海自大湊(青森・むつ市)統合は「県・地域の活動が少ない」から 江渡元防衛相が見解 知事、市長反発
5/12(日)
海自大湊統合に言及した江渡氏=11日、青森市のホテル青森
自民党の江渡聡徳元防衛相は11日、青森県むつ市の海上自衛隊大湊地方隊を横須賀地方隊(神奈川県)へ統合する自衛隊法改正(10日成立)を巡り、宮下宗一郎知事と山本知也むつ市長の名前を挙げながら「県や地域としての活動が少なかったことで、そういう状況になってしまった」との見解を示した。統合によって「将来的には自衛官の数もどんどん減っていく。何とかしないといけない」と述べた。
青森市内での津島淳衆院議員の政治資金パーティーに出席した江渡氏は、来賓あいさつで自衛隊法改正に触れ「青森県にとっても大きな問題となる」と指摘。「宮下知事や山本市長にも(対応を)お願いしていたが、『そこまではならないだろう』というのが(2人には)もしかしてあったのかもしれない」と言及した。
江渡氏は「舞鶴は必死に巻き返し、法案に入らなかった」とした上で、大湊の統合は「われわれ議員らが一生懸命に声を上げても、地域全体の盛り上げがなければ実を結ばないという一つの事例。人口減少や少子化の中で地域経済をどう守るか考えないといけない」と強調した。
統合で大湊地方隊は「大湊地区隊」となり、横須賀地方隊の配下で後方支援や地元との連絡調整、災害派遣などを担う。
▼知事「責任押しつけ」 むつ市長「憤り感じる」
宮下宗一郎知事は11日の東奥日報の取材に「国防は国の根幹であり、国会議員の役割。地域に自衛隊再編の責任を押しつけるのは論外だろう」と反論した。山本知也むつ市長も「公の場で地域住民が混乱する発言があったことに憤りを感じる」と語った。
江渡氏の発言について宮下知事は「単に知事とむつ市長をおとしめたいのだろう。非常に残念で寂しく悲しい」とした。自身は防衛省をはじめ関係各所に懸念を伝えてきたとし、「私や山本市長のこれまでの活動を地域住民はよく理解している。(江渡氏の発言を)誰も信じない」と非難。「頭を下げる回数が足りないから実現できない、頭を下げに来いと言うなら、地域に対するどう喝に等しいのではないか」と不満をあらわにした。
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