📖 創作･携帯小説

本当に神様は意地悪なんだぞ。

俺はつくづくそう思った。−寝坊した。
起きた時にはもう8:00過ぎを時計の針は示していた。俺は飛び起きて、神様に悪態をついた。まぁ夜中まで起きていた俺が悪いから自業自得だけれど。

朝ご飯など口に含む時間もないので、俺は着替えてすぐ家を飛び出た。いつもは徒歩で登校し、近所の人とおしゃべりしたりアーサーをからかったりしていたが、そんな余裕はないので俺は自転車にまたがった。もうアーサーはとっくに登校してるだろうな、なんて苦虫を噛み潰したような顔になる。

とりあえず遅刻は免れ、俺は息絶え絶えで席に着いた。朝から汗臭い。後で着替えようなんて考えつつ、俺はそんな俺を見て半ば呆れているアーサーに向かって口を開いた。


「ｈｅｒｏは遅れて登場するんだぞ☆」


今日はお天道様がご機嫌なようで、窓の外は晴れ渡っていた。

「おそいぞアルフレッド！！」

平然とした顔で教室にはいってきたアル。
授業中に。しかも遅刻してきてるのになにぬかしてやがる。
まぁそれもコイツらしいっていっちゃあコイツらしいな。なんておもってる自分がいるのだ。
どうしちまったんだろう。
でも内心ほっとしていた。
アルがこないことにがとても不安を感じていたからだ。
だから・・・ホントによかった。

「もうわかったから席につけ！」

お前がいてくれればそれで・・・。

なんや。アーサーがアルに注意しているところを何やら心にもやっとした気持ち悪い感情が流れてくるんや。
俺は、アーサーの方をぶすっとした表情で見ていると後ろのフランシスが話しかけてきた。

「まったく、アーサーも子守するのは大変だね〜」

子守…俺にはそうにはみえない。そしたら、前のギルが俺のほうを見て話しかけてくる。

「まったく、お前も大変だぜ…キシシシ」

まったく気味の悪い笑い方をする。
２人ともの親友だ。結構３人で悪をしてはアーサー生徒会長に怒られる。でも、それが俺にとってはうれしい。

やっちゃったんだぞ。俺は冷や汗をかいた。教科書がないのだ。もう授業は始まるから、他のクラスから借りるなんて事は出来ないのだ。
隣に借りるしかないか、そう思い今日初めて隣の席を見た。

い　な　い

「Ｎｏｏｏｏｏ!神様は本当に意地悪なんだぞ！俺なんかしたかい！？」

とっさに叫ぶとアーサーが罵声を浴びせてきた。いつもなら平気なのだが今日はもう言い返す元気もない。

「おま、遅刻したあげく、教科書まで忘れたのか！？馬鹿じゃねぇの！？」

耳を塞ぎたいが塞いだらそれにも彼は怒るだろう。
俺はただただ下を向き、アーサーの罵声を聞いていた。

もう今日は厄日だ、なんて考えてると下を向いていて、自分のズボンしか視界になかった俺の視界に、教科書が入ってきた。

顔を上げるとアーサーは呆れたように笑っていた。

「ほらよ」

ぶっきら棒に彼が言うもんだから俺はくすりと笑ってしまった。
すると後頭部に痛みが走った。

どうやら俺の後頭部に何か尖ったものが当たったらしい。
俺は口を尖らせた。

「誰だい！痛いじゃないか！」

なんていうとカリエドだった。
何やら気に食わない顔をしていた。

「それ貸したるわ。ありがたく思いー」

そう言って教室を出て行った。後ろからフランシスやギルも笑いながらついていった。悪友は今日もサボるのか。なんて考えていた。


二つの教科書を手に俺はアーサーに困ったように笑って見せた。
同時に先生が入ってきた。

「今日はカリエドのを借りるよ！ありがとうアーサー！」

そう言って名前の欄にカリエドとだけ汚い字で書いてあるカリエドの教科書を手に残し、アーサーの教科書をアーサーに返した。

・・この教科書使ってないのかい？

やけに新品そうな教科書に俺は苦笑した。

「そ・・・そうか、よかったな。」

なんだ。ならいわなきゃよかった。
カリエドのほうがいいのかよ。

心のなかにもやもやとしたものができた。
なんだこれ。
とかおもってるとアルが

「ありがとうアーサー！」

・・・ありがとう、か。
やっぱり言ってよかったかもしれない。

俺はそっと微笑んだ。

いつもの２人と一緒に教室を抜けて近くのゲーセンで遊んでいた。
ＵＦＯキャッチャーでトマトのぬいぐるみを一生懸命俺はとろうとしてた。

「なに〜??カリちゃんこれ苦手なの〜??」

フランシスが横で口を出す。

「俺に比べたら全然駄目だな!!やっぱ俺のほうがうまいに決まってるぜ!!」

ギルも口を出す。集中力が全然つかへんで…なんでこの２人と友達になってんのやろう??時々そう思ってしまうときがあるんや。
俺はやっと取れたデカ目のトマトのぬいぐるみを俺は片手で持って外に出た。

「おい!!お前金出せよ」

不良が入り口でかつ上げをしていた。俺はその行動にムカッてきた。

「そこの不良たちさ〜!!そんなびくびくしてる子にかつあげするんかいな??」

俺は笑顔でその不良に話しかけた。

「あぁ??」

もちろん眼飛ばされる。フランシスとギルは俺を一生懸命止めているけど、今日は何故かイライラとしているため自分でも止められへんのや。

「なんや??文句あるんかいな??俺ただ止めてるだけやろ??」

あくまで俺は笑顔。でも、目は笑っていない気が自分でも分かる。

「んだと??」

そう言って不良は俺に拳を振りかざした。拳が俺の頬に思い切り叩きつけられる。

「カリエド!!大丈夫か?」

フランシスが俺の心配をする。

「なぁ〜フランシス…殴ってええか??」

俺は完璧頭に血が上っていた。フランシスは俺の様子に息を呑む。
そして、俺はその不良に拳を返した。

「ギル!!カリちゃんを止めるよ!!」

「あぃよ!!」

勢いが増していく俺の喧嘩にフランシスとギルが止めに入る。

「君たち!!何をしている!!」

そこに巡回中の警官が来た。不良は急いで走って帰って行った。


警察に事情聴衆を終らせて学校に帰ってきたとき、アーサーが出てきた。昼休みの時だった。

授業はつまらなかった。せっかく借りた教科書もそこまで重要な役割ではなかった。俺は頬杖をつき窓の外をぼんやりと眺めていた。
飛行機曇が消えかかっていた。

そんなつまらない時間を過ごし、昼休みになった。

「アーサー！ごはん食べよう！」

と勢いよく声をかけるとその声は放送の声でかき消された。

「生徒会長、アーサー・カークランド。直ちに職員室に来なさい。」

アーサーは俺の方をちらりとみた。

「あ、あぁ。呼ばれてるじゃないか。行ってきなよ。」

無理して笑い、手をひらりと振った。
アーサーは「悪いな」と言って教室を出て行った。

今日は菊たちとご飯を食べよう。
サブバックをあさり、財布を出して売店でバーガーを買って菊の元へ向かった。

何処が心が晴れなかった。

消えかかっていた飛行機雲は綺麗になくなっていた。

「カリエド・・・」

せっかくのアルとの時間を壊され、少々イライラしていた。

「お前何したんだ？ケガしてんじゃねーかよ」

「なんでもあらへん」

「たく・・・なんでもなくねーだろ！！」

「まぁまぁぼっちゃん落ち着いて！俺たちが話すからさ！」

フランシスがとめにはいった。
落ち着いていられない。はやく終わらせてアルのもとへいきたいのだから。

「カリちゃんは人助けしたんだよ！」

「人助け？」

「そ！このアホカツアゲされてるとこわざわざわってはいったんだぜ？」

「俺たちはとめたんだけどね〜」

「うるさいわ！ただストレスがたまってたんや！」

・・・カリエドが人助け？
それであんなケガを？？
・・・俺は自分のことしか考えていなかった。
なんて愚かなんだ。

「・・・今日のとこはみのがしてやる」

「・・・」

「お前がケガなんてしたら困るからな！もういっていいぞ」

「なんやねん・・・」

悪友たちはさっていった。
なんだかスッキリした。
なんだか今日は空が一段ときれいに見えた。

教室に行く前に１個年下の学年に俺は行った。

「ロヴィー♪」

俺は子分のロヴィーノのところに行った。

「カリエド!!どうしたんだよその怪我!!」

「いやな〜…絡まれてもうて」

もう、顔中痛いの何の!!でも、我慢してロヴィの前では笑顔。笑顔は俺は何があっても崩さんと決めとるんや!!

「ふぅ〜ん。喧嘩も大概にしろよ!!
　それで何のようだよ??」

ロヴィが素っ気無く言うので俺は少し悲しい表情で笑ってみた。

「いや〜素っ気無いな〜ロヴィ〜。これ!!やるで〜」

そう言ってロヴィに渡したのはさっきＵＦＯキャッチャーでとった少し大きいトマトのぬいぐるみをロヴィのてに乗せた。

「なに??これ…」

「さっきゲーセンでとってきたんや♪」

そういうといぶかしげな表情でロヴィは俺を見る。

「ありがとうな!!」

ロヴィが俺に素直にお礼を言った。俺はそのことに目を輝かせた。

「なんだよ??」

「ロヴィが珍しくお礼を言ったからな!!少しうれしゅうて」

そう言いながらニカっと笑うと、ロヴィは真っ赤になり

「知るか!!バ—————カ!!」

って言って、教室の扉を思いきし閉めた。本当に壊れるか思うくらいに思いきしやった。

「なんや〜ロヴィ…」

そう言って廊下を歩いていた。ふと窓の外を見る。
向こう側の校舎の屋上に２人でご飯を食べてる人影が見えた。
俺って結構視力がいいんやで!!
アーサーとアルだった。
それを確信すると俺は廊下のゴミ箱をバンっと蹴った。
胸糞がとにかく悪かった。その後、フランシスとギルに見つかりいつも通り３人で昼食を採った。

何事もなかったかのように菊と昼食を食べていた。食べるというか口に詰め込んだ。美味しいなんて思わなかった。菊には悪いと思ったが気持ちが沈んでいてどうも話題が見当たらない。

そんな教室にアーサーが息を切らして入ってきた。

「終わった、飯食おうぜ」

彼はにこりと笑った。俺は喉に閊えそうになったバーガーの一口をコーラで無理やり胃まで流し込んだ。

「おかえり！菊と食べていたんだぞ！そうだ、屋上へ行こう？」

菊はにこりと微笑んでくれた。
そして食べかけのお弁当を持ち、屋上へ向かった。
屋上の階段は少なく、短時間で屋上に着いた。
扉が少し重かった。
扉をあけると清々しい空気がぶあっと流れ出した。

そこらへんに座るとコンクリートは程よく温かかった。
さっきまで少し寂しく見えた空がとても綺麗だと心底思った。

職員室からでてまっさきにアルのもとへ向かった。

「終わった、飯食おうぜ」

そう言うとアルは嬉しそうに笑ってくれた。
菊もなんだか楽しそうだった。
こうして三人で一緒に屋上へ向かおうとした。

「おっと、爺はこれで失礼しますね」

「え、菊？」

「ちょと急用を思い出しまして」

「そ・・・そうか。」

残念だがアルと二人きりになれるのは嬉しい。
もしかしてそれに気付いて気をつかってくれたのか？
とか思い菊のほうを見るとただただ微笑んでくれた。

「アーサー！ほら！いくんだぞ！」
「あ・・・あぁ！」

二人で食べたお昼はとても美味しかった。

いつもの３人でつるんでる時は心から楽しい思うで。
でも、さっきの２人きりのアルとアーサーの様子を思い出すとその心地い気持ちもすっとんでしまうで…

「ほら!!カリちゃん!!君の分も朝に急いで作ったんだよ!!ありがたく思ってね☆」

フランシスがそう言って俺に弁当を渡す。

「なぁ〜フランシス!!俺様の分は??」

ギルがフランシスにねだるように言う。

「………」

フランシスはぴたっと動きを止める。

「フランシスの馬鹿野郎!!!」

「嘘だよ〜!!プーちゃんのもあるよ☆」

そう言ってギルの分もフランシスは取り出す。

「さっすがフランシス♪」

ギルはフランシスから弁当を受け取りもぐもぐと食べる。
俺はずっとそのやり取りをフランシスのご飯を食べながら見ていた。
やっぱ俺はこのやり取りが大好きやな〜とか心から思った瞬間だった。

教室に戻り俺は変わらない笑顔で３人とつるんでた。

「なんや〜。フランシスお菓子作ってくれてたんなら出してくれてもええやないか!!」

入ったらアーサーとアルが仲良く会話をしていた。いや、菊もおったが俺は２人で話していたように見えてムカッときた。

「いや〜ね!!俺お菓子じょうずじゃん??だから少し…ってカリちゃん??」

「え??あぁ〜なんや??」

「ま〜たぼっちゃんの事見ていたの??」

フランシスに図星をつかれた

「そんなんやないで」

「ふぅ〜ん。それならいいんだけど」

そして、フランシスはお菓子を取り出した。

菊に感謝しつつアーサーと二人で昼食をとった。
アーサーのお弁当は手作りのようで、けれど中身はアーサーのくせに綺麗で美味しそうで俺は疑問に思った。

「アーサー？そのお弁当・・」

最後には声が消えかけた。次に言う言葉が俺の頭の中ではまだ見つからず、ごもってしまった。

しかしアーサーはそこまで言うと俺が言いたいことを理解したようで、あぁと声を漏らした。

「あぁ、さっきな。女子に貰ったんだよ」

鼻を高くするわけでも困るわけでもない彼の表情が余計俺を腹立たせた。

「そうかい」

まだ俺は子供だなと改めて実感した。でも喜ぶわけにも祝福する気にも悪ふざけする気にもなれない。


「・・おいしいかい？」

何も言わず箸を進める彼が許せなくて、彼を攻めるかのような言い方になってしまった。

アーサーは目を丸くし、けれどすぐいつもの呆れた表情で、

「食うか？」

と言ってきた。あぁ、まったく君ってやつは

「憎めないんだぞ・・」

ぼそりと呟き俺はアーサーの弁当箱から卵焼きを一切れ貰い食べた。悔しいくらい上手くて甘かった。

アーサーはこのお弁当の子が好きなのだろうか。

甘い甘い卵焼きが喉元を通る時涙が出そうになった。

アルとお昼を食べていた。

「アーサー？そのお弁当・・」

「あぁ、さっきな。女子に貰ったんだよ」

そう。これはさっき廊下で女子に貰ったものだ。
まぁせっかくなので食べている。
とても美味しいものだ。
だからアルにも

「食うか？」

なんて。。
でもそんなの関係ナシに、
アルと。お前と食べているから、だから美味しい。
なんて思ったり。。
でもホントなのだから。
だからこの気持ちをお前に伝えたい。


空は綺麗にすんでいた。

教室でフランシスのお菓子をつまんでいた。
そしたら…

「スペイン兄ちゃん!!!」

フェリちゃんが俺のクラスに来た。俺の天使や!!
ついでにごつごつやろうと一緒に…

「よう!!フェリちゃん!!どないしたんや??」

「よう!!ルート!!何しにきた!!俺に会いにきたのか??」

俺とギルが２人揃って言った。

「いや…あのね!!!兄ちゃんがトマトのぬいぐるみうれしそうに抱いていて…それスペイン兄ちゃんが取ってくれたんでしょ!!ありがとう。」

「別に俺は兄さんに会いに来たわけじゃない!!ただフェリがここに用事があると言っていたから付いて来ただけだ!!」

フェリちゃんの次に的確にルートがいう。
そのことにギルはがっくりと肩を落す反面、俺は目を輝かせた。

「ほんまいかいな!!ありがとうな!!フェリちゃん。いいこと聞けたわ〜」

俺はフェリちゃんにニッコリといい笑顔を見せた。

「いい話を聞けたところすみませんが、俺…忘れていない??」

そこにフランシスが入ってきた。

「あ!!フランシス兄ちゃんだ〜♪」

「あ!!ってことは、やっぱ忘れていたのね」

そういってズーンと落ち込む。

「いや〜そういうことってある思うで〜♪」

「あんたは毎回そうでしょ!!」

「いや〜いいやないか!!そんなの」

って言ってルート意外は声を上げて笑った。ルートは鼻で笑った感じやった。

「せや!!フランシスお菓子あるやろ!!この２人にもあげてやろうや!!」

「いいけど〜…俺よりルートのお菓子のほうがおいしくない??」

「え??そんなことないぞ!!」

「ほな一応俺持ってくるで〜♪」

俺はそう言ってフランシスの手つくりお菓子を勝手にとってきた。
５人でそれを食べる時はとても美味かったし、楽しかった。今日はなんか色々と不思議な日だなって思ってまうひやわ!!

「なぁ菊。弁当の作り方を教えてほしいんだぞ！」

たぶん今の俺はアーサーに喜んでもらいたいなんて純粋な思いではないだろう。必死にアーサーを繋ぎ止めようとしているだけだろう。

それを知ってか知らずか菊はにこりと微笑み、おｋをくれた。本当に菊には感謝したい。

とりあえず俺たちは放課後菊の家で練習することにした。
5時間目が終わるのが、もどかしくてもどかしくて俺は笑みを隠しきれなかった。

そんな5時間目の授業で先生がチョークを折ってしまった。
まぁなんともいい音で割れたもんだと俺は思った。

先生がチョークの入っている引き出しを開きあちゃ〜と声を漏らした。あぁ、チョークが入っていなかったんだななんてすぐ分かった。

「先生、俺貰ってきますよ」

と言って席を立ったのはアーサーだった。さすが生徒会長とでも言うのだろうか。

「俺もついてくんだぞ！」

俺はいつものように席を立った。椅子が倒れそうになり俺は必死に止めた。皆くすくすと笑う。あぁ心地がよいなんて思っていると椅子を引く音がもう一つ聞こえた。

「俺も行くで」

皆の笑いが一気に静まり代わりに悪友が爆笑していた。

冷や汗を一適俺はかいた。

「チョークとりにいくだけなのに3人もいらねぇだろ・・・」

「行くったら行くんだぞ！」

「オレもいくで！！」

「はァ・・・わかったわかった」

かるく笑ってやった。

ホントはアルだけでもよかった、という思いが心をよぎる。
だってオレはコイツを・・・。

いや、スペインがいたって問題ない。
俺たちはただのクラスメイトなのだから。

そんなもやもやな気持ちのままチョークをとりにいった。

なんや??なんで俺こいつらと一緒にチョーク取りにいかなあかんくなったんや??確か、アーサーが取りにいくいってそれでアルが取りに行くっていってそれがムカってきたんやった!!
それで、無我夢中ににやったらこうなったや!!
俺って単純…でも、なんでムカってきたんやろうか??
とかくだらないこと考えてる時間があるくらい俺らの空気は微妙なのだ!!
なんや…なんやの??この空気…俺、場違いかな〜とか思いながらも一緒に歩く

「せや〜!!さっきな!!フランシスがお菓子を持ってきてくれたんやで!!おいしかったわ〜♪」

俺は頑張って場を作ろうと必死になる。
が…

「あっそ!!」

アルが素っ気無く返し

「………」

アーサーは無言で何も話さない…もっとひどくなるこの空気

「なんやの〜???」

俺はブクっと膨れた。

たぶん外人が見ても分かると思う、今の俺が怒ってる事くらい。なんでカリエドまで？と思ったが此処で文句を言ったらそれこそｈｅｒｏ失格だ。俺は口から出そうになった罵声を飲み込んだのだ。

フランシスのお菓子の話を持ち上げてきたカリエド。あぁまったく君は！俺が我慢しているというのに！

皮肉も添えてやりたがったが俺の頭の中の引き出しにはハンバーガーの名前とアーサーのことしかないようで上手く思いつかなかった。それにも俺は苛立ち、

「あっそ!!」とだけ返した。

アーサーは黙り込んだままで気まずい空気になった。
あぁ、こうなるのならもう少し我慢すればよかったなんて後悔しても先には立たない訳で。

結局、職員室の端っこにある白色のチョークをアーサーが取った。
職員室は涼しくてコーヒーのにおいが充満していた。
念のためかアーサーは3本取り出した。俺たちの方を振り返り困ったように笑い

「ほら、1人1本」

と俺の目の前とカリエドの前にチョークを差し出した。
白い粉、石灰がアーサーの指を汚していてこりゃ早くとらなきゃなと思い受け取った。

「ありがとうアーサー」
「あんがとな、カークランド！」

にかっと笑うカリエド。凄く腹立たしかったがアーサーが嬉しそうに笑ったあといつものようにぶっきら棒に俺のためという言い訳をしたから俺は許そうと思った。

失礼しました、と言い職員室を出るともあっとした暑さが俺たちを包み込んだ。

3人でいるのに空気が重い。
かなりつらい状況だ。
カリエドが話を持ちかけてきたが、フランシスの話など興味なかったのだ。
空気が重いからなおさら。

「ほら、一人一本」

この重い空気から抜け出そうとチョークをわたした。

「ありがとう」

なんていわれたものだからスペインに微笑みを向けた。
でもアルにはなぜか素直になれなくてツンデレ？をまたしてしまったようだ。

今日はいちだんと暑く感じた。

韓国!!短すぎやろ!!もうちょっとガンバレや!!
どう書こうかいな〜


アーサーが俺に“１人１本”や言って俺に直接渡してくれたことに俺は喜びがこみ上げてきた。純粋な笑顔で俺はアーサーに“ありがとな”って言ったらアルが完璧に不機嫌ＭＡＸ!!
俺どないしよう思ったで!!

教室に戻るとあの馬鹿２人は俺に、“どうだった??”って一斉に言ってくるし…もう…あいつら後でしばいたる思って席に座った。

授業なんて聞くきにもならへんで!!だるく先生の話を聞いてるだけ…こんなんまだフランシスの授業の方がマシや!!
あ…でも、きっとフランシスに聞いたら性教育しかいわなさそうや!!
でも、ギルは俺より頭悪いしな!!俺の周りって馬鹿ばっかやな〜
とかそんなことを考えながらボーっとしていたら先生に指名されて黒板に答えをかかなあかんくなった。
しかも、アルとアーサーまでも…
俺はアルに闘争心を燃やした。
でも、俺の指名された問題は結構、難しい…らしいんやけど…俺にとっては簡単すぎてすらすらと答えを書いてもうた。
でも、その光景をアルは目を見開いて俺をみていた。

俺はそんなアルを見ないでさくさくと席に座った。

「さっすがカリちゃんだね!!あったまいい〜!!」

「学年次席なだけあるよな。ケセセセ...」

「あんな問題解けない方がおかしいで…」

俺は３人であまり大きな声ではないが話をした。
俺がそんなこと言うとギルはシュンとなった。
でも、フランシスもなかなかの頭の良さなんよな!!たまに抜かれることに腹が立ったりするで!!!

俺は先生が俺の答えで簡単に解説していく…俺は聞く耳持たずって感じで耳に入れてそのまま通らしていく感じだった。

アルは必死で先生の言葉を理解しようと頭を抱えていた。
アーサーはなるほどと頷きながら聞く…
なんや…このクラスの特徴みたいになってるやないか!!とか俺はおもった。



ごめん。かけない…
そして、勝手にスペインを頭良くしたことに謝ります。

え、ちょ、皆さん神ですか^q^


先生が黒板をたたく音を教室中に響かせて問題を書いた。
一目見ただけで俺は解ける自信がなかった。

そんな中カリエドが見事に解いて見せた。

俺は思わず目を見開いた。そんな俺と余裕綽々そうなカリエドとの眼が合った。

悔しい。

そんな俺をお構いなしに先生はカツカツと解き方とポイントを黒板に書き込む。
深緑色だった黒板が真っ白になった。


悔しさと数学の問題とで俺の頭はぐちゃぐちゃになっていた。



すいませんorz

糞がここに一人＾ｐ＾）

オレとカリエドは簡単に問題をといて見せた。
だがアルはとまどっているようだ。

カリエドはさっさと席についた。

（・・・アル）

（アーサー・・・？）

（ここはこうだよ）

そっとアルに教える。

（ありがとう・・・）

（ばーか）

アルに笑ってさっと席についた。

放課後…
俺は半分眠そうにしている目を擦りながら鞄に教科書とかをつめていた。そしたら、フランシスが

「おぉい!!カリエド!!お前にお客さんだよ」

そう言うとフランシスは入り口を指した。
そこには見たことない女の子がおった。

「俺にかいな??」

「だからそう言ってるでしょ??」

「お前やないんか??本当にか??」

「本当だ!!」

俺は軽く頭を抱えた。今月で３人目や!!

「ほな。少し行ってくるで!!」

「相変わらずモテモテだな!!カリエド!!」

後ろでギルがちゃかす声が聞こえた。それを背中で受け止めた。

体育館裏で俺はさっきの女の子と向き合っていた。
女の子は真っ赤になって俺を見る。

「あの…私…カリエドさんが好きなんです!!
　つ…付き合って…下さい」

あぁ〜やっぱこれか〜とか思った。

「すまんな!!」

俺は笑顔だけど少し困った表情で言ったら、彼女が“そうですか!”と言ってさくさくと何処かに行ってしまった。

俺は１人その場に残された気分で数分経ち、とりあえず教室に向かおうと思って歩き出した。

少し歩いたところでアーサーとひょこりと出くわしてしまった。
アルはいないらしい。

遅くなってすいませんorz


分かんない。
それだけが頭の中で渦巻いていた。すると後ろからアーサーがこっそりと解き方を教えてくれた。アーサーの香りがするだけで鼓動が高鳴った。

「ありがとうアーサー」

嘘偽りのない真っ直ぐな言葉を彼に向けるとアーサーはにこりと微笑んで席に着いた。

やる気も高まり、なんとか問題を解いた。

そしていつも通り鐘が鳴り、授業が終わった。
掃除なんてサボりたいななんて考えつつ机を運んだ。

アーサーはいなかったが、もうとっくに掃除場所に言っていると思い、そこまで気にかけなかった。

気にかければよかった

俺は後悔することをまだ知らない。
なんてドラマみたいなこと、本当に起こるんだと身をもって知ることになるなんて、流石の俺、heroも分からない訳で・・



死んだ^q^
ごめんなさいorz

もう早10年ですね