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2025年国際博覧会（大阪・関西万博）の海外パビリオンを巡り、自見英子万博相は13日、日本側がゼネコンとの交渉や発注を担う「タイプX」の建設費を一時的に日本が立て替える方針を明らかにした。同日の閣議後の記者会見で明らかにした。万博は開幕まで13日で1年半となったが、目玉である海外館の準備が遅れているため、今回の措置で整備を促す。

万博相はタイプXについて「日本国際博覧会協会（万博協会）が建設した上で（参加国に）引き渡し、その後費用を回収する」と語った。建設費は参加国が最終的に拠出するため、日本の公費負担の増加にはつながらないとの認識を示した。

タイプXの建設費は事後的に回収する想定だが、具体的な方法は未定だ。一時的とはいえ海外館の建設に日本の公費を追加投入することには懸念の声もある。大阪府の吉村洋文知事は13日、未回収となるリスクを問われ「（後から支払うという）約束の中でそれぞれの国が判断する」と述べるにとどめた。ある万博協会幹部は「未払いリスクはある」と話す。

海外館を巡っては、資材費の高騰などでゼネコンと出展国の契約交渉が停滞し、参加国が自前で建てる「タイプA」の準備遅れが課題となっている。建築基準法上、パビリオン建設に必要な「仮設建築物許可」を大阪市に申請したのは現在、4カ国のみとなっている。

万博協会は打開策として、日本が建設を代行するタイプXを各国に提案。建設費は参加国側が負担すると説明していた。タイプXを検討する国の中には本国での調整に時間を要すケースなどがあり、日本側が「肩代わり」して早期着工をめざす。

【日時】2023年10月13日(金) 20:39
【ソース】日本経済新聞