■使用前使用後の変わり身がすごい
北海道シリーズのメインイベント、札幌記念。
近年GIへの昇格がささやかれるスーパーG2で、なにしろ出走馬のレベルが半端なく高い。
またここを勝ってその後の飛躍につなげる馬も多く、昨年の勝ち馬ネオリアリズム(牡6・堀厩舎)などはその典型と言える。
それまで重賞を勝ったこともない馬が、いきなり逃げの手に出てあれよあれよという間の逃走劇。
「これはフロックじゃね?」という声を尻目に、その後も距離不足だった香港マイル以外は手堅く馬券圏内に入り、前走ついに海外G1勝ちと、6歳にしてちょっと驚く変身ぶりなのである。
■G1馬たちの成績はおおむね良いが
近年でも、モーリス、ゴールドシップ級の名馬がここを使ってそれなりの成績を収めている。
ローテは様々で
モーリス→安田記念
ハープスター→オークス
ゴールドシップ→宝塚記念
ホエールキャプチャ→安田記念
ヒルノダムール→天皇賞春
トーセンジョーダン→宝塚記念
レッドディザイア→有馬記念
など、とにかくG1から直行してきた馬であれば、軒並み馬券に絡む。
このあと秋のG1シリーズまで間があるし、抜かりなく仕上げられる環境にあるということだろう。
■不思議なことに連覇はあまりない
毎年これだけ強い馬が出てくるにもかかわらず、札幌記念の連覇は97、98年のエアグルーヴにまでさかのぼる。
しかしこの当時は本当にまだローカルG2という趣が強く、札幌コースを高く評価していた伊藤雄二元調教師の手腕によるところも大きい。
最近は頭数がそろい、馬のレベルも上がる中で、一戦必勝の仕上げが必要とされ、ピークに近くないと挑戦者たちを退けられなくなっているのかもしれない。
もっとも、その年の目標が前年と変わることで、連続出走自体があまりなくなってきた。
今年のネオリアリズムの動向は、これからの札幌記念の意義も問われる重要な指標となるだろう。
■挑戦者たちの狙えるローテとは
では、強者に立ち向かうチャレンジャーたちはどんなローテを経てここへやってきたのか。
近年もっとも警戒すべきは
▼函館記念→札幌記念
という、北海道2回走り組である。
ハンデ戦→別定戦、G3→G2という、普通なら絶対にリンクしないはずの2レースだが、やはり調整のしやすい土地へ連れてきているという点、そして対戦メンツがある程度絞られるという点、この2点によって大きく浮上してくるのだ。
昨年のネオリアリズムをはじめ、ダービーフィズ、トウケイヘイロー、アスカクリチャン、アンコイルド、アクシオンなど、人気の有無にかかわらず、函館記念組は馬券になるローテのひとつだ。
その際、函館記念での成績は「ひとケタ着順に限る」としておく。
それでいて人気を落とす穴馬をくまなくチェックせよ!
【日時】2017年08月11日(金)
【提供】YAZIUP