(1) 刑事上の名誉毀損罪の要件・法定刑
① 公然と事実を摘示(あばき示すの意)したこと
② ①によって故意に他人の名誉を毀損したこと
①の「事実の摘示」の要件については、その事実が実際に正しいかどうかは関係なく、虚偽の事実であっても名誉毀損罪が成立します。
名誉毀損罪の法定刑は「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」です。
(2) 民事上の名誉毀損の要件・効果
① 故意または過失があること
② 名誉毀損的な言動によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害したこと
③ ②によって、他人に損害が生じたこと
刑事上の名誉毀損罪とは異なり、民法上の不法行為としての名誉毀損の成立要件には、「事実の摘示」は含まれていません。
したがって、言動が「事実の摘示」に当たるか否かを問わず、その言動によって他人に損害を与えた場合には、損害賠償などが認められることになります。