。
発電所では溶岩流の接近が危ぶまれた今月22日、11個ある井戸に水を注入して冷却作業を進め、特殊な粘土で塞いで溶岩流が侵入しないよう固定した。
万が一、井戸に溶岩が入り込むと、内部の圧力が高まって、水蒸気爆発を起こしたり、二酸化硫黄や硫化水素が大量に発生する危険性があるからだ。
ハワイ郡民間防衛局や同発電所によると、溶岩流は最も近い井戸まで約40メートルまで最接近しており、進行速度が若干停滞しているようだが、流れが突然変化する可能性もあるため、米国防総省が派遣した特別任務部隊が、被害を最小限に留める対応策を進めるとともに24時間体制で監視している。
一方、ハレマウマウ火口の溶岩湖では断続的な噴火が続いており、火山灰は貿易風に運ばれて島の南西部に降り続いている。
欧州宇宙機関の地球観測衛星センチネル1号がとらえたレーダー画像によると、過去1週間で火口の噴出口は36万4217平方メートルに拡大。
東京ドーム約7.8個分に相当し、噴火を繰り返すことで火口壁の岩石が崩落するたびに広がっていくと考えられている。
【日時】2018年05月28日(月) 10:51
【提供】ハザードラボ