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2024/05/14 21:56
爆サむ.com 北東北版

📔 日蚘今日の出来事





NO.2342204

劖怪雑話 閲芧泚意
合蚈
#352012/11/27 22:21
倧きな腹を抱え、お吉は山道を急いでいた。
嫁いで䞉幎、やっず授かった子䟛。

無事に産む事が䜕より倧事  
倫にそう蚀われ、お産のために里ぞ向かっおいた

産気づいたのは、峠道を登り切る前だった。
それで無くずも䌑み䌑みの道皋で、日は傟いおいる。

ずうずうお吉はうずくたっおしたった。

日もずっぷりず暮れた頃
山の暗闇に赀ん坊の泣き声が響いた。

襊袢や長着の袖を千切っお赀子を包み
䞀心地付いた時、呚りの異倉に気が付いた。

灰色の毛䞊みの倧きな犬が、䜕頭か芋えた。

これは  送り犬  
倜の山道を歩くず、埌を付いお来る。
その察応を間違えるず、食われおしたうず蚀う。

今のお吉に、逃げる力は残っお無い。

食うなら、食うがいい。その代わり  
この子に䞀぀のキズでも負わせたら  

しかし送り犬達は、䜕やら蟺りを䌺っおいる

ザザッ。ザザッ。
獣の足音がする。

送り犬の先に、狌の矀れが居た。

送り犬は、狌から芪子を守っおいたのだ。

女の倫は、䞀人で晩飯を枈たせ
ボンダリず女房を思っおいた

ガリガリ。ガリガリ。
戞を、䜕かが匕っ掻く音。

出お芋るず、倧きな灰色の犬が䞀匹。
犬ず目が合った瞬間。女房の顔が頭に浮かんだ。

もしや、お吉に、䜕かあったのか  

提灯を点すのももどかしく、
戞板の心匵り棒を掎んで飛び出した。

翌日、
倫は日が暮れるのを埅っお再び山ぞ向かった。
女房のお吉が子䟛を抱えお芋送った。
倫は送り犬ぞ、お瀌の赀飯を届けた。



「送り犬」ず蚀うお話です。
地方によっお話の筋が違いたすが
倧䜓が、䜕事も無ければ、䜕事も無いず蚀う
「劖怪」らしい話しが倚いようです。

[匿名さん]

#362012/11/28 07:12
ハンネ忘れたした

>>35
は煎・・逅です。

[煎・・逅]

#372012/11/28 22:37
さお今日は、
その蟺に居る「劖怪」のお話し。


「雚男」「雚女」ずは、良く聞く蚀葉です。

ドラむブ行っおも、旅行ぞ行っおも
お前がアむツが来るず、必ず雚が  
そう蚀う人、居たすよね

実は、コレは立掟な「劖怪」なのです。
勿論、昔の話ですが。

その昔、
日照りが続いお収穫が心配されるような時には
恵みの雚をモタラス「雚神」でもありたす。
それ以倖の時は、迷惑な「劖怪」です。
萜差が激しいですネ  

反察に「晎男」「晎女」も居たす。
祭りの日などは、圓然のように神様扱いですが
䜜物の成長期に、いい気になっお晎の日を続けるず
これたた「劖怪」扱いをされたす。

勝手なものです。人間っお。
お倩気の事ですが、今颚に蚀うず
「空気読め」っお事でしょう。


䌌たようなモノに「雪女」「雪男」が居たす。
これはもう、レッキずした「劖怪」です。

雪女は、
矎人です。䟋倖は有りたすが  
人間ずの間に、子䟛䜜っちゃった人雪女も居たす。
合っお芋たい気もしたす。少しだけ  

雪男は
だいたいが、デカクお毛ムクゞャラです。
  あんたり芋たく無いですネ。怖いし。


圓時の人達。ず蚀うか、
圓時の瀟䌚の垞識では蚈り知れないモノ。
理屈の解らない事がら。
そんなモノ珟象・事象・出来事などが
時には神の埡業で有り、郜合が悪い事は「劖怪」の仕業。
ず、蚀われお来たのでしょうネ


念のため  

「雚男」「雚女」は、今では立掟な人間です。
間違っおも「劖怪」扱いをしおはいけたせん。

[煎  逅]

#382012/11/29 22:54
子䟛の頃。
盆か正月か、毎幎ではなかったが
よく、父の実家ぞ連れられお行った。

䞀人っ子の私は3぀幎䞊の埓兄匟ず仲が良く
䞀日䞭、二人で遊び回っおいた。

倩気が悪いず家の䞭で遊んだ。
田舎の叀い蟲家は、
子䟛が遊び回るのに充分な広さがあった。

酷い雚の日だったず思う。

埓兄匟を脅かそうずしお、
私は玍戞ぞ隠れた。
初めお入る郚屋だった。

積たれた座垃団や、箪笥たんすが䞊んでいた。
そしお、倧きな葛篭぀づらの暪に
小さなお婆さんがチョコンず座っおいた。
䌚話をしたような気もするが、良く芚えおいない。

機嫌よく遊んでいる時は忘れおいるが
ふず気が付けば、
玍戞の戞はい぀も少しだけ開いおいた。
隙間から芗くず、い぀もお婆さんは座っおいた。

小孊校も高孊幎になるず
゜レがオカシな事だず気が付いた。

埓兄匟も、家の誰も、お婆さんの事を口にしなかったし
玍戞以倖でお婆さんを芋る事も無かった。

気が付くず、少し気味が悪くなった。
口にしおはむケナむ事なのか、ずも思った。

私は、゜レっきり玍戞には近づかなかった。


先日。
父の実家を建お替えるず蚀う話を聞いた。
自分には関係の無い話で、その時は聞き流しおいたが。
垃団に入るず、䞍意に、あのお婆さんの姿を思い出した。

あれは䜕だったんだろう  
子䟛特有の蚘憶違いか。ただの倢か。

いや。
玍戞に誰かが居た事は確かだ。

そしお、私が芋たあのお婆さんは、倚分
  人では無かったのかも知れない。



西日本で広く䌝わっおいる
「玍戞婆」のお話しでした。

※ 私が芋た蚳ではありたせんペ
  あくたで、お話です。

[煎  逅]

#392012/11/30 08:53
朝マック片手に

ブルった

[蘭]

#402012/11/30 18:33
すごいです たたお願いしたす

[朝の告癜]

#412012/12/01 00:10
コメント有難うございたす。


コトコト  
叀びた朚箱の䞭で、䜕かが動いおいる。
箱に、フタは無い。

婆ちゃんが死んだ。
婆ちゃんは、䞀人で、家族ず離れお暮らしおいた。

䞀人では行くなず固く蚀われおいたが
芪の目を盗んでは、良く遊びに行っおいた。

ある日、婆ちゃんが倒れおいた。
小さな朚の箱を私に握らせ、゜レが䜕なのかを語るず
救急車が着く前に息を匕き取った。
䞭孊のずきだった。

高校を蟞めお家を出た。家出同然だった。

気箱の事は、
初めは半信半疑だった。たいした圹にも立たなかった。
だが、それは念じ方が足りなかったのだ。

迷わず、心から欲する。
それだけだった。

ただ
「床を超すず、増える  食い朰される  」
婆ちゃんの声が蘇えった。

半幎埌、自由で気たたな䞀人暮らしを送っおいた。
箱は䞉぀になっおいた。

䞍幞がかっおに避けお行く、そんな感じだった。
埌には幞運しか残らない  

幌なじみが死んだ。
頭が良く、孊校の人気者で、むダなダツだった。
箱は䞃぀に増えた。

広い郚屋ぞ匕っ越し、いい車が手に入った。
絵に描いた様な幞運に芋えるかもしれない。
ただの幞運じゃない事は解っおいる。
だが  止たらなかった。

やがお、婆ちゃんの蚀葉も忘れおいた。

箱は増え続けた。

圓分は食うに困らない金が転がり蟌んだ。
芪の遺産だった。

箱は、抌入れ䞀杯になっおいた。

䞍意に、婆ちゃんの声が蘇えった。
「䞃十五  超えたら  ぶり返す  」

箱は、䞃十六個になっおいた  

コトコト  コトコトコト  
叀びた朚箱が、䞀斉に動き出した。



「管狐」くだぎ぀ね又は「飯綱」いづな
ずも蚀いたす。
その間違った遣い方を
お話し颚に曞いおみたした。

[煎  逅]

#422012/12/01 00:54
さすが博士
(*®∀`)

ただただ
芋たい

に関する
劖怪話みたいなの
 

ありたす 

[T]

#432012/12/01 13:54
怖い。。煎逅さんのアレンゞの仕方
の䞊手さも。。。怖い。。


[蘭]

#442012/12/01 23:04
「りサギ」ですか  う〜ん  

 仏教の有名な説話に

ある山で、
猿ず狐ず兎の䞉匹が仏教の修行をしおいたした。
そこぞ、
みすがらしい栌奜をしたお爺さんがやっお来たす。
そしお、
䜏む家も食べる物も無いず蚎えたす。

猿ず狐は
山の䞭や人里から、食べ物を探しおきたす。
氎を汲み、火を起こしお食事の甚意をはじめたす、が。
兎は、
ただ、食べ物を探しお駆け回っおいたした。

食べ物を甚意できない事を責められた兎は
自分を焌いお食べおください。
ず蚀っお、火の䞭ぞ飛び蟌んでしたいたした。

するず
お爺さんは垝釈倩に姿を倉え、蚀いたした。
この兎の
人の為に自分を捚おるような玠晎らしい行いを、
党おのモノ達に瀺そう。

そうしお、
地䞊のあらゆるモノ達から芋えるように
兎を月ぞ運びたした。

以来、月には兎の姿が有るのです。
ず、蚀うお話がありたす。


倪陜の象城ずしお
䞉本足のカラス
「八咫烏」やたがらすは有名ですが
月の象城ずしお
「兎」が描かれる堎合も倚いようです。

仏教ずは別に
「因幡の癜兎」を初め。
地方によっおは「山ノ神の化身」だったり
神話や昔話にも良く出おきたす。
基本的にりサギは
「良いモノ」悪者では無いのようです。

劖怪は  思い付かない  
探せば、居るのか無責任&むむ加枛

「兎狞」ず蚀うのが居たすが、
これは、兎に化けた「狞」の事で、兎ではありたせん。

倖囜では  
決しお、むむ兎ばかりでは無いようです。
「兎ず亀」では、マヌケな圹ですし  

オッサンずしおは
「バニヌガヌル」も倖せたせん
倖囜のりサギには、色っぜい意味も有りそうですネ。

[煎  逅]

#452012/12/02 00:15
ありがずう

いいお話
聞かせおもらえた

 
ゆっくり寝れそう

おやすみなさい


来たす
ミ(Ž▜*)

[T]

#462012/12/02 19:31
おぉ〜今回なかなか

いい話ですね。。。怖くない。。

バニヌガヌル。。久しぶりに聞く蚀葉。。

[ラン]

#472012/12/03 20:42
昚日はお䌑みしたした

ゎメンなさい

今回の分がナカナカ進たなくお

結局、
今日になっおしたいたした

䟋によっお、
文字数がギリギリなので

かず蚀っお二回にする皋でも無く
悩んでいるうちに  
昚日は間に合いたせんでした。

ず蚀う蚳で

本文は次のレスです。

[煎  逅]

#482012/12/03 20:42
䜐吉は河蟺の岩に腰を䞋ろした。

畑仕事の垰りに、
ここで笛を吹くのが唯䞀぀の楜しみだった。

西の空は倕日に赀く染たり、
岩の䞋の淵は墚を流したように黒かった。

若い女が䞀人、コチラを芋おいた。
芋慣れぬ女だった
若い女は、䜐吉の笛に聞き入っおいた。

若い男ず女の事
蚀葉を亀わすようになるのに、
たいした日にちは掛からなかった

嚘は、矎しかった。

䜐吉は、嚘ぞの思いを蟌めお笛を吹いた。
嚘はい぀も、じっず聞き入っおいた。

ある日、
䜐吉は笛の音を蚀葉に換えお思いを䌝えた。

嚘は
我も、お前ず思いは同じ。なれど  
嚘は涙を隠すように顔を背けた。

ならば  
思わず握った嚘の手は、氷の様に冷たかった。

嚘は、䜐吉の手を匕いお歩き出した。

䜐吉は黙っお埓った。
嚘ぞの思いが、湧き䞊がった䞍安を消し飛ばしおいた。

「鏡岩」
倧きな岩が割れたように切り立っおいる。
その衚面は滑らかで、鏡の様に姿を映す。

鏡岩に映った䜐吉の暪に、䞀匹の倧蛇が映っおいた。

コレが我の真の姿  
それでも、思いが倉わらぬず蚀うのなら、
最埌に、もう䞀床笛を  

䜐吉は笛を吹いた。

お前ず結ばれるのなら  
思いを蟌めお、笛を吹いた。

嚘は、悲しい目をしお笛の音を聞いおいた。

やがお、嚘の身䜓は倧蛇ぞず倉わっおいった。
倧蛇は、スルスルず䜐吉を包み蟌んでいった。

倧蛇は䜐吉を抱えたたた、淵の䞭ぞず身を翻した。

淵は二人を飲み蟌み、枊を巻いた。

枊の消えた埌の淵は、ただ黒く、静かで、
ドコたでも深かった。



「鏡岩」
ず蚀う奇岩にた぀わるお話しは
むロむロず有るようですが。
今回は、少しロマンティックに曞いお芋たした。

[煎  逅]

#492012/12/04 20:45
さお
今回も二分割になりたした。
詰めれば䜕ずかなりそうなんですが
面倒クサむので  
ギリギリなんですけどネ  


その䞀


こりゃぁ、なんずした事だ  

ある里、ある家に、䜕人目かの子が生たれた。
男の子だったのだが  

その県は生たれながらに県光を攟ち、
髪は黒々ずしお波を打っおいた。

異圢の子。忌子いみごであった。

小さな里の事、噂はすぐに知れ枡った。

忌子は灜いを呌ぶ  
村人は灜を恐れ、赀子の凊分を迫った。

その子を䜕ずかするか、
その子を連れお村を出るか  

この子䞀人の為に、䞀家が路頭に迷う蚳には行かない。
さりずお、劂䜕な異圢の子ずお  

倫婊は思い悩んだ末、
産たれたばかりの赀子を、眮き去りにした。
我が子を、捚おたのだ。

遠く離れた、倧きな川沿いの村だった。


  ぀づく。

[煎  逅]

#502012/12/04 20:48
その二


髪結いの倫婊には子䟛が出来なかった。
毎月、近圚の神瀟ぞ詣で、寺に参っおいた。

その日も、
子授けにご利益があるず聞いた神瀟ぞ詣でた垰りだった。

蟻の脇の茂みに気配を感じ、芗き蟌んだ。

おぉ、なんず  

粗末な綿入れに包たれた赀子だった。
だが、只の赀子で無い事は、䞀目で解った。

それでも、
これは倩からの授かりものだ。
異圢ずお、誰にはばかる事があろう。
これは  我が子だ。

䞈倫な子だった。
颚邪䞀぀匕かず、倚少の怪我もすぐに治っおしたった。
髪結いを教えれば、たちたちに芚えおしたった。

間もなく、お客の顔たで剃るようになっおいた。
お客の評刀も䞊々だった。

そんな或る日、
぀っ ず、お客の銖筋にスゞが入るず
血が、真玅の玉になった。
幞いにも、指で拭っただけで血は止たった。

指先に付いた血の始末に困り、玠早く舐めた。

血の味が口に広がった。衝撃だった。
䜕ず蚀う  これは、甘露だ。

以来、血の味が忘れられなくなった。

逊父のスキを䌺い、同じ事を繰り返した。

もう少し、もう少しだけず思ううち、
぀い、剃刀の刃が深く入っおしたった。

酷く叱られ、仕事を犁じられた。

川瞁にうずくたり、悔やみ、悩んだ。
なぜ、あんな事を繰り返した  
なぜ、人の血は、あんなにも  

ふず川面を芋遣っお凍り぀いた。

䜕者だ。コレは、自分か  

川面には、鬌が䞀匹映っおいた。
ずうずう人で無くなっおしたったのか  

鬌は、おびえるように駆け出した。

もう、ココには居られない。



その埌、
この鬌は酒呑童子しゅおんどうじず出䌚いたす。
そしお「茚城童子」ずなっお
京の郜を目指すず蚀うお話しでした。

[煎  逅]

#512012/12/05 21:57
今回も、残念ながら二分割です。


昔むかし。

秋の昌䞋がり。
船宿の船頭が二人、暇を持お䜙しおおりたす。

「ヒマだなぁ」
「あぁ、ヒマだ」
「ナンか、面癜い話しはねぇかい」

そうさなぁ  
っず、話し出したのは二吉ずいう幎配の船頭。
元は回船に乗っおいたずかで、方々の珍しい話を聞き知っおおりたす。

西囜の、小さな村の事だ。
お人よしの若い男が居たんだな。そい぀が、
芪の蚀い぀けで街たで買い物に行ったんだが、
ドり蚀う蚳か、片目の鷹を買っおしたうんだな。

「はぁ、ドりやったら片目の鷹なんか買うんだよぅ」
「知らねぇよ。だから、ドり蚀う蚳かっお蚀っおんじゃねぇか」

驚いたのは゜むツの芪だ。
難しい事なら端から頌みはしない。
䞉っの子䟛でも出来そうな䜿いだっおんで、
゜むツに行かせたんだが、この始末だ。

お前はいい幎をしお、こんな事も出来んのか  
若者はずうずう勘圓されおな、家を出されおしたったんだ。

「たぁ、゜りなるわな。オむラも䌌たようなモンだ」
「   」

しようが無いから、家を出おトボトボ歩いおいた、

「鷹はどうしたぃ。こう、肩にでも乗せおたのかぃ」
「  そうだよ。こたけぇこたいいんだよ。黙っお聞けよ」

    ぀づく

[煎  逅]

#522012/12/05 21:58
    ぀づき。

行く圓おも無ぇから、
河っぺりに腰を䞋ろしお思案に暮れおいるず  だ。
颚も無いのに、ざわざわっず波が立った。

「ぞぇぇ、颚も無いのにかょ。するっおぇず、出たな」
「ああ、出た。川の䞭から河童がニュゥっず顔を出した」
「河童かよ。もっず、なんかスゲェのが出るかず思った」
「どんなんだよそりゃぁ。いいから黙っお聞けっおんだ」

背䞈が四尺。っおえから、子䟛䜍だな。
それでも、河童の腕ヂカラは䞊じゃないらしい。

「匷えぇのかい」
「あぁ、匷いな。盞撲ずらせりゃ、倧人でも適わねぇな」

河童が目の前たで来た時だ。
いきなり鷹が河童に襲い掛かったんだな。

「鷹が、河童に  䜕でたた」
「オレが知るかよぅ。聞いた話なんだから」

鷹は、河童の頭の皿めがけお飛び掛った。
河童も負けじず鷹に掎みかかる。

「  想像出来ねぇ  」
「しなくおむむんだよ」

兎に角だ、鷹が勝ったんだ。

「ぞぇ、勝ったのかい。鷹が、河童に。ぞぇ倧したもんだ」
「解っお蚀っおんのか、おめぇ」

負けた河童は
「たいりたした、カンベンしおください  」
っおんで、宝物をさし出した。
そうしお、
お人奜しの若者ず片目の鷹は、幞せに暮らしたしたずさ。
っおぇ話だ。

「ぞぇ〜。でもよ。そのお宝っおのは、結局䜕だったんだい」
「知らねぇよ、そんな事ぁ」
鷹に負ける皋床の河童のお宝だからなぁ、

タカ鷹が知れおらぁ  

お埌がよろしいようで  


河童にた぀わるお話の䞀぀を
萜語颚にしお芋たした。
オチは  ゎメンナサむ。

[煎  逅]

#532012/12/06 23:18
山奥の獣道を、若者は進んでいた。
山ぞ入っお䞉日目。
獲物は僅かだった。

今日には戻る心算だった。
䞀人埅぀幎老いた母にも、そう蚀っおある。

今日䞀日。もう少し奥たで。

峰を越え、深い森を抜けるず、倧きな山桜が目に付いた。
そこだけ光が射したように、枝䞀杯に咲いおいた。
埮かな颚に、桜色の花びらが舞っおいた。

柔らかな颚が吹き抜けた。
颚に舞い散る花びらず、舞い䞊がる花びら。
䞀面が桜色に染たった。

颚が止み、舞い萜ちる花びらの向こうに嚘が立っおいた。
ふわりず艶やかな黒い髪が、埮かに揺れおいる。
透き通るような癜い肌に、黒目勝ちの柄んだ県をしおいた。
若者は䞀目で心を奪われおしたった。

歩み寄り、差し出した若者の手に、嚘は優しく觊れた。
二人は幞せな時を過ごした。

䞀緒に、来おくれないか。

行く事は叶いたせぬ。でも。
この桜が散る前に、もう䞀床  

必ず  

若者が背を向けた時、颚が吹いた。
舞い螊る花びらに、嚘の姿は隠れおしたった。


僅かな獲物を持ち垰るず。
数日埌。若者は再び山ぞ入っお行った。

山の春は短い。花の散る前に  

峰を超え、森を抜けるず。
桜色の光の䞭に立぀嚘の姿が芋えた。


里の男達が山に入る仕床をしおいた。
若者が戻らない  もう、五日めだった。
母芪の話を元に、峰を越えた。
倧きな山桜の朚は。花がすっかり散っおいた。

朚の䞋には、䞀面に桜色の花びらが降り積もっおいた。
若者は、花びらに包たれるように暪たわっおいた。


「桜の粟」のお話しを
悲恋颚に曞いお芋たした。

[煎  逅]

#542012/12/07 09:50
毎床埡苊劎です
楜しく読たせお頂いおいたす

[匿名さん]

#552012/12/07 18:48
すごいよ あなたは たた 読みたい

[匿名さん]

#562012/12/08 22:25
「昚日はお䌑みしたした」


むかしむかし

春先からの長雚は、
䟋幎なら梅雚が明ける頃になっおも止みたせん。
河口近くの半蟲半持の小さな村は
ずうずうその半分近くが氎に浞かっおしたいたした。

この村倖れの小屋に、
䞀人の修隓者が䜏み着いおいたした。
この修隓者が、ある日、
浜蟺で䞀匹の河童を芋぀けたす。

捕らえお、小屋ぞ連れお来たしたが
別段逃げ出す気配も有りたせん。

面癜がっお、晩酌の酒など飲たせたりしたす。

河童も、嫌いでは無い様子で
酒も進むうち、饒舌に話し出したした。

「いえね、真氎の河にしか居ないんですよ。本圓はね」

ならば、浜蟺に居たのは劂䜕した  

人魚に恋をしたのだず蚀う。
合いたい䞀心で海ぞ行ったはむむが、塩気に䞭おられた
そう蚀っお、河童は矎味そうに酒を飲み干したした。

さお、
䜕ずか雚は止んだが、氎が匕きたせん。
このたたでは田畑は塩でダメになる。
持に出ようにも、船も桟橋も流されたたた。
倩然自然の仕業ず蚀うのは、時に残酷なものです。

䜕ずか、なりたせんか  
村人にそう懇願されお、
修隓者の頭を件の河童がよぎりたした。

「任せなさい。䜕ずかしたしょう」

倧芋埗を切った修隓者は、
早速に小屋ぞず取っお返したす。

やい河童よ。
この氎を、芋事に匕かせお芋せるなら。
お前の恋を叶えおやろう。

本圓ですか。有り難い、早速にも  
河童は転がるように海ぞず入っお行きたした。

翌朝には、氎はすっかり匕いおしたいたした。
修隓者は。神様仏様、生き神様ずもおはやされたした。

お話はこれで終わりです。
河童のその埌は、解りたせん。
恋が叶ったのか、隙されただけなのか  

人間が䞀番怖いよね
ず蚀うお話でした。

[煎  逅]

#572012/12/09 22:52
、塩で、やられたのかな
人間は、ずる賢いな 

䞻さん、今宵も
お話ありがずう♪

[匿名さん]

#582012/12/10 00:10
(≧ω≊)煎逅さん

みっけ

[◆Izlx9sk6]

#592012/12/10 05:55
暖かい曞き蟌み有難うございたす。

朝からの曎新です。


宿ぞ入ったのは、日が暮れおからだった。
入った途端、嫌な感じがした。
噂の絶えない宿堎だった。

「瞊鬌」い぀きが出る。
それは、
己が成仏するために
己ず同じ方法で死ぞず誘う。
誘われた者が、たた瞊鬌ずなっお人を誘う。
キリが無い。
断ち切る方法は、無い。


床に付いおどれ䜍か。

障子に、女の圱ががうっず浮かび䞊がった。
生きた人間で無い事は確かだった。

だが、圱は通り過ぎおいった。

圱は芋えなくなったが
むダな感じは少しも去らなかった。

バタン。ず、隣から音が響いた。
ハッず飛び起き、襖を開けるず、
商人颚の男が銖を吊っおいた。

慌おお腰を抱き䞊げ、銖に掛かった玐を倖した。
障子には、あの女の圱が映っおいた。
男が息を吹き返すず、圱はすうず消えた。


翌朝、
ただ暗いうちから隒ぎに起こされた。

向かいの宿で、銖吊りが有ったず蚀うのだ。
旅の隠居倫婊。
その女房が、亭䞻の枕元で銖を吊ったず蚀う。

朝飯も早々に宿を出た。
少しでも早く、この宿堎を出たかった。

橋のたもずに、女が䞀人立っおいた。
その、凍るような暪顔を芋お、
䞀぀、思い圓たった。


宿堎の倖れ。
急ぎ足に歩く旅姿の隠居に声を掛けた。

おめぇさん、埅っおる女が居るんだな。
隠居は、足を止めた。

悋気りんき・しっずの匷い女のようだ。
今朝、その女の「生霊」いきりょうを芋たよ。
アンタのトコに、来たんだろう。

アンタ、
邪魔になった女房を、手に掛けたな。
銖吊りに芋せ掛けるには、
䞁床いい噂のある宿堎だからな。

隠居は、黙っお歩き出した。

隠居の背䞭には、
すがり付く様に、女房が憑いおいた。

[煎  逅]

#602012/12/10 12:06
やた

[匿名さん]

#612012/12/10 23:15
䜍牌を眺めおは、酒をあおり
「は〜っ」っず、溜息を吐き出したす。

この男、倧工の䞉吉ず蚀いたすが
恋女房が、ポックリず逝っおしたったのが䞃日前の事です。

芋回したすず、
今ずなっおは、女房の遺品が䞊んでおりたす。
゜レやコレやを眺めおは、
たた、深い溜息を぀いおおりたす。

初䞃日も過ぎたある晩のこず
盞倉わらず、酒を煜っおは溜息を぀いおおりたすず
障子がすうヌっず開きたしお  
女房が幜霊ずなっお珟れたした。

「倧事にしおいた鏡を  」
冥土ぞ持っお行きたい。ず蚀いたす。
いいずもさ
オレが持っおいおも仕方も無い物だ

倧事そうに鏡を胞に抱いお
女房はすうヌっず消えお行きたした。

次の晩。又しおも珟れたす。
春に買っおもらった小袖を  

次の晩も。その次の晩も

䟋え幜霊でも、
恋しい女房に合える  ず
初めは喜んでいたしたが、
こう毎晩だず、幟ら䜕でも倉だず気が付きたした。
䜕より、
垰る時には必ず䜕かを持っお行きたす。

その晩は酒も飲たず、
女房が来るのをゞヌッず埅っおおりたすず
い぀もの様に、障子がすうヌっず開きたした。

「おや、今倜は飲んで無いんですネェ」
「あぁ、飲んでねぇ。それより、ちょいずココぞ座れ」
「えっ」
「えっじゃ無いよ。座れっおんだ」

幜霊はクルリず向こうを向くず
「今倜はこれで  」

「埅ちやがれ」
䞉吉は女房の着物の裟を掎みたす。
裟が乱れお、りっぱな足がムキ出しになりたした。

幜霊の正䜓は、実は隣の女房でしお
自分の亭䞻に甲斐性が無く、
着物の䞀぀も買っお貰った事が無い。
垞々、䞉吉の女房が矚たしかった  


䜕ずも、浅たしいのか悲しいのか

ダッパリ、
生きおる人間が䞀番怖いようです。

[煎  逅]

#622012/12/11 05:22
煎逅さん

い぀も病床より楜しく読たせお頂いおいたす
これからも面癜い話を沢山読たせお䞋さい。
ありがずう
頑匵っお䞋さい。

[匿名さん]

#632012/12/11 21:00
どうも有難う埡座いたす。

今回は、二分割です。


随分ず遅くなっおしたった。
ダッシュボヌドのデゞタル時蚈は、午埌10時23分。
峠越えのルヌトを飛ばせば、今日の内に垰り着けるだろう。
私はペヌスを䞊げた。

携垯が鳎った。
少し迷ったが、車を停める事無く通話ボタンを抌した。

電話口の女に、今日䞭には垰れそうだず告げ、
電話を切ろうずした時だった。

右カヌブだった。
察向車が䞭倮線を超えお、倧きく膚らんで来た。

急ブレヌキにタむダが悲鳎を䞊げた。
暪滑りを始めた車を、玠早くカりンタヌで抌さえ
䜕ずか亀わす事が出来た。

車を止めお確認するず、
トラックがガヌドレヌルに突っ蟌んだようだ。
運転手が降りおきお、頭を抱え蟌んだ。
私は、䞍謹慎にも愉快になった。

再び走り出すず、
ただ興奮しおいるのか、゜レたで以䞊にペヌスを䞊げた。


峠も䞋り始めた頃、
ハザヌドを点けた車が路肩に停たっおいるのが芋えた。

男が䞀人、私の車を目がけ、手を広げお飛び出しおきた。
私は、今倜二床目の急ブレヌキを螏んだ。

車が故障した。峠の䞋たで乗せおくれ。ず蚀う。
口の䞭で小さく舌打ちをしお、ドアを開けた。

痩せた男だった。歳は、同じくらいか。
冬も近いず蚀うのに、薄い倏物のスヌツを着おいた。
ネクタむもシャツも、みんな安っぜかった。

男が乗り蟌んで来た瞬間。
嫌な感芚がした。
車内の枩床が䞋がったような、そんな感じだった。
私は、男を乗せた事を埌悔した。


   ぀づく。

[煎  逅]

#642012/12/11 21:02
   ぀づき。

「心配しなくおも、怪しい者では無いですよ」
突然。男は抑揚の無い、少し高い声で蚀った。

「いや。別に、そんな  」
心配ず蚀うより、埌悔しおいた。

私は、チラチラず暪目で芳察した。
確かに、䜕かが倉だ  
着おいる物も安っぜく、デザむンも叀いのだが。

そんな事よりも、
この男自䜓が、䜕ず蚀うか、そう、薄ッペラいのだ。
圱が薄い。たさにそんな感じだった。

すうっず、背筋が寒くなった。
たさか。いや、違うだろう。
幟ら䜕でも、こんなにハッキリ芋える蚳は無い。
それに、男だ。

倜、車に女を乗せたら、幜霊だった。
良く聞く話だ。でも、男は  聞いた事が無い。

「心配しなくおも、幜霊などでは有りたせんよ  」
むキナリで面食らった。
この男、人の心が読めるのか。
脇の䞋は汗でビッショリだった。
そんな私を無芖しお、男は続けた。

「幜霊ではありたせんが、人でも有りたせん」
オむオむ  

幜霊が、幜霊です。ず蚀うずも思えない。
だが、人では無い。ずは、ハッキリ蚀った。
だめだ。意味が解らない。

「解り易く蚀いたすず。私、死神です」
はあぁ。私は䞀気に気が抜けた。

コむツは、薬か䜕かでむカレテいるのか。
それずも、タダのバカなのか。

「残念なお知らせが有りたす」
お前を乗せた事以䞊に残念な事は無い。

「  圌方。死んでいるんですよ。」

ぞっ  䜕を蚀っおるんだコむツは。

偶に、いらっしゃるんですよ。気が付かない人が。
そう、アナタのように。
さっきのトラックの事故。解りたすよね。
あの時。
圌方、死んだんです  


今倜、圌方が芋掛ける車は
この䞖のモノでばかりでは無いかも知れない  

ず蚀うお話でした。

[煎  逅]

#652012/12/12 22:39
幎老いた和尚を小僧が呌びに来た。
隣の村から盞談事に来た者があったのだ。

和尚は黙っお話を聞いおいたが、
次第に、口元が匕き締たっおいった。

村の若者が
「絡新婊」じょろうぐもに魅入られた。
若者の異倉に、村人が問い詰めるず

滝壺ぞ行った事。
女ず出䌚った事などを話したずいう。

日に日にダツレ、生気を倱っおいく。
このたたでは、若者は取り殺されおしたう。

䜕ずか、助けおやっお欲しい。
村人は懇願した。



村を芋䞋ろす山を超え、
笹の茂みを掻き分けお、若者は進んでいた。

目指す滝壺は、もうスグだった。
氎の萜ちる音が響いおいる。

滝壺が目の前に芋えた時
埌ろから呌び止められた。

振り返るず、幎老いた僧が立っおいた。

老僧は、若者の額に数珠をかざした。
「喝っ」

若者は人圢の様に動かなくなった
萜ち窪んだ県が、ギラギラず光っおいた。

「お前には酷な事かも知れんが、
目を芚たさねばならん」

老僧は読経した。するず、

滝壺から、幟筋もの癜い糞がスルスルず立ち䞊がり、
若者の身䜓に絡み぀いた。

若者の県は、最んだように光を倱っおいく。
老僧が振り返るず、矎しい女が䞀人、
波打぀氎面に立っおいた。

老僧は女に向かっお数珠を突き出した。
「喝ぁ—っ」

癜い糞はふっ぀りず消えた。
女の姿は倧きな蜘蛛ぞず倉わり、
滝壺の䞭に消えた。

蜘蛛が消えた氎面を芋぀める若者の県には
確かに生気が戻っおいた。

だが、
若者は老僧を振り払い、滝壺ぞず走り出した。

再び珟れた癜い糞が若者の身䜓に絡み぀いた。
若者は至犏の衚情を浮かべたたた、
滝壺ぞず消えおいった。

老僧に為す術は無かった。



「恋は盲目」
ず蚀うお話でした

[煎  逅]

#662012/12/13 23:02
䞻さん、い぀もありがずう。読んでいお、色んなこずを感じおいたす。
恋は盲目かぁ 
そぅですね 

たた楜しみにしおいたす〜

[匿名さん]

#672012/12/14 06:33
「煙々矅」えんえんら
煙の劖怪  


冬の倜空を焊がし
蟺りを真っ赀に染めおいる。
玅蓮の炎がうねり、熱気が颚を呌ぶ。

人だかり。喧隒。叫び声が飛び亀う。

芋䞊げるず、
真っ黒い煙が立ち昇り、倜空に溶けお行く。

生き物の様に蠢うごめく黒煙の䞭に、゜レは居る。
ナラリず向きを倉え、ハッキリず、私を芋る。
その瞬間
身も凍る恐怖ず、画も蚀えぬ快感に包たれる  

私は魅入られおいる。
私は、゜レに、恋しおいる。


䜕床か
庭で朚屑を燃やしおみた。
確かに煙は出た。が、゜レは居なかった。

やはり  
足りない。炎が、足りないのだ。

近寄る事も出来ない皋の熱を攟ち
党おを飲み蟌むような炎でなければ、

そしおそこから立ち昇る
倩たで届くほどの煙にしか、
゜レは居ない。

合いたい。
どうしおも、合いたい。


私は火を点す。
小さな火は、
自ら回りのモノを取り蟌み倧きくなる。
その攟぀熱で己を焊がし、さらに倧きくなる。
我が身を焊がし、枊を巻き、
党おを飲み蟌み、灰燌かいじんず化しお行く。

やがお、
もうもうず立ち昇る黒煙
身を捩よじり、倩を目指す韍がごずき黒煙。
そしお、゜レは珟れる。

なんず矎しい  

私は恐怖に震えながら、
溶け出すような快感を貪る。

゜レが倩に昇り、残り火が爆はぜる頃。
蟺りは醜い残骞ずなる。
醜い物は、芋たく無い。


挆黒の悪魔の様に矎しいものよ。

合いたくお、恋しくお。

私はたた、火を点す。



「煙々矅」に魅入られるず
倧倉な事になりたす。
火事だずいっお
近寄らないようにしたしょう。
間違っおも
野次銬で芋物などはむケマセン。

幎末ですから
「火の甚心」を  ず蚀うお話でした。

[煎  逅]

#682012/12/16 02:22
ちょっずサボっおしたいたした。

今回は、
狐に化かされた〜。ず蚀うお話を  


商人が埡城䞋を目指しお峠を歩いおおりたすず、
向こうから歩いおきた若い女が
「商人さん、私を嫁に䞖話しおもらえたいか」ず頌んできたす。
商人は
  さおは、噂に聞く狐が化けたか。
  よし、友だちの所に連れお行っお懲らしめおやろう
ず、䜕食わぬ顔をしお女を連れお行きたす。

どう蚀う蚳か、友達の家では嫁取り支床が始たっおいたす。
倧歓迎された商人は、
勧められるたた湯に浞かっおおりたすず  
通り掛かったお癟姓たちが
「商人さんが狐に化かされお、肥壺に浞かっおおる  」


狐の悪戯に怒った庄屋さん、
村人を集めお
「狐を退治した者には耒矎をやる」ず䌝えたした。
するず、若い衆が二人、名乗り出たした。

二人が峠に行っおみるず、䞀匹の倧狐が歩いおいたす。

狐は川で若い女に化け、川原の石を赀子に倉えお
村はずれの䞀軒家に入りたした。
若い衆がのぞくず、
お爺さんずお婆さんが石の赀子を抱いお喜んでいたす。

若い衆が幟ら蚀っおも、
「自分達の孫だ」ず蚀い匵りたす。
ならば、赀子を煮おみよう。
ず、赀子を煮え湯に入れおしたいたす。
圓然、赀子は死んでしたいたした。
若い衆は平謝りに謝りたすが、怒ったお爺さんずお婆さん
「圹人に匕き枡す」ず蚀っお瞛り䞊げおしたいたす。

そこぞ、旅の坊さんが通り掛かり
「寺に入れお孫の菩提を匔わせた方がよい」
で、
若い衆は頭を䞞め寺に入るこずになりたした。

村では、
二人が戻らないので倧隒ぎで探し回りたす。

ず、
䞞坊䞻になった二人が、
川原の石を叩いお念仏を唱えおいたした。ずさ  


手抜きでゎメンなさい。
次回は、頑匵りたす  倚分。

[煎  逅]

#692012/12/16 23:16
私が子䟛の頃
母方の祖父の家で半幎ほど過ごした事が有る。

䞡芪が離婚した事が原因だったが
小孊校ぞ䞊がる前の事だった。

街倖れの山あいの、叀い倧きな家だった。
庭先の幟぀かの畑で、
祖父母が食べる皋床の野菜を䜜っおいた

私の母やその兄匟のため、
田畑はあらかた売り払っおいた事を知ったのは
随分埌の事だ。


祖父は、畑仕事の手を䌑めお腰に手を圓おながら
庭先から右手に延びるなだらかな皜線を眺めた。

皜線からは煙突が突き出しおいる。
そしお、たたに煙が出おいるのも芋た事が有った。

祖父が時たた眺めおいるのがその煙突らしい事も、
䜕ずなく解っおいた。


ある日。煙突に䞀矜の鳥が留たっおいた。
カラスの様に真っ黒だった。
そしお、遠目にも倧きかった。
そう、写真で芋た事の有る「鶎」に䌌おいるず思った。

「じいちゃん  」

振り返えるず、
祖父は悲しそうな目で、黒い倧きな鳥を芋おいた。

ああ、祖父がい぀も芋おいるのは、アレなのか  

黒い鳥は、䜕床か矜ばたき甲高い声で鳎いた。
そしお、䜕凊かぞ飛んで行っおしたった。
気が付くず、煙突から灰色の煙が立ち昇っおいた。
煙は次第に黒くなり、やがお消えた。


祖父は、
あの煙突が出来る前から、゜コに䜏んでいる。
あの黒くお倧きな鳥も、䜕床か芋たず蚀った。

「可哀そうに  」

子䟛だった私には、その意味が解らなかった。



「陰摩矅鬌」おんもらき
新しい死䜓から生じる怪鳥・劖怪。
又、充分に䟛逊を受ける事が出来なかった
「死䜓から生じた気」が化けたモノ。

行き倒れや、
葬匏を出せない遺䜓が寺に投げ蟌たれおいた頃
その鳥は、寺の屋根などでよく芋られたず蚀う。

[煎  逅]

#702012/12/18 11:39
コピペ乙

[匿名さん]

#712012/12/18 21:52
曞き蟌み
有難うございたす。

コピペず蚀われるのは
文章を耒められおいるようで
ケッコり嬉しかったりしたす。

埡暇な時にでも、
読んで貰えたら嬉しいです。

長いから、メンドクサむよね

今回の本文は次のレスです。

[煎  逅]

#722012/12/18 21:53
぀う——
汗が頬を䌝っお顎から萜ちた。

芋䞊げるず、雲の切れ間から月が芗いおいた。

スコップを持ち盎し、
柔らかく積もった萜ち葉に突き立おるず。
足を掛けるたでも無く深く突き刺さった。

その内に
スコップず、゜レを握る手の境が曖昧になる。
柔らかな腐葉土を掻き䞊げるのは
スコップなのか、手なのか。

月が隠れ、闇が広がる。
頭䞊の雲は、闇ずなっお地䞊ず同化する。

ふず、闇ず己が身䜓の境が、
身䜓を芆う皮䞀枚でしかない事に気が付いた。

薄皮䞀枚隔おた倖は、
奥行きも知れない深い闇。

皮の内は、血、肉、骚、臓噚。
なら、自分はドコに有る。
党おを芆い、人型を圢䜜っおいるのは、薄い皮䞀枚。
皮が無ければ、誰圌の芋分けが付かない以䞊
この薄い皮こそが、自分なのか  


スコップず、
゜レを握る手が溶け合っおいる。
やがお、己を包む皮たでも闇に溶け出す。
闇ず身䜓の境が曖昧になり、私は闇ず同化する。

もはや、私は闇。

呚りに有るハズの朚々、足元の柔らかい腐葉土、
党おは闇、党おが己自身。


ふいに射す月明かり。
闇は遠のき、呚りの境界が浮かび䞊がる。

手、握ったスコップ、足元に開いた穎。
穎の暪に
暪たわる女。いや、女だったモノ。

穎に萜ずし蟌むず、濁った目が芋䞊げおいた。

再び蚪れる闇。
党おが溶け合い、同化する。
私は闇。私は柔らかい腐葉土。私は党お。

——党お  

では、この足元の、
腐葉土に包たれおいる女だったモノは、䜕だ。
闇に包たれ、党が溶け合うのなら、
゜レもたた、己自身に他ならない。

雲が切れ、月が芗く。
穎の䞭、捻じ曲がった銖。

濁った目で芋䞊げおいるのは、私  

[煎  逅]

#732012/12/19 18:25
い぀も ありがずう 䜕回も読んでたす

[匿名さん]

#742012/12/19 18:49
劖怪 煎逅 食べちゃうぞ〜


ぐわぁぁぁぁあ


(-_-;)(-_-;)(-_-;)

[匿名さん]

#752012/12/19 19:33
暖かな曞き蟌み、
本圓にありがずうございたす。

物凄く嬉しいです。

倚分に意味䞍明な所も有るず思いたすが

どうぞ自由に解釈しお、面癜がっお頂けたら嬉しいです。

で
今日はお䌑みです。
申し蚳無い   

明日の倜遅く、曎新する予定です。

今埌も、宜しくお願いしたす

[煎・・逅]

#762012/12/19 20:54
いやぁそれほどでもf(^_^) ぐあぁぁぁぁあぉ〜

[匿名さん]

#772012/12/19 21:10
うを〜っ
今日もありがずうございたした。
読み入っおしたいたすわ。

[匿名さん]

#782012/12/19 21:16
煎逅
初めm(_ _)m
明日の曎新楜しみ(*^_^*)♪

[匿名さん]

#792012/12/20 09:57
う〜ん暗いなぁ

おか OQ明るく健党に

生きよたい笑

[匿名さん]

#802012/12/21 00:33
いや〜
色んな曞き蟌み、有難うございたす。

レスが有る事は、あんたり考えおなかったもので
恐瞮しおたす。

>>79 さん。
コント颚や、萜語颚のも有りたすので
お時間が有りたしたら、さかのがっお芋お䞋さいネ。


それでは、
今回は二分割です。
䟋によっお、ギリギリなんですが
1レス750文字に収め切れなかった  


でわ。始たりです  


故郷の島には、橋が架かっおいた。
橋の向こうの街は、もはや芋知らぬ街だった。

島の北偎を高台の方ぞ進むず
黒灰色に倉色した、4階建おの集合䜏宅が芋えた。
行儀良く、同じ間隔で䞊んでいる。
島の基幹産業だった炭鉱が閉山し
瀟宅の矀れは、ゎヌストタりンずなった。

䞉番目の建物の前で車を停めた。

砂の浮いた階段を䞊り
錆びの浮いたドアを開ける。
埃っぜさず饐すえた匂いが錻に぀いた。

あれから  
䜕床かの匕越しず転職。
䞀念発起の起業。そしお倱敗。
幌なじみだった女房は、去幎死んだ。
子䟛は、出来なかった。
今ずなっおは、良かったのかも知れない。

宀内は、思っおいた皋荒れおはいなかった。

腐りかけた畳。
シミだらけの壁玙。
垂れ䞋がったカレンダヌ。

確かに、ココで、私達は暮らしおいた。

小さなキッチンに、ビヌルの小瓶が転がっおいた。

「最埌だから、あなたも  」
䞋戞の私がムセルず、女房はコロコロず笑った。


小さな瓶をポケットから取り出しお眺めた。

——もうすぐ  俺も行くよ。

   ぀づく

[煎  逅]

#812012/12/21 00:39
   ぀づき。


割れたガラスを螏み砕きながら
狭いベランダに出た。

冬枯れの䞘陵の先に、黒々ずした海が広がっおいる。

この颚景は、倉わらない  

「あなたも、倉わらないわ」
この歳だ、倉わり様がないさ  

県䞋に、冬だず蚀うのに青々ず葉を付ける朚があった。
点々ず真っ赀な花たで咲いおいる。

「寒怿よ。私、奜きなの」
花蚀葉は  愛嬌・謙虚。
どうせ愛嬌だけでしょ、私。そう蚀っお笑った。

そしお、
ポトリず花が萜ちる普通の怿ず違い
花びらが䞀枚ず぀、はらはらず萜ちる。

朔くないな  私がそう蚀うず。
「最埌の䞀枚たで、花なのよ」

最埌の䞀枚  
私は  最埌たで、私だったろうか  


振り返るず、
小さなキッチンに女房が立っおいた。
ただ、柔らかい笑みを浮かべおいる。

涙が溢れお止たらなかった。

そうだ、そうだな。
スマンが、もう少し、埅おおくれないか  

女房は、優しく埮笑んだたた、芋えなくなった。

車に戻っお芋䞊げるず。

割れた窓ガラスのむこうで、
女房が小さく手を振っおいた。

[煎  逅]

#822012/12/22 23:48
ゞッず、誰かを芋おいるず、
䞍意に顔を向けられお目が合う事がある。

芖線を感じたのか  

芖線を感じるず蚀う事は
この「目」から、
人が感じる䜕かが出おいるず蚀うのか

それは、無いだろう。

芋るず蚀う事は、
県球に映る映像が、芖神経を䌝っお脳ぞ送られ
脳が、゜レが䜕なのかを刀断し、理解する。
゜レが「芋える」「芋た」ず蚀う事だ。

県球は受容䜓であっお、決しお䜕かを発する事は無い。

ではナれ。
人は「芖線を感じる」などず蚀うのだろう  



右耳の埌ろが
匕き぀るように緊匵する。

又だ  
芋られおいる。

振り返っおも、誰も居ない。
狭いアパヌトの䞭だ。誰かが居る筈も無い。

食事䞭も、颚呂でも、テレビを芋おいおも
絶え間なく感じる芖線。

——芋぀けた。
僅かに開いた匕き戞の隙間。
数センチの、暗闇の䞭に、目があった。

䞀぀芋぀けるず。
至る所にあった。

コヌヒヌカップの䞭。
携垯の画面の䞭  
郚屋䞭、目だらけだ。

着おいる服を突き抜けお
䜓䞭に芖線を感じる。

チリチリ  ヒリヒリ  

垃団を頭から被っおも、芖線は消えない。
灯りを消せば、より匷く、芖線を感じる。

こんな所には居られない。

郚屋を出おも、芖線は消えなかった。

あからさたに、芋られおいる。
耐え難いこの感芚。

溢れるような人の波は、
芖線の奔流ずなっお俺を飲み蟌んでいく。

俺を、芋るな  
芋るんじゃない  

そうだ。
芋えなくすればいいんだ  

朰しおやる。䞀぀ず぀。
俺を芋぀める目を、䞀぀、䞀぀、朰せば  

俺は芖線の䞭を駆け抜ける。

真っ赀な返り血に染たりながら  


「目目連」もくもくれん
荒れた家の障子に、無数の目が描かれおいる

[煎  逅]

#832012/12/24 00:52
今回は、サスペンス颚  



「深読み」

新聞を広げおいた友人が、溜息混じりに口を開いた。
「しかし、物隒な䞖の䞭になったなぁ」

近くの公園で起こった殺人事件の事を蚀っおいるらしい。

○日、午前6時過ぎ。犬を散歩させおいた老人が
公園の怍え蟌みの䞭で、頭から血を流しお死んでいる男性を発芋した。
死因は、頭蓋骚陥没。
凶噚ず思われる石盎埄玄15㎝が、遺䜓の偎に萜ちおいた。
遺䜓発芋の前日、午埌10時頃。
公園ぞ入っお行くアベックが目撃されおいる。
着衣の特城などから、被害者はアベックの䞀人ず芋られおいる。
たた、被害男性ず䞀緒だった女性の行方が䞍明のため。
連れ去られた可胜性も有るずしお、倧掛かりな捜玢が続いおいる。

「この女は、倧䞈倫かね。もう殺されおる可胜性もあるな」
友人は続ける。
「あの公園は、倜になるずチンピラみたいなのが溜たっおるからな
なんでたたそんな時間に、あんなトコぞ行ったんだか」

友人は新聞を閉じ、コヌヒヌをすすった。


確かに、街䞭で起こりそうな事件だ。
だが  


  事件圓倜は、隣町で花火倧䌚が有った日だ。
倧きな倧䌚で、県倖からも芋物客が集たるほどだ。

ナンパ目的にしろ䜕にしろ、
倜の公園でタムロするような若者なら、たず、゜ッチぞ出掛けるだろう。

公園は倧きくは無い。
だが、よく手入れがされおいた蚘憶が有る。

手入れされた怍え蟌みず芝生。
そんな所に、
盎埄が15㎝もあるような石が、転がっおいるモノだろうか。

倜になるずガラの悪い若者が溜たる公園。
その為、近所の人が倜に近付く事は無い。

その若者達が、居なくなる倜。

公園に䞍䌌合いな、わざわざ甚意したかの様な石。

行方の解らない女。



——たさか、考え過ぎだな。

[煎  逅]

#842012/12/25 23:25
倜になっおも、街は賑やかだった。

クリスマスなのだ。
そう思った。

人で溢れる歩道の先に喫煙堎所の看板を芋぀け、
やっずタバコに火を点ける事ができた。

小さな子䟛を抱いた若い倫婊がニコやかに通り過ぎた。
酔っぱらったサラリヌマン達の埌を、
螊るような足取りで若者達が行き過ぎた。
賑やかなオバちゃん達は、其々に荷物を抱えおいた。
倧きな声。ひそひそ声。笑い声。車の音。聞き慣れた音楜。

みんな笑顔だった。
なぜ、䜕がそんなに楜しいのか。
私は、こんなに぀たらないのに  

ザワザワず行き亀う異人達の矀れ。
これじゃたるで  
「癟鬌倜行」だ。そう思った。

人混みは苊手だった。
ドコに居おも、確かに違和感が有った。

銎染めない、溶け蟌めない。孀立感。
溶け蟌め無いのなら  
䞀人で居るしか無いじゃないか。そう思った。

眉尻を寄せ、目を现めお、䌺うように芗き芋る。
だが、この賑やかに行き亀う倜行の矀れの䞭では
どう芋おも私の方が異端であり、異物だった。

タバコを消し、
倜行の矀れを掻き分けるように歩き出す。
ココは、私の居る堎所じゃ無い  

突然。目の前にサンタクロヌスが珟れた。
倧きなトナカむが匕く゜リに乗っおいる。
倜行達は無関心に行き亀い。
誰䞀人、振り返る者も居ない。
サンタは埮笑を浮かべ、私を手招きしおいる。

あぁ、そうか  そうだった。

私は、゜リに乗り、冬の倜空ぞ駆け䞊った。

私の居るべき堎所ぞ  


12月25日の深倜。
滑り蟌みの「メリヌクリスマス」でした

[煎  逅]


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