📖 創作･携帯小説

コンビ再結成から右京と亀山薫はブランクを感じさせずに事件を事件を解決していっていた


そして数年後…


亀山「右京さん！本当に本日までお疲れ様でした！」と右京に声を掛けながら亀山は頭を深々と下げた

右京「えぇ、そうですね。本当に長かったような、短かったような…」と右京は微笑みを浮かべながら言った


この日は右京が警視庁を定年退職する日だった

そしてそれから更に20数年後


葬儀場に歳はとっていたが亀山薫、その妻の亀山美和子、神戸尊、冠城亘、宮部たまき、月本幸子、小出茉梨の7人がいた


亀山「右京さん、天寿を全うしましたよね…」と薫が呟く

神戸「ええ、間違いなく…」

冠城「そうですよ、絶対に…」

と右京とコンビを組んでいた3人が静かに共鳴するように言った

月本「それにしても…」と幸子が言い掛けてやめた

神戸「え？どうしたんですか？」と神戸が気にかけた

月本「いや、その…右京さんと出会ってなかったら私の人生どうなっていたかと…」

冠城「て、言うと？」と今度は冠城が幸子を気にかけた

月本「だから右京さんが私を捕まえていなかったら私は殺人未遂の海外逃亡犯で、こんなに

　　　素敵な人生送れなかったなって…」

そう言うと幸子は目頭を押さえた

そんな幸子の姿を見てシーンとなる一同

美和子「あ、そういえば結構初めましてって人多いよね、薫ちゃん」

亀山「おいおい、もうお互いいい歳どころの騒ぎじゃない歳なんだから薫ちゃんはやめろよ！」

と顔を真っ赤にしながら亀山は叫んだ

冠城「でも折角ですし、軽く自己紹介はしておいた方が…」と言い掛けると宮部たまきが

宮部「じゃあ、私から…」というと今度は美和子が

美和子「あ、たまきさんの事はよく知ってるからいいわよ」とたまきに言うと冠城が

冠城「いやいや、僕と茉梨さんはたまきさんの事よく知らないし！」と美和子に突っ込む

神戸「て、言うか杉下さんの元の奥さんだから杉下さんの秘話的なものがあれば

　　　根掘り葉掘り聞いちゃいましょうよ、今だからこそ聞ける話として」と神戸がノリノリで言う

小出「確かにそれ聞きたい！」と好奇心が旺盛な茉梨が同調する

宮部「ダメよ～、そんな事したら右京さん、みんなの所にバケて出るわよ～」

というたまきの言葉に一瞬間を置いてたまきを除く全員が

「確かに～」と奇跡のハモりをした

神戸「あ、そう言えば…僕の後の…」

亀山「それだけど、右京さんが亡くなる前に頼まれていて、実際連絡も取れたんですけど…」

冠城「そうですね…こちらとしては来て欲しいとは思っていても中々それはですよね…」

亀山「そう、だから右京さんも生前にしっかり墓地を決めていたからそれも含めて連絡してたんですけどね…」

と亀山が残念そうに呟く


ちょうどその頃、その亀山ら7人がいる葬儀場から少し離れた所から葬儀場を見つめる喪服姿の男が立っていた

その男は年齢（とし）はとっていたが紛れもなく甲斐亨であった

そして亨はその葬儀場に背を向け、その場を立ち去ろうとするとその背後から懐かしい声が聞こえた


「僕はずーっと君の事が気懸かりでした、カイト君…」


亨「え…？」
と小さな声を上げて後ろを振り向く亨、するとそこには葬儀の主役の年老いた右京が立っていた


亨「す、杉下さん…？」


驚きの表情見せる亨に右京が微笑みを浮かべた後、亨に語り掛ける


右京「君はまだ過去に起こした過ちを悔やみ、苦しみ、引きずっているんですね…」

亨「…」


亨は何も言えず、右京を見つめる

右京「確かに君は大きな過ちを犯しました。「もう忘れなさい」とは言いません、ですが、

もう苦しまないで下さい。君は罪を償い、そして十分過ぎる位苦しんだと僕は思いますよ」


亨「うっ…」

右京の言葉に声を詰まらせ、今にも泣きだしそうな表情を浮かべる亨


右京「あ、それから最後にひとつだけ」

と、右京が人差し指を立てながら亨に言った


亨「あの…それをやられるとまた俺、逮捕されちゃうのかな？って

不安になっちゃうんですけど…」

と、亨が苦笑いと半分泣き笑いのような表情を浮かべながら右京に言った


右京「あっ！これは失礼しました、これも僕の悪い癖だと思って気にしないで下さい」

と、微笑みを浮かべながら右京が言った

亨「杉下さんには勝てないな…それで最後にひとつだけというのは？」と

亨が苦笑いで返した


すると右京は本当に嬉しそうな顔して

右京「分かった事がありましてね、それをぜひカイト君にお伝えしたいと思いましてね…」

その余りにも嬉しそうな右京の顔を見ながら亨は笑みを浮かべながら少し呆れたような表情で

亨「で、何なんですか、その分かった事って」


右京「えぇ、それはですね…幽霊は実際にいるという事です！」

亨「えっ！？」


右京の思いもよらぬ言葉に亨が驚く


右京「何故なら今ここにいる僕自身が幽霊だからですよ！」


更なる右京の言葉に思わず亨は斜め下に視線を落とし、微笑みを浮かべながら

亨「何だかそれって杉下さんらしいような、らしくないような…」

と、亨が言い、右京の方を見るとついさっきまでいた右京の姿が消えていた

慌てて視線をキョロキョロさせ、亨は右京の姿を探したが右京の姿はどこにもなかった


亨「…杉下さん…」と亨が呟くと亨の目から涙が溢れ、頬をつたう

「亨さん！」


今度は右京以上に聞き慣れた声が亨の後ろから聞こえた

亨が振り返ると亨の妻の悦子が歩きながら亨に近付いてきた


そして悦子のその隣には亨の若かりし頃にそっくりな男がいた

それは亨と悦子の一人息子であった


悦子「亨さん、朝起きたら姿が消えていたから…やっぱりここだったのね」

亨の息子「親父、やっぱりあそこ（葬儀場）は入り難いよな」

亨「…」

亨の息子「でもまぁ、大丈夫だよ！俺と母さんも一緒に行ってやるから…」

亨「偉そうに…」


亨の息子「まぁまぁ、俺も死んだじいちゃんに親父の事、頼まれたし今こそ

　　　　　その約束を果たそう！って奴だよ」

亨「フッ…」

下を向きながら額に右手を当てながら亨が笑みをこぼした


悦子「じゃ、行きましょうか！？」

と悦子が笑顔で亨の両肩を掴む

亨「あぁ…」と亨も笑顔を見せ、3人はゆっくりと葬儀場に歩を進めた

するとその3人の後ろ姿を更に後ろから見つめる身長差がある男2人の姿が見える

その2人の男は少し前まで亨に語り掛けていた右京と小野田公顕だった


小野田「杉下、折角僕が迎えにきてやったのにちょっと寄りたいところがあるって

　言ってたけど、これでもう満足なの？」

右京「えぇ、これで彼も前を向いて歩いてくれるでしょう…」


小野田「フ～ン、ま、僕は彼の事よく知らないし、どうでもいいけどね」

と、生前と変わらずぶっきらぼうに小野田が無表情で言った

右京「官房長は相変わらず知らない人間には興味が無いようですね～」

と、右京が小野田にチクリと言った


小野田「杉下、まずその官房長っていうのやめてよ、僕は杉下よりかなり前に

　死んでいて、官房長なんて役職はもう関係ないんだからさ。

　それに僕は確かにどうでもいいとは言ったけど、それは彼が幸せになっても

　別にいいという意味でもあるからさ、僕を冷徹人間みたいに言わないでよ」


右京「それはそれは失礼致しました、では僕はあなたの事を何と呼べば…」

小野田「まぁ、それは追々考えるとして…」


右京「追々ですか…それはそうと冷静に考えると僕は今や年上になりますよね…

　と、いう事は立場的には逆転で僕の方が上に…」

小野田「何バカな事言ってるの？さっきも言ったけど僕はお前よりとっくに

　先に死んでいるからこっちの世界でも僕の立場が上だよ！」


小野田のもっともらしいようならしくないような言葉に右京はキョトンとし


右京「おやおや」

と、右京はおどけて見せた


すると右京と小野田はお互いに笑顔になり、歩きだした


そして2人が歩く後ろ姿の前を1台の車が横切る、そしてその車が

過ぎ去ると右京と小野田の姿は消えていた



相棒Season final　完

BGM
えぇ〜皆さん、今晩は。お久しぶりです、古畑任三郎です〜。
毒というのは特に美しい花によく含まれているものです。ユリ科の中には、猫に腎障害を起こす毒が含まれてるものもあります。この寓話は女性にも当てはまることです〜。フェミニズムを否定するわけではありませんが、美しい女性程内奥には死に至る毒を孕む女もいます。
男性の皆さんは気をつけてください。美人局には････

古畑任三郎　5thシーズン最終回『お艶殺し』
駿河恭子『清治さん、結婚式は何時にします？』
船橋清治『お艶、いや恭子。君との婚約は破棄だ。実は兄貴が事故で死んでから、俺が船橋建設の社長を継ぐことになったんだ。君は、お艶という源氏名で水商売をしていた。そんな尻軽な女が次期社長夫人になれると思うかい？』
恭子『そんな、堪忍や。清治さんはウチのキャバレーに来て下すった時分から、ウチと一生連れ添うと約束したやないの。』
清治は大学生の内から恭子に入れ込み一時は婚約まで誓ったものの、三十を間近に控え色香の落ちた彼女よりは、一回り年下の旧家の娘に気持ちが傾いていた。
清治『しかし、それは若い頃の口約束だよ。君はいい歳をしてまだ童話のような夢をみてるのかい？』
恭子『ならいいわ。ウチは清治はんの会社の命運を握る情報を知っとるんやから。』
清治『君はまさか、ウチの脱税疑惑を知ってるのか？』
船橋建設はコロナ禍の赤字回避のため、ここ二、三年脱税を繰り返していた。恭子は愛人の1人からその事実を掴んだのだ。
清治『君一人を抹殺するくらい、俺の会社の力からすれば朝飯前だよ。』
清治は手近にあった電気コードを取ると、情動的に恭子の首を絞めた。恭子は口から泡を吹きばたりと倒れてしまった。

これでは脚本！
小説ではない、最初からやり直し！