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新型コロナウイルスの感染が広がる中、喫煙所を閉鎖する動きが出始めた。
狭い空間に人が密集し、たばこの煙を吐くことで飛沫ひまつも飛びやすいなど感染リスクが指摘されているためだ。
喫煙者は重症化しやすいとの報告もあり、専門家も注意を促している。
大阪府高槻市は今月3日から市内4か所の喫煙所を閉鎖した。
阪急高槻市駅北側の喫煙所には「当面の間閉鎖します」と紙が張られ、出入り口が黄色いテープで塞がれた。
通勤時などに利用するという大阪府茨木市の派遣社員男性(20)は「不便だけど仕方がない」と残念そう。
「たばこを吸える飲食店も営業を自粛し、喫煙できる場所がほとんどない。早く事態が落ち着いてほしい」と話した。
高槻市広報室は「感染拡大を防止するため閉鎖を決めた。喫煙所では、どうしても密接な接触を許してしまう」と説明する。
東京都内でも喫煙所を閉鎖する動きが出ている。
港区は5月6日まで、JR新橋駅前のSL広場など28か所の喫煙所を閉鎖。
品川区も今月17日から9か所の喫煙所を閉じた。
品川区地域活動課の担当者は「路上喫煙やポイ捨てが増える恐れもあり、悩ましい」と話す。
政府の専門家会議は、感染リスクが高まる密閉、密集、密接の「3密」を避けるよう求めている。
たばこの害に詳しい田淵貴大たかひろ・大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長は「喫煙所や喫煙室は典型的な『3密』だ」と説明する。
ニコチンは免疫機能を低下させるため、喫煙者は感染症にかかりやすいという。
「喫煙時はマスクも外す。リスクは極めて高い」と主張する。
実際、喫煙所での感染が疑われるケースも出ている。
今月、感染が確認された福井市内の50歳代男性の場合だ。
すでに感染が確認されている同僚男性と社内の喫煙所で20分ほど打ち合わせをしており、そこでうつった可能性が高いという。