米アラスカ州の海岸に、ブヨブヨしたゼリーのような透明のチューブ状の生物が大量に流れつき、環境団体や海洋生物学者が頭を悩ませている。
正体は暖かい海に生息するホヤの仲間で、アラスカで異常繁殖することはないため、地元では福島原発事故の影響を懸念する声も強い。
「パイロソーム」と呼ばれるこの生物は、一般的には赤道沿いの熱帯海域や地中海のような温かい海に生息。
プランクトンなどの微細な動物の細胞や植物などを栄養源にしており、体の大きさは4、5センチ程度から、大きくなると18メートルくらいになるものもあり、過去には60メートルという記録も残されている。
米海洋大気庁(NOAA)によると、ここ二年ほど西部のオレゴン州沿岸で漁師の網にかかるようになり、今年5月にはたった5分間の調査で6万匹近いパイロソームが確認された。
日本海でも大量発生したエチゼンクラゲが漁網を破るなどの被害が相次いでいるが、まったく同様の被害が報告されている。
しかも今回はさらに北上してアラスカ湾の沿岸で発見。
夏の間は海面から海底にかけてあらゆる水深で確認されたが、冬になると水温が一定の中層域に多くみられたという。
NOAAの研究チームは、「南の海に生息するパイロソームが、海洋の温暖化によって北太平洋で異常繁殖している可能性がある」と推撮しかし、パイロソームの不気味な姿を初めて目にする地元の住民の間では「対岸の福島原発事故の影響ではないか」と疑う人も多いという。
【日時】2017年11月04日(土) 07:00
【提供】ハザードラボ