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●90%ｶｯﾄまで!　CM不況が女優を襲う
ﾘｽﾄは､通常､我々の目には触れることのない”(ﾏﾙ秘)扱い”のものだ｡
　ｷｬｽﾃｨﾝｸﾞ関係者が解説する｡
｢これはある大手飲料ﾒｰｶｰの商品CMを制作した場合におけるﾀﾚﾝﾄのｷﾞｬﾗﾃﾞｰﾀです｡つまり平均的な企業のCM料金といっていい｣
　このﾘｽﾄが､人気の女優たちのCMｷﾞｬﾗの目安となるわけだ｡ﾒﾃﾞｨｱ全体が不況にあえぐなか､CM料金にもその影響はある｡今回入手したﾘｽﾄは過去3年間の料金の推移を記しており､それを見ても女優たちのｷﾞｬﾗが”大暴落”傾向にあるのがよくわかる｡
　ﾜｰｽﾄ1はかつての”CM女王”松嶋菜々子｡2年前の7千万円から大幅減額の2千800万円となってしまった｡現在でも大手企業のCMに出演しているが､世の不況は女王をも直撃したようだ｡そして次点につけてしまったのがｴﾋﾞちゃんこと蛯原友里｡2年前の5千万円から現在は1千万円｡先日､ILMARIと挙式したばかりのｴﾋﾞちゃんだが､その影響も大きいのだろうか｡
　理由がはっきりとわかりやすいのが､夫･押尾学被告の影響でかつての4千500万円から600万円まで下がった矢田亜希子｡ほかに際立っているのが､ﾄｯﾌﾟｱｲﾄﾞﾙにもかかわらず現在300万円のほしのあき｡10分の1の200万円となった若槻千夏あたりだ｡
｢理由はｽｷｬﾝﾀﾞﾙを起こした､結婚した､露出が減った､などさまざま｡もちろん､暴落傾向にあるとわかればｲﾒｰｼﾞﾀﾞｳﾝになり､仕事が減ってしまう——ということを恐れて､なかなか値段を下げないﾀﾚﾝﾄもいますけどね｣(広告代理店関係者)
●｢さらに値引きも｣関係者が内部情報を暴露
　ﾘｽﾄを詳しくみていくと､さらに業界の裏側が書かれている｡詳細に紹介していこう｡
　大きな金額が動く女優たちのCMｷﾞｬﾗ｡これはどこから出て､どのように決まるのだろうか｡前出･ｷｬｽﾃｨﾝｸﾞ関係者に聞いてみた｡
｢ｽﾎﾟﾝｻｰが出稿するCM料金はそれぞれ年間いくら､と決まっており､そのなかからﾀﾚﾝﾄのｷﾞｬﾗは捻出されます｡CMには波代(CMを電波に乗せて流す費用)とCMの制作代がかかり､それらを差し引いたなかからﾀﾚﾝﾄのｷﾞｬﾗを出すんです｡その額ですが､事務所が提示した金額を代理店がｽﾎﾟﾝｻｰに打診して決めます｡そのとき”もう少しどうにかならないか”となった場合は代理店が差し戻して決めることもありますね｣
　前にも述べたとおり､最近は不況でCM自体が全体的に減っており､かつては5千万円で中ﾗﾝｸだったのが､現在は3千万〜4千万円台が主流となっている｡｢5千万円ともなればﾄｯﾌﾟｸﾗｽになりますね｣(広告代理店関係者)｡実際にこのﾘｽﾄでも5千万円以上は仲間由紀恵､浜崎あゆみ､黒木瞳､菅野美穂､吉永小百合､安室奈美恵､そしてなぜか(!?)沢尻ｴﾘｶの7人だけである｡
　ただ最近は女性ｱｽﾘｰﾄの人気の高さがCMでも女優をしのぐ勢いだ｡今年おこなわれたﾊﾞﾝｸｰﾊﾞｰ五輪に出場した選手のｷﾞｬﾗも聞くことができた｡
｢ｽﾎﾟｰﾂのなかでも華のあるﾌｨｷﾞｭｱｽｹｰﾄは､とくに高いですね｡例えば浅田真央は8千万円｡五輪の前と変わっていませんが､金ﾒﾀﾞﾙだったら1億円に跳ね上がったはずです｡金ﾒﾀﾞﾙを取ったｷﾑ･ﾖﾅはさらに高く､1億3千万円の値がついています｡5位の安藤美姫が3千万円､8位の鈴木明子で1千万円です｡ﾌｨｷﾞｭｱには及ばないが､ﾓｰｸﾞﾙで4位に入賞した上村愛子は､夫(ｱﾙﾍﾟﾝｽｷｰの皆川賢太郎)と共演するという条件で5千万円の値がついています｣(ｷｬｽﾃｨﾝｸﾞ関係者)
　さて､このﾘｽﾄの”怖い”ところは備考欄にさまざまな条件が書かれているところ｡例えば篠原涼子､安室奈美恵は｢本人ｼﾞｬｯｼﾞのみ｣｡つまりどんなにいい条件のCMでも本人が気に入らなければやらないということだ｡伊東美咲は｢現在NG｣との言葉が｡つまりは結婚して”仕事をしていない”状態だから｡ｱｰﾃｨｽﾄ系は｢自分の曲を流すこと｣が条件という人がおり､木村ｶｴﾗ､西野ｶﾅなどがあてはまる｡
｢今は増額している人以外､ほとんどの事務所が値引きの相談に応じてくれていますね｡額面より500万円は下がることも珍しくありません｣
　女優たちもいろいろ大変なようだ｡