南太平洋のバヌアツでは、アオーバ島の噴火活動がいっそう激化しており、噴石や火山灰、有害な火山ガスが住宅地まで到達した。
こうしたなか、地元の研究者が上空から撮影した火を噴く火口湖の画像が公開された。
アオーバ島では23日以降、島中央に位置する火口湖で噴火活動が激化。
火口から噴出した火山岩が堆積して、「スコリア丘」と呼ばれる円錐台形の山が出現した。
新たにできた火山が絶え間なく噴火し、火山から半径6.5キロ以内は、立ち入り禁止の危険地域とされている。
アオーバ島から南に200キロほど離れた首都ポート・ビラのNPO団体「Haos Blong Volkeno(火山の家)」は25日、上空からとらえた火口湖の画像を公開した。
新たに出現したとみられる2つの火口からは、オレンジ色のマグマがのぞき、白い噴煙が勢いよく上昇している。
観光用飛行機を操縦しているアダム・リードさんがとらえた写真でも、火山成分によって、湖水が濃いエメラルドグリーンになっているのがわかる。
バヌアツ国家災害管理局は、「火山活動はさらに激化する可能性がある」として、緊急事態を宣言し。
島民の7割にあたる7000人以上を避難させ、島内の学校を閉鎖した。
さらに避難者への緊急支援金として約1億9600万円(2億バツ)の供出を決定したが、現地では避難所をはじめ、水や食料が不足している。
バヌアツは83の島から構成される諸島で、そのうち半分近くは火山島だ。
国家の政策で、2003年以降、スキューバダイビングや火山見学を目的にした観光業が盛んだが、一方で地球温暖化の影響で、海面が上昇することで国土の大半が水没する可能性があると懸念されている。
【日時】2017年09月27日(水) 12:02
【提供】ハザードラボ