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永世中立といっても簡単なものではないのですが。
スイスは人口も約850万人程度の小国(日本のわずか7%未満)で、その軍隊も現役兵力4,000名と小規模です。
しかしその背後には約21万もの予備役を抱え、また有事の際は焦土作戦も辞さない国家意思を持っているのです。
一口に予備役と言っても予備自衛官とは異なり、20〜30歳の男性に兵役義務があるため、その年代の男性の多くが予備役の兵士です。そして家庭には小銃などの武器が常備されています(冷戦期は実弾も)。
またスイスは古くから兵器の輸出にも力を入れており、例えば我が国の零戦などが採用した20mm機関砲を開発したのはスイスのエリコン社ですし、またシグ社の銃器は現在も自衛隊や海保、警察で採用されています。さらに米軍なども採用したピラーニャ装甲兵車の開発も元々スイスのモワク社です。
我が国の一部の方々は、そういうスイスの重武装中立国家としての顔や武器輸出国としての側面を無視します。
そして〝永世中立〟という言葉だけを切り取って理想化し「なぜ日本にそれが出来ないのだ」と自国の防衛政策を批判する方もいます。
永世中立とは集団安保体制に入らず、単独で国家の独立と国民生活を守るという覚悟の表明です。スイスのような国民の努力によって初めて可能なものです。
「何もしなくて楽チンだ」というものではありません。