兵庫県たつの市内で「クマを目撃した」との情報が相次いで市などに寄せられている。5月下旬に4件あり、6月上旬には市街地の民家でクマのものとみられるふんも見つかった。人が襲われたり、畑が荒らされたりなどの被害はないが、市が注意を呼びかけている。(西竹唯太朗)
市によると、目撃情報は5月25日午前11時ごろ=同市揖西町菖蒲谷の山中▽同28日正午ごろ=同市龍野町北龍野の的場山山頂付近▽同28日午後10時ごろ=同市揖西町小神の住宅街▽同31日午後6時ごろ=同市新宮町内-の計4件。
菖蒲谷では、市内の男性が道路を横切るクマのような動物2頭を見つけた。的場山では登山をしていた市内の男性が、米俵ほどの大きさの1頭を見かけた。小神では民家の住人女性が、近くの農地でクマらしき黒い動物の後ろ姿を目撃。新宮町の情報は匿名の通報で、詳細は不明という。
6月2日午前8時ごろには、同市龍野町日飼の民家敷地内で、イヌやネコのものとは大きさの異なるふんを住人が見つけ、市に通報した。市農林水産課の担当者は「専門機関で調査をしていないので断定はできない」としつつも「大きさや内容物からクマのものである可能性が高い」とする。
日飼は、過去に目撃情報があった山林付近とは異なり、住宅や商業施設が密集する市街地。揖保川を隔てていることや周辺に田畑が少ないことなどから「仮にクマだとして、なぜ日飼に現れたのか」と同課の担当者は首をかしげる。
県森林動物研究センターによると、この時期は山に食べ物が多いため、クマが人里近くに現れるケースは少ない。ただ、長距離を移動する動…
【日時】2025年06月06日(金) 09:30
【ソース】神戸新聞