森友学園や加計学園の疑惑と同じような展開になりそうだ。
5月29日、ジャーナリストの詩織さん(28)が、安倍首相と昵懇の元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(51)に「私はレイプされた」と会見で訴えた“事件”。
詩織さんは素顔をさらし、検察審査会に審査を申し立てたと公表した。
当時の警視庁刑事部長に事件を握り潰された可能性も指摘。
ところが、多くの大マスコミはダンマリを決め込んだまま。
不起訴になった事件のうえ、山口氏が〈私は法に触れることは一切していません〉とフェイスブックで反論していることもあり、及び腰なのは明らかだ。
しかし、この流れは一気に変わるかもしれない。
2日、性犯罪を厳罰化する刑法改正案が審議入りした衆院本会議で、野党が詩織さんの問題を大きく取り上げたのだ。
民進党の井出庸生議員が「不起訴になったのは当時の警視庁刑事部長が特別な判断をしたからではないか」と松本国家公安委員長に詰め寄ると、松本委員長が「警察本部が所轄警察署に指導を行うのは通常のこと。
捜査のいきさつについて検証はしない」と開き直るような答弁をし、議場からどよめきが起こる場面があった。
■大マスコミも無視できず
民進党の柚木道義議員も、同日の衆院厚労委員会で詩織さん問題に触れ、「捜査機関が公平な捜査をしなければ性犯罪を厳罰化しても実効性が担保されないのではないか」と、盛山法務副大臣にただした。
詩織さん問題が国会で追及されたことで、大マスコミもさすがに無視できなくなったようだ。
山口氏が昨年まで勤務していたTBSもきのう、〈元TBS記者への逮捕状取り下げ、野党が検証求める〉とようやくまともに報じた。
あらためて柚木議員が言う。
「加計学園をめぐる問題にも通じることですが、現実にあったことを、なかったことにしてしまう“隠蔽もみ消し内閣”の下では、性犯罪を厳罰化する改正案が成立したとしても法の実効性が担保されない恐れがあります。できれば詩織さんとも連携しつつ、今国会でこの問題を取り上げていきたい」
2日には国会前でこのレイプ事件に抗議するデモがあった。
大きなうねりが起きつつあるのは間違いない。
【日時】2017年06月03日(土)
【提供】日刊ゲンダイ