📖 創作･携帯小説

そっか。

今更だけど、俺達ってさ

どんなに頑張っても赤い糸では繋がってないんだよな。

どんなに命削っても、どんなに泣いても。

俺たちは、結ばれてないんだよ。

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—主な登場人物—

佐々木　智香　　＊普通の高校1年の女の子。
ササキ　トモカ　　中学生の時から池田と付き合っている。

池田　奏　　　　＊カッコイイと少し人気のある高校2年生。
イケダ　ソウ　　　中学3年の時に出来たの佐々木の彼氏。

【おはよう。
　今日は朝練ないから家まで
　むかえにいく。
　用意して待ってろ。
　　　　　　　池田　　　　】

朝の着信音で目を覚ます。

あ、メールだった。

携帯の画面を開いて送ってきた相手の名前を確認する。

「あっ！」

裏返った声で喜びを表現する。あ、わざとじゃないよ？

鏡を見てみると、あたしの顔はニヤけていた。

「うふふ・・・・ってキモいな」

我に返って急いでベッドから出る。

「ママおはよ」

髪を一つにまとめて、とりあえず朝ごはんにする。

「あれ、今日は急ぎ？」

フライパンで目玉焼きを焼きながらママが聞いてくる。

「あぁーうん、まあそんなとこかな」

冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぎながら言う。

親にはまだ言っていない。

彼氏ができた、なんて

そう簡単に打ち明けることなんかできるわけない。

「友達が、むかえに来てくれるって」

「へぇ。そっか」

朝ごはんをテーブルに運ぶ。

あたしは手伝いながらイスに座る。

「あー、先に食べてて」

「うん」

返事をする前に食べてたけど。

そんなことはどうでもいいとして。

珍しかった。奏からメール来るなんて思ってなかった。

だからかな。倍に嬉しい。

早く食べて、早く用意して。

奏を待たせないようにしなくちゃ。

テレビのリモコンを手にとってデーターを開く。

もちろん食べながら。

データーの中から「今日の占い」を探してボタンを押す。

箸を置いて口だけもぐもぐしながら。

自分の星座を探してさらに詳しく調べる。

「えぇ」

今日は・・・12位か。

「何もかもうまくいかない日、もう少し明るく考えてみて」

声に出して読む。

「恋愛運は・・・え、２?!!うそぉ・・・マジかー」

ため息交じりで食器を片づける。

「・・・・・はぁぁぁ」

もう一回大きなタメ息をつく。

うん、大丈夫!!悪い占いは信じない!!

結果自分勝手な結論が出てしまった。

「フンフン♪」

音楽を聴きながら片手で歯ブラシを動かす。

もう一方の手は学校の用意をする。

時計を見るともう7時30分だ。

急いで洗面所に向かう。

口をゆすいで、顔を適当に洗って部屋に戻る。

「あぁもう！ホンっと今日ついてない!!」

窓から玄関をチラっと見るともうすでに奏は来ていた。

制服を着て髪を軽くとかす。

ショートヘアのあたしはあんまり支度に時間をかけないのが特権だ。

鞄を持って、部屋を出る。

「んじゃーあたし行ってくるね」

玄関に向かう前に母のところへ行き、挨拶だけして靴を履く。

「よし！」

鏡で最終チェックをしてドアを開ける。

「おはよー」

急いでたので息切れをしてるあたしを見て軽く驚かれる。

そりゃそうだな。

「ごめ・・待たせたね」

家の敷地から出て道路の端にいる奏の横に並ぶ。

「あ、いや。大丈夫だけど。何か、急がせちゃった？」

少し心配されてみる。うーん、この顔アリだな。あはは。なんちって。

「あ、そう？ならよかった。全然!!」

笑顔で返すと奏は軽く微笑んで歩き出した。

あたしも置いてかれないように早歩きで並ぶ。

「あーあと、いい忘れたけどまだ7時15分だよ」

「・・・・・は・・・？」

え、ちょい待て。だってあたし時計見た時7時30分で・・。

「ほら」

奏は後ろを向いて携帯の待ち受けを見せる。

待ち受け画像はあたしたち2人のプリだった。やった。

「ちょっと何処見てんの」

少し恥ずかしそうに「こっち」と言わんばかりに時刻を指でさす。

「え、マジ、嘘、え、何で」

「ちょっと腕時計貸して」

混乱状態のあたしに奏は手のひらを差し出す。

「あ、うん」

めんどかったから腕ごと見せる。

「・・・・・・・・・はい」

何か時計をいじってから腕を解放される。

「あ、時間変わってるし」

「俺、昨日智香の時計早くさせたんだよ」

は・・？じゃあ、何？時間の勘違いは奏のせい？

「ほら、智香さ携帯で時間見るよりも腕時計で見る方が多いじゃん」

ニコニコの満面の笑みで言われる。

「じゃあ、まさか、計算？」

「うん」

頷かれる。こんにゃろう・・。どうしてやろうか。

「だから、時間出来たじゃん」

「何が言いたいわけさ」

少し不機嫌で聞く。こんなに早く出なかったら軽くでも化粧出来たのに。

「俺、学割きく喫茶店とか知ってんだよね。腹減ったし」

「まさかご飯食べてきてないの?!!」

「あ、いや、普通そっちに喰らいつくかな」

頭を手でぐしゃぐしゃにかき乱す。

だって、食べないのは駄目じゃん。結構重要じゃん。

「はぁ・・・・あ!!」

「ん、わかった？」

あたしたちは電車通学だ。

すごい偶然でしょ？

家が近所なわけでもないのに。

ただ中学校の地区だっただけって感じだけどね。

あたしは奏の腕に自分の腕を絡めてぴったりくっついて歩いた。

「いぢわるしたんだからゆっくり歩いてよね」

「急がないと喫茶店行けないよ？」

「あ・・・そっか」

何気ない会話を取り入れながらも、あたしは早足で駅に向かった。

奏は満足そうな微笑で自分のペースで歩き続ける。

ちッ、のせられたし。

「ここだよ」

紹介された喫茶店は、最近openしたらしく新しい感じだ。

床や壁が白で統一されていて、とても清潔感がある。

もちろん白一色ではない。小さい観葉植物もあるし。

他の色も、っていうかシンプルにオシャレだった。

「へぇー!!何か良い感じの店じゃん」

「だろ？俺センスいいだろ？」

奏はへへっと笑いかけてドアを開ける。

いや、奏のセンスとか関係あるのかな。まぁいいや。

「早くしなきゃ閉めるぞ」

ドアを開けてあたしを中へ入れようとする。

奏は自分は最初に入らないでドアだけ開けて待っててくれていた。

あたしの彼氏、サイコーじゃん！と、度々思っちゃう。

「いらっしゃいませ。ご注文が決まったら言って下さいね」

お店の人はフレンドリーで明るかった。

ここは駅の中にあるため、学生というより社会人たちが少し多かった。

小さいお店なのに人気があって、いい雰囲気で。完璧。

「俺このトリプルサンドウィッチ食べるけど、智香は決まった？」

席について早速メニューを開き決める。つか、決まるのはやっ。

「あ、あたしは・・・うーんと・・これでいいよ」

メニューのコーヒーを指差す。

200円・・・少し高いけど、持ち合わせがピンチだから仕方ない。

でも、砂糖はカロリーが低めの甘いものだし、牛乳が入っている。

あたし、ミルクよりも牛乳のが好きだから、これがぴったりだ。

色んな意味で。

「ふーん・・腹減ってねぇの？」

「あのねぇ・・あたしは急いだけど朝ごはんは食べてきたの」

しかもダイエット中だし。

「じゃー、これ一緒に食べね？」

そう言ってデザート一覧のメニューを指差してきた。

「・・・あんたバカ？」

「よー見ろよ。このでかパフェ全部食べると、全部どのメニューも無料で食べれるわけ」

結構な大きいパフェの写真が貼られてる下にはもう少し詳しく説明してあった。

【このパフェを１〜2人で全部食べると全てのメニューが無料になります】

と、要約するとこんな感じ。おススメ、の文字と一緒にカロリー控えめ

の文字が目に飛び込んできた。

これ、食べるとコーヒー以外にも頼める!!

「ふふ・・・女の胃を舐めんなよ。すいませーん!!」

メニューにニヤっとしてしまうあたし。とんでもなく不気味だ。

と後で冷静に考えてしまった。

店員さんを呼んで頼む。

数分後、大きいパフェを両手で重そうに運ばれてきた。

コーヒーと奏のサンドウィッチも一緒に。

「ご注文は以上でよろしいですか？」

「はーい」

奏が目をキラキラさせて返事する。可愛い、犬みた・・この例え合ってる？

「んじゃ、頂きます」

早速スプーンですくって食べる。

「ど？」

「んふふっ」

頬に手を当ててもう片方の手でグーサインを作って見せる。

「そ、よかった」

奏は笑ってサンドウィッチにかぶりついた。

「うぅー・・・ヤバいかも」

このパフェでかすぎ。

あれから数十分であたしはもうギブだ。

っていうかクリーム食べてると頭痛くなってきた。

「なめんなよっとか言ったくせに」

少し笑顔であたしの方を見ながらぱくぱくとパフェを食べる。

あれだけサンドウィッチ食べたのによく入るな。

「うっさ・・」

うっさい、さえ言えないほどマジで苦しい・・・

「知ってる？これ、カップルで全部食べきると将来幸せになれるんだって」

なんとなく言う奏のセリフに、あたしは耳を疑った。

将来、幸せ。

喧嘩した日の夜は毎回、あたしらもう終わりかな。

なんて考えてたけど、何か、安心感が・・・みたいな。

ひそかに応援してます☆
面白いよ(#^.^#)

中村さん
ひそかにありがとうございます☆(笑)
気分で更新しているので、多少変なとこがありますが
スルーをお願いします。(笑)

そこからあたし、嬉しくって恥ずかしくって色んな感情が

混ざり合って、もう混乱しちゃって。無言だった。

「ふぅー、ごちそうさんした」

お互いに手を合わせて軽くそのままお辞儀。

「よく頑張ったねぇ」

えらいえらい、と奏はあたしの頭を撫でる。

「幸せになりたいもん」

笑顔で言ったら奏は珍しく照れてた。



「えぇ!!本当にお二人で食べたんですか?!!」

お会計に来た店員さんが驚く。

「あ・・はい」

苦笑いで返事する。

「よく・・・・あ、まさか噂でですか？」

それから他愛もない会話を少しして店を後にして駅のホームへ向かった。

「店員さん、いい人だね」

「うん、そーだね」

「優しいし、面白いし、可愛いし」

「うん、そーだね」

「あたし、あーゆー人になりたいなぁ」

「うん、そーだね」

な・・・何？嫌味？

さっきから同じ返事ばっかり。ちゃんと話聞いてんのか。

「あーあ!!あたし男の子よりも女の子の方が好きかもなぁ」

意地悪を言ってやった。でもホントのこと。奏以外の男の子は苦手。

「え、何。智香はやんないよ？」

「・・・・・・」

って。何赤面してんだ自分!!意地悪したから意地悪され返されただけだよ!!

でも、奏の言葉。全然意地悪じゃない。

チラっと顔を見ると奏は真剣な顔して「そういう冗談止めろ」とだけ言って駅のホームへ行ってしまった。

「え・・・・何さ・・怒んなくてもいいじゃん」

「ご、ごめんって!!」

スタスタ歩く奏の横をかけ足で追い付きながら謝る。

奏はそのまま歩き続ける。つまり無視だ。

「ねぇ!!ねえってば!!」

思い切って奏を自分の方に向かせる。

「ごめん。もう冗談言わないから」

「そーゆう問題じゃねぇ」

じゃあどういう問題よ。

心の中で聞いても意味はないこと、知ってる。

でも口にしたらいけない雰囲気を漂わせている奏には言えなかった。

あたし、気に触ることした？無意識に？何を？

全然意味わかんない。

奏はまた歩き出した。この階段を下りればもうホームだ。

「ちょ、待って」

一人だけ階段を下りる奏の背中に、手を伸ばしたとき。



あたしの何かが此処で終わった気がした。

１＊永遠の。
　　　　　———終了———

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます（＾◇＾）♪
やっと第1章終了です。いやー、やっとっていうか、終わるの早いですね(笑)
引き続き第2章に入りたいと思います。
第2章は2部に分けます。ってかその予定です。
では。

———始まり———
　２-1部＊ケンカ

「やッ・・!!!」

嫌な汗を掻いてベッドから飛び起きる。

「はぁっはぁっは・・ぁ・・・」

乱れた呼吸を元に戻す。

手が震えている。

何・・これ。

思い出せない。なんなの。嫌な予感だけが頭をぐるぐる。

ぐるぐるする…の方が良い気が…（汗）

24さん
そうですね・・・後から見ると違和感バリバリですな。藁

思い出せないなら、夢だったんだ。

なんだ。ビックリした。

「でも・・何か・・」

妙に・・怖い感じの夢だった。

「あ、」

机の上にある携帯が光っている事に気づく。

相手は奏からだった。

「うっわー珍しいなぁ」

声はウキウキでメールを開く。

【おはよう。
　今日は朝練ないから家まで
　むかえにいく。
　用意して待ってろ。
　　　　　　　池田　　　　】

「あれ・・・これ、どっかで・・」

見覚えのあるメールに軽く戸惑いを見せる。

「んー・・」

ま、いっか。そう思っていつも通り、学校の用意を始めた。



「あぁーヤバい!!もう30分?!!」

用意をしているうちに時計の存在に気付く。

窓の外を確認すると奏は考え事をしているみたいで、腕を組んで立っていた。

「やばいやばい!!」

焦りながらも身だしなみはちゃんとして、玄関に向かった。

「おはよー」

ドアを開けて転びそうになりながらも挨拶をする。

奏は道路の端に立って時間を見たりキョロキョロしている。

「あれ・・どしたん？」

「・・・ぇ」

小さく震えた声が聞こえる。

え、なんなの。

「だから、おはよー」

「お、おはよ」

何さ。自分からメールしてきたくせに。

「で、遅刻するから早くいこ!!」

奏の腕を引っ張って駅の方へ進む。

「ちょっ待って」

奏はあたしの腕をつかみ腕時計と自分の携帯の時刻を確認する。

「な、何でだよ・・・」

眉間にしわを寄せてぼそっと言う。

それからすぐにいつもの奏の笑顔に戻り「おはよ」と抱きしめてきた。

「え、なんなの？」

そう言うと奏は黙ってしまった。

「いや、言いたくないなら・・いいけど」

「・・・ごめん。あ、で、時計間違ってるから」

流された。どうしても聞きたかったからあんな言い方したのに。

まあいいや。そう思ってスクバから自分の携帯を取り出して時間を確かめる。

「・・・・・・」

何故だ。

何でこんなにもずれているんだ。

なーんて。少しカッコよく言ってみたけど、ダサいだけだった。

「そ、それ・・俺がやった」

少し笑いぎみの奏が言ってきた。

「何でそんなこと・・」

「え、そんな驚くなよ」

あたしのリアクションに奏は少し引いた。うわっ。

でも理由、わかってる。知ってる。

「俺さ、「学割きく喫茶店とか知ってるんだよね。でしょ？」

途中、奏の言葉をさえぎって言った。

意図的にではなくて、口が勝手に。

「え、ちょ、何で」

「わかんないけど、何となく？てきな」

「まぁそんなこといーじゃん。早く連れてってよ」

奏の腕を引っ張り歩き出す。

「あ・・うん」

曖昧な答えを言って笑顔を見せてきた。



「今日ねー変な夢見たんだよー」

「まじか。俺も見た。智香はどんな夢だったん？」

歩きながら今朝のことを話題にする。

「えぇ!!あたしはねぇ、何かよーくわかんないけど、命の危険を感じた夢だった」

「はぁ？なんだよそれ」

そう言って爆笑された。おいおい、こっちは真面目だぞ。

と思いつつもあたしも少し笑っちゃった。

「命の危険って・・・ちょ、やべ。爆笑なんすっけど・・・って・・え？」

急に笑いを止めた奏が真顔になる。

「え、なに？」

「・・・あ、いや。俺の夢は逆に智香とラブラブな「ちょいまて」

ラブラブって、いや。嬉しいッスよ。でも恥ずかしいっすよ。

「えー俺とラブラブだなんてサイコーじゃん智香ちゃん」

ニコニコで言われた。軽くむかっときちゃう。

そんなことを話していたら駅に着いた。

そのまま2人は喫茶店に向かう。

「いらっしゃいませー」

店員さんの明るい声が響く。

「俺、トリプルサンドウィッチで」

「じゃあーあたしは・・・」

コーヒー・・なんでか前に飲んだ気がする。あと、高すぎ。

コーヒー一杯で普通そんなに金とるかよ。

「あ、この野菜サラダで」

「あれ、コーヒーは？」

「え、何で？」

「あ、いや。何でもない」

そんな何でもない言葉から、あたしはカッとなりすぎた。

「ねぇ、今日の奏変だよ。何か隠してるでしょ」

叫んで言いたかったのを抑えて低めのトーンで話す。

「そんなことないよ。それよりさ、パフェ食べない？これさ・・」

「言い逃れなんか」

奏の話をさえぎって自分の話を進めた。

「聞きたくない」

「だから本当に何もないって」

あぁもう。ぼそっと愚痴って頭を掻く。

「ごめんあたし、・・・先に行ってる」

ためらいながらも出口へ向かう。

少しだけ期待した。

待ってよ、こんな時だけど呼びとめぐらいして欲しかった。

勝手に期待して、がっかりして、ホントあたし何がしたいんだろ。

何も言わずに店を出る。

奏はイスに座ったままあたしに背を向けている。

最近こんなことばっかだよ。

「・・・・・もういい」

別にあたし悪くないもん。そりゃ少し聞き方が変だと思うけど。

でも秘密を作る方がもっと悪いでしょ。

仏頂面でホームまで向かう。

階段を下りている時今更だけど声が微かに聞こえた。

「え？」

振り返ったとき、あたしの視界は真っ暗だ。


ホント、一瞬で何が起きたのかわかんなかったんだよ。

２-２部＊後悔　　　

————奏————

女の子の方が好きかもって。

前に智香が女友達と一緒にいるとこを見かけることは何度もある。

だって、んなの当たり前だから。

普通こんな話にマジになるやつ何ていないんだろーな。

でもやっぱ不安だ。

前に後輩、智香と同じ学年の女子に呼び出しをされたことがあった。

俺、これでもモテるから告白かなーなんて適当に考えてたんだよな。

そしたら全然違った。

「もう智に近づかないで下さい」

こんなセリフ、言われるなんて思わないし。

何でってきいたら当たり前のように

「智はウチの親友!!先輩のせいで最近付き合い悪いし・・・それに!!」

って言ってきた。そのとき俺は

言葉使い悪いなぁ。先輩なんだぞ、丁寧な言葉使えよな。

とかのんきなことを考えてた。

言葉の続きを聞いても信じなかった。

「智は男子なんて大っきらいなの!!先輩を好きになるはずない!!」

この子、レズなのか。

そう思った。だって智香とはただ普通の恋をしただけだし。

そんな軽く理解したように今まで来たけど、本当だったのかな。

そんなこんなで口走ってしまった言葉。

智香はしつこく謝ってきた。

なのに俺は耳に届かずそのまま歩いていた。

「わっ」

無理矢理振り向かされた。

「ごめん、もう冗談言わないから」

いや、冗談は言っていいんだよ。

「そーゆー問題じゃねぇ」

冗談を言うとか言わないとか。

俺は真剣に智香を好きだ。でも今はその気持ちが踏まれた気分。

そういえば智香からは付き合ってから一度も「好き」って言葉

聞いてなかったな。