>>157
私が高2の時に聞いた話を思い出しました。
当時の、国語の先生からの話です。
普段からとても、ひょうきんな先生で、未成年の私達に、“エロティシズム”や、“爛熟・退廃”の美学についても、(しばしば本来の課目から脱線し、)それらを熱心に語ってくださる、実に、サービス精神旺盛な方でありました。
でも、いわゆる文学とか、人生観等々について、その姿勢は誠実だった。( …と、少なくともこの私は、今でもそう思っている。)
そんな国語の先生から聞いた、ひとりの盲学校生が自殺した話
先生は、盲学校の生徒たちに、
「苦しくなったら、これを読んで下さい」…と、
宮沢賢治の、『 雨ニモマケズ 』 の詩を、点字で打ち、
せめてもの励みになればと、生徒諸君に差し上げたのだという。
しかし、その教え子のひとりが、在学中に、みづから命を絶ってしまった“事件”についての、以下は、先生の述懐です。
先生が、(自殺した)彼に与えた、点字の『 雨ニモマケズ 』 は、
… その指で、何度もなぞって読みかえされて、まっ黒になっていた。
先生は、当時それを見て、「 納得した 」と、私達に語ってくれた。
( この詩を、何度も何度も繰り返し読んでくれていた君、なのに、それでも … )
「 君は、それ程までに悲しかったか 」 … と、
そうであったのなら、仕方ない。
残された僕らは、君の冥福を祈るしかない。
偶々思い出してしまった、上記の話ですが、
この世における、“ 幸福 ”の追求に、“ 絶望 ” してしまった人々は、やはり、
“ 冥福 ”‥ という、最後の選択肢に、その身を委ねるしかないのか ...?
… と、今の私自身にとっても、この問題、けして他人事ではないのです。