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喫煙により臭いを発する主な原因は、(1)副流煙などの直接的な臭い、(2)衣服や髪の毛に付着した臭い、(3)口腔環境悪化による口臭、(4)肺からの呼気の臭い、(5)交感神経興奮による臭いの5つ。
「加熱式たばこは火を使わないので、直接的な臭いや衣服や髪の毛に着く臭いは格段に減ると考えられます。しかしニコチンの量は基本的に変わりませんし、他の臭い成分も少ないとはいえ存在します。紙巻たばこよりはマシでもたばこであることに変わりはなく、体臭も程度の差こそあれ同じように発生すると考えた方が良いでしょう」(大泉さん)
では、(3)~(5)のメカニズムについてそれぞれ教えてもらおう。
「たばこの成分は(3)口腔内の環境を悪化させ、歯周病や歯槽膿漏の原因菌が増加し、口臭の原因になります。これにたばこの臭いが混合され、口臭となります。また、喫煙するとたばこの成分は口の粘膜、気管、肺の粘膜から吸収され、血液に入ります。肝臓などで分解されなかった成分や、分解された臭い物質は血液を流れ、再び肺に運ばれます。これが、(4)呼気の臭いとなって放出されます。そして、ニコチンは殺虫剤にも使われる毒物で、神経毒の一種です。シナプスに作用して、(5)交感神経を興奮させる働きがあります。すると、エクリン腺、アポクリン腺などの汗腺からの分泌物が増えます。また皮脂腺から皮脂の分泌も増えます。ワキガや加齢臭の原因となる可能性もあります」(大泉さん)
これらは目には見えないが、確実に臭いの原因となっているようだ。