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2002年、ヴィレッジ・シンガーズ リバイバルヒット中の「亜麻色の髪の乙女」を歌ったヴィレッジ・シンガーズのボーカル清水道夫さんに成り済まして、長野県御代田町の「町民カラオケ大会」に審査委員長として出席し、謝礼15万円を受け取っていた大胆な詐欺師が捕まった。長野県警佐久署に6日、詐欺の疑いで逮捕されたのは、同町に住む飲食業、井出一雄容疑者(53)。以前にもロックグループ「横浜銀蠅」のメンバーを名乗って詐欺事件を起こした“常習犯”だった。
島谷ひとみ 7月25日に開かれたカラオケ大会に商店会の依頼で出席した“ニセ清水”は、優勝者らに清水審査委員長名で表彰状を渡しただけでなく、大胆にも舞台に上り歌声まで披露。「亜麻色−」のほか、アンコールで「バラ色の空」まで熱唱していた。その歌声は本物にソックリだったようで、約800人が詰め掛けた会場だけでなく、地元ケーブルテレビで放送され、町民1万3000人が美声にしびれたという。
ところが偶然にも、清水さんの知人が会場にいて「面影がない」と疑問を持ち、事務所に照会してニセモノと確認。大会翌日、商店会の会長らが「あんた誰だ」と井出容疑者に迫ると、アッサリ「偽物です」と認めたという。
1年ほど前に同町に引っ越してきた井出容疑者は、最初から「清水」を名乗り、名刺まで準備。会長は「町中の飲食店にサインがあった。長い間、本物も見ていなかったし、疑いようがなかった」とあきれていた。
だが、井出容疑者は平成8年にも横浜銀蠅のメンバーに成りきって長野県内のイベントに出演したり、信じた女性と交際して現金を騙し取って捕まるなどしていた。