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市船舶局によると、2014年度の東九州自動車道の鹿屋延伸、15年度の桜島噴火警戒レベル4への引き上げなどを背景に旅客、車両とも利用が減少。18年度は一時的に持ち直し、19年度以降は新型コロナウイルス禍で再び大きく落ち込んだ。
20年度の輸送量は旅客191万8000人、車両91万3000台。13年度(旅客367万6000人、車両152万7000台)と比べ、6割以下まで減った。最近は回復傾向だが、コロナ禍前の水準には戻っていない。
こうした状況を受け、フェリー事業の経常収支は15年度以降、赤字が続いている。15~19年度は2億円台、20、21年度は7億円台にまで膨らんだ。23年度は3億円近くになる見込み。近年の燃料費高騰も経営を圧迫している。
市船舶局の試算では、現行運賃のまま営業を続けた場合、25年度末に資金残高はマイナス5億4300万円、資金不足比率27.3%となる。同比率が20%を超えると、公営企業は「経営健全化団体」になる。そうなれば、国から抜本的な改善計画を求められ、現行の便数や隻数、サービスを維持できなくなる可能性があるという。
桜島フェリーは19年度に値上げを実施した。23年度は5隻から4隻に減らし、主な運航間隔を15分から20分に拡大して減便するなど、赤字対策に取り組んできた。
値上げ後も経営を取り巻く環境は依然厳しいが、慢性的な資金不足は回避できると予測している。市船舶局の渡辺真一郎次長は「フェリーは生活航路であるとともに、災害時の救難船舶としての位置付けもある。事業継続のため、値上げに理解をいただきたい」としている。
6/14(金) 21:30配信
南日本新聞