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刑務所に着いて最初に行われるのが着替えだ。着ていたもの、スマホなどの持ち物を預け、裸になって、官衣に着替える。
「官衣はもちろん、下着も靴下もお古を渡されます。黄色くなった汚い下着に、つぎはぎの靴下はつらかったですが、その後は刑務作業で貯めたお金で購入することができました。ちなみに私が3年の刑期で貯められたお金は5万円でした」
家族からの虐待や、夫からのDVの末の犯行も多くて、思わず同情してしまう人も少なくありません。一方で、子どもを殺した人には、みんな冷たかったですね
刑務所では年に3回ほど慰問コンサートが行われます。
地元の子どもたちやおじいちゃん、おばあちゃんたちのステージもあり、自分の子どもや親を思って、やっぱりみんな泣いてしまいます。演目を見て、泣きそうなときはみんなタオルやハンカチを持っていきました
周囲の受刑者の8割が覚せい剤だったという。
「覚せい剤を打った人は、3年くらいの刑期では、その快感を忘れられないそうで、依存性の高さに驚きました。刑務所内で、針や砂糖を見ると、『覚せい剤を思い出して、またやりたくなる』と言ってましたから。
だから、せっかく出所してもまたすぐに戻ってきてしまうんです。でも、最初に自ら覚せい剤に手を出した人は少なくて、恋人から知らないうちに服用させられていたことがきっかけ、というケースも多いのがやるせなかったですね」
無事に出所した現在も、不安が押し寄せてくることがあるという。
「警官やパトカーを見ると、悪いことをしていなくてもドキドキして不安になりますし、刑務所にいる夢を見て飛び起きることもあります。後の人生にいろんな形で影響がありますから、刑務所には絶対入らないほうがいい。軽い気持ちで罪を犯すのはやめて! とみなさんにはお伝えしたいです」