無施錠率、全国平均上回る12/24(金) 9:26
山形新聞
県内で今年11月末までに発生した住宅侵入盗や自動車盗、自転車盗、車上狙いの各種被害で、無施錠の割合がいずれも全国平均と比べて高いことが23日、県警生活安全企画課のまとめで分かった。同課は「施錠は防犯の基本。無施錠が狙われている実態を理解し、家庭内でも施錠を周知・徹底してほしい」と話す。同課によると、県内で今年に入り確認された住宅侵入盗被害は86件でこのうち無施錠は64件。無施錠率は74.4%と、全国の53.2%を大きく上回っている。置賜地方の住宅は7月、未明に無施錠の勝手口から何者かに侵入され現金約51万円を盗まれた。後に大阪で逮捕された本籍香川県の男は自転車も盗み、移動手段として利用したとみられ、周辺でも同様の被害が確認された。自動車盗被害17件のうち11件はキーがささったままなど車内に残っていた。「キーあり率」は64.7%で、全国の22.9%の3倍近い。8月には本籍兵庫県の男が山形市内の民家敷地から無施錠でキーが付いたままの軽トラックを盗み、警察の追跡を受けて山中にトラックを乗り捨てて逃走。その後、宮城県でキー付きの軽トラックを盗み、本県に戻ってきたところを逮捕された。公判で事務所荒らしをするために車両やナンバープレートを盗んでいたことが明らかになった。車上狙いの被害は93件あり、このうち無施錠は84件、自転車盗難被害は302件中225件が無施錠だった。無施錠率はそれぞれ90.3%、74.5%で、全国平均の64.6%、61.6%と大きな差がある。生活安全企画課の後藤豊管理官は「無施錠は犯行を短時間・容易にするためターゲットになりやすい」と説明。「『周囲に悪い人はいない』『山形は安全だ』と過信しないでほしい。県外から無施錠を狙って本県に入ってきている人間がいる」と警鐘を鳴らす。窃盗犯罪被害の無施錠率(自動車盗難被害はキーあり率、今年11月末現在)
▽住宅侵入窃盗被害 山形74.4% 全国53.2%
▽自動車盗難被害 山形64.7% 全国22.9%
▽車上狙い被害 山形90.3% 全国64.6%
▽自転車盗難被害 山形74.5% 全国61.6%