新種の淋病が見つかって話題になっている。京都の風俗嬢が感染し、従来のペニシリンや抗生物質が効かないとも報じられた。遊び好きの男にとっては看過できない問題だ。
この淋菌の変異株は「H041」と名づけられ、09年1月に性病の定期検査に来た31歳の女性から見つかった。症状は排尿時の痛みや尿道からうみが出るなど、通常の淋病と変わりない。厚労省結核感染症課に聞いた。
「淋病の薬として最もポピュラーなセフトリアキソンを注射したのですが、2度目の検査でも陽性だったため、新しい耐性菌だと分かりました。ただ、患者さんは自然に治癒したようで、その後、陰性になった。国立感染症研究所の研究で、スペクチノマイシンという抗生物質が治療に効くことが分かりました。ほかにも感染した人がいるかもしれませんが、見つかったのはまだ1人。自覚症状がないまま自然治癒した人が多いのかもしれません」
これまでH041にかかったのはこの女性1人。女性が勤務するのがソープランドなのかヘルスなのかは不明だが、喉の検体から菌が見つかったことから、オーラル○ックスで感染したとみられている。
●次々に変異しイタチごっこ
感染症はこのH041のように、抗生物質が効かない新型の菌が生まれるから厄介だ。なぜこうなるのか。医学博士の米山公啓氏が解説する。
「原因のひとつが風邪のときなどに医者が処方する抗生物質です。人間の口の中には『常在菌』といって病原性でない菌がすみついている。抗生物質を投与され淋菌をうつされると菌の遺伝子が抗生物質で死なないように変化。こうして耐性菌が生まれます。医者が新しい薬を開発しても、また新しい耐性菌が発生してイタチごっこが永遠に続くのです。クラミジアやヘルペスも同じです。いつ新たな性病が出現してもおかしくありません」
淋病はキスではうつらないものの、フェ○やクン○リングス、コンドームなしのセッ○スで感染する。
コンドームなしだと感染率30%というから、要注意だ。
(日刊ゲンダイ2011年7月21日掲載)