これで“保証付き”の代表枠は残り1つとなり、平野と石川が争うことになった。二人は最新の世界ランキングで石川が10位、平野が11位と石川が上位にいるが、日本代表の内定者が発表される2020年1月6日時点の有効ポイント数を計算すると、平野が10695ポイント、石川が10630ポイントで平野が65ポイント上回る。しかし、これは1大会の結果で逆転してしまう僅差だ。
そんな二人に残されたポイント獲得のチャンスは年内2大会のみとなった。現在、開催中のノースアメリカンオープン(12月4〜8日/カナダ・マーカム)と来週のグランドファイナル(12月12〜15日/中国・鄭州)だ。ワールドツアーの格下大会にあたるノースアメリカンオープンには世界のトップランカーがエントリーしていないため、石川が第1シード、平野が第2シードに入る。お互い順当に勝ち上がれば決勝で直接対決になる可能性が高い。
[匿名さん]
石川佳純が涙のV 五輪残り1枠争い、平野美宇との直接対決制してポイント逆転
デイリースポーツ 2019/12/10 07:30
© デイリースポーツ ノースアメリカンOPで勝利し、涙する石川佳純
「卓球・ノースアメリカンオープン」(8日、マーカム)
女子シングルス決勝が行われ、世界ランク10位の石川佳純(26)=全農=が同11位の平野美宇(19)=日本生命=を4−2で下し、優勝した。ここまで東京五輪選考レースのシングルス2枠目の争いでわずかに平野に後れを取っていた石川だったが、直接対決を制し、ポイントで逆転。最終決戦となるグランドファイナル(12日開幕・中国、鄭州)を前に優位に立ち、3大会連続五輪出場に近づいた。
この試合に懸けていた。持てる力をすべて振り絞って、石川がライバルを打ち破った。平野の返球がネットに掛かり、勝利が決まると、両拳を2度振り下ろし、漏れ出る感情を抑えるように、口を手で覆った。それでも涙はあふれ出る。ベンチに戻ると、しばらくタオルに顔をうずめた。
今大会前の平野との差は65点差。優勝すれば、ともに200点が加算され、負ければ0点。代表争いの決着こそつかないが、敗れれば、圧倒的に不利な状況で最終戦のグランドファイナルを迎えなければならない崖っぷちの中で迎えた大一番だった。石川はポイントが決まるたびに拳を握り、感情をあらわにした。「原点回帰」として18歳の時以来という黒に染めた髪を束ねたポニーテールが激しく揺れる。気迫で平野をのみ込んだ。
し烈をきわめる日本のシングルス残り1枠争いは、王国からも注目を集めている。ライバルの中国メディアもこの一戦を大きく取り上げた。「騰訊体育」は、石川が号泣しながら取材に応える様子を動画で掲載。「今年はうまくプレーできず、調子の悪さを感じていて…。五輪の選考で、すごくプレッシャーを感じているけど、諦めずに支えてくれた人たちに感謝したい」と、万感の表情で話す26歳の姿がそこにあった。
[匿名さん]