韓国では文在寅(ムン・ジェイン)新大統領が誕生し、国内外から新政権へ寄せる期待と注目が高まっているなかで、米航空宇宙局(NASA)は、国際宇宙ステーションや人工衛星がとらえた上空からの朝鮮半島の画像を公開した。
38度線で分断された北と南の暮らしの違いが明らかだ、として注目を集めている。
最初にご紹介するのは、2014年1月に国際宇宙ステーションの乗組員が撮影した写真。
手前に写る韓国のうち、ひときわ明るい光を放つのが首都ソウルの位置。
韓国と中国に挟まれた写真中央の暗い部分が北朝鮮で、平壌周辺にだけ街の光が見える。
国際通貨基金(IMF)が試算した2017年の韓国の国内総生産(GDP)は1兆4000億米ドルに対して、北朝鮮は250億ドルと桁違いだ。
北朝鮮の国民一人あたりのGDPは、2015年の推計で1013米ドルと見積もられていて、韓国と比べれば20分の1以下だ。
次にお見せするのが中国との国境にまたがる標高2744メートルの白頭山(ペクトゥサン)。
中国では「長白山」と呼んでいるが、清朝時代に白頭山一帯をめぐる領有争いが起こり、呼称問題に発展している。
朝鮮半島では最初期の朝鮮国が白頭山で起こり、その後、平壌に遷都したので、北朝鮮でも韓国でも聖地として崇められていて、2011年に亡くなった金正日総書記は、神格化するために白頭山で生まれたという伝説が信じられている。
そんな神話がある白頭山は1903年に噴火した記録が残されている。
平安時代に書かれた『日本紀略』や12世紀の朝鮮の歴史書には9世紀前後に火山活動があったことを示す記述が残されているが、場所が場所だけに研究は進んでいない。
米国立スミソニアン研究所では、10世紀に世界最大級とも言われる巨大噴火を起こしたと指摘している。
最後にご紹介するのが、1953年の朝鮮戦争の休戦によって生まれた南北間の非武装地帯だ。
NASAは地球観測衛星ランドサット7号がとらえた高解像度画像を解析して、南北の衝突の痕跡が残された地帯を特定している。
【日時】2017年05月13日(土) 13:27
【提供】ハザードラボ