>>986
参考 最近の欧州移民政策の変化と潮流
フォーカス:2008年4月
2007年は移民関連の話題に事欠かない年であった。フランスでは、5月にサルコジ氏が新大統領に就任し、新移民法を成立させた。内相時代から不法移民の取り締まり強化をはじめとする移民法改正に積極的だった同氏による法改正により、高度人材を積極的に受け入れるとする一方で、不法移民への取り締まり強化など移民の管理強化姿勢が鮮明になった。
(略)
フランスの動向
2006年移民法は、(1)移民流入の抑制、(2)移民選別の促進、(3)移民の社会統合策の強化――の三つの柱で構成される。
(略)
(2)移民選別の促進
2006移民法では移民流入の抑制を強化する一方で、「移民選別の促進」を規定している。これは、フランス経済・社会の需要に沿って労働力を選別し、経済、科学、文化および人道に関するプロジェクトに参加できるような外国人のみを積極的に受け入れるという方針である。
まず、能力と才能のある外国人を対象に3年間有効かつ更新可能な滞在許可証を新たに創設した。この「能力・才能」滞在許可証を取得できる外国人は、「フランス経済の発展やフランスの地位向上に寄与する」と考えられる者で、具体的には研究者・科学者や情報処理技術者(コンピュータプログラマーなど)、芸術家、スポーツ選手などを想定している。
学生の場合には、出身国での専門的研究が有意義と認められれば、滞在許可証の交付および更新が簡素化される。