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大東亜戦争で徴兵され満州に行って、奇跡的に生還したうちの爺さんから聞いた話。
戦時中とはいえ、満州は空襲も戦闘もなかった。ただ、満州へ向かう途中、我々の乗った列車が朝鮮の賊に襲われた時は命の危険を感じた。何せこちらは武器を持たない丸腰、相手は武器を持っている。
その後、満州に到着するが、満州では空襲も戦闘もなく、ただただ冬の寒さが辛かった。国境警備をやったが、河の向こうのソ連が次々と増強されていくのに、こちら側は次々と南方へと転戦させられ手薄になっていく。
そんな中、ついに沖縄陥落の知らせが入り、本土決戦に備えて内地への移動となる。既に日本海の制海権はアメリカに握られており、撃沈される船も多数ある中、奇跡的にも日本の内地に着いた。
その後は日本の九十九里浜で上陸してくる米軍を迎え撃つべく、ひたすら塹壕掘りに明け暮れている時に終戦の報が入り除隊、故郷へと帰る。
終戦後1ヶ月経ったある日、新聞を見ると満州の元いた隊はソ連により全滅との記事を見る。日本へ帰ってくるのが後1ヶ月遅かったら死んでいた。
満州にいたため、実際の戦闘は経験していない。だが、軍隊というところは何かあれば連帯責任、鉄拳制裁は当たり前のところ。
もし、自衛隊に志願するのであればそれなりの覚悟を持って行きなさいと言われた。